RecycloBekiaはエジプトの電子廃棄物リサイクル企業である。
サービス概要
RecycloBekiaは、電子廃棄物による深刻化した環境汚染を防ぐために設立された。事業内容は主に電子廃棄物のリサイクルと、不正に処理される電子廃棄物の回収である。また回収した電子廃棄物を選別し、リサイクル材料の販売で収益を上げている。
エジプト国内では未開拓であった電子廃棄物のリサイクル市場に参入し成功を収めている。電子廃棄物のリサイクル技術を飛躍的に発展させ、民間企業や個人と提携し、エコロジカル・フットプリント(※1)の確立を目指している。
(※1)エコロジカル・フットプリントについて:
人間活動が環境に与える負荷を資源の再生産、廃棄物の浄化に必要な面積として示した数値
企業基本情報
起業家情報
代表:Mostafa Hemdan
出身:エジプト
学歴:タンタ大学
年齢:30代
会社概要
企業価値:非上場
サービス提供国:中東・北アフリカ地域
従業員数:20~30名
ホームページ:http://recyclobekia.com
推定資金調達額合計:不明
事業沿革
- 2011年4月 「INJAZエジプト」のコンテストで1位を獲得(賞金1万米ドル)。その後、Mostafa Hemdan氏はタンタ大学工学部の学生19名と大学在学中に会社を設立。
- 2011年 香港の企業から6,000台のハードドライブの注文を受けて、資本金となる1,000米ドルの資金を得る
- 2011年 タンタ大学の教授から売上の40%の利益と引き換えに融資を受ける
- 2012年 15万米ドルの追加資本を調達
- 2017年 年間240万米ドルの電子廃棄物を販売
提携企業
- General Electric
- Orange
- Intel
- Oracle
- ExxonMobil
- Rocket Internet
市場背景
世界では毎日13万トンの電子廃棄物が発生している。そのうちリサイクルされているのは10%に過ぎない。残りの廃棄物は大部分が埋め立てられ、鉛、カドミウム、水銀など有毒な重金属が環境に悪影響を与えている。
特に発展途上国ではインフォーマルセクター(※2)によって処理されており、インフォーマルセクターでは電子廃棄物から金のような貴金属を分解し、処理する訓練を受けていない業者が多い。
RecycloBekiaは設立以来、1,500トン以上の電子廃棄物をリサイクルしてきた。古いコンピューター、スマートフォン、その他の電子廃棄物を収集し、安全にリサイクルする事業を50カ所以上の国内および多国籍企業に対して提供している。電子廃棄物の誤処理を防ぐことで、人体への影響と環境の配慮を行っている。
(※2)インフォーマルセクターについて:
開発途上国の経済活動において公式に記録されない経済部門
サービス詳細
大手企業や自治体のネットワークを活用して小型コンテナを設置し、電子廃棄物を回収している。回収された電子廃棄物は選別され、状態に応じて再利用やリサイクルが行われる。
一部の部品は地元の市場で再販するために改修され、その他の部品は手作業で解体されている。残りの廃棄物は海外のリサイクル工場に売却している。
RecycloBekiaのウェブサイトでは、顧客が電子廃棄物の回収を依頼、またはリサイクル業者に持ち込める予約ができる。予約方法はRecycloBekiaが電子廃棄物として認めているデバイスのリストから選択し、住所を送信した後、担当者が引取日を設定する。
電子廃棄物が回収されると、オンラインでポイントを付与されて、そのポイントを電子製品と交換することも可能だ。
例えば、自転車のバッテリーは280ポイント、ノートパソコンは180ポイントとなり、800ポイントに達すると100エジプト・ポンド(約680円)相当のバウチャーを受け取れる。カイロに拠点を置く慈善団体「Resala」と提携し、電子廃棄物の査定と引き取りを行っている。
企業が電子廃棄物を適切に処理することで、RecycloBekiaより「Green Partner」の認定を受けてウェブサイトに掲載される。また、エジプト初の「環境に配慮した」電子廃棄物リサイクル企業として、ドイツとアメリカの事業所と提携している。
不適切な処分を行っていた廃棄物業者から電子廃棄物を購入し、エジプト国内での有害な電子廃棄物の処分を減らすことに成功しており、中東・北アフリカ地域で最初の電子廃棄物リサイクル工場の開設を目指している。
https://www.wamda.com/2012/09/recyclobekia-transforms-egypts-e-waste-into-a-commodity