『Shezlong』オンラインでメンタルヘルス専門のカウンセリングを提供

Shezlongは、MENA(Middle East & North Africa)地域で初めてのオンラインによるメンタルヘルス専門のカウンセリングサービス会社である。

サービス概要

オンラインカウンセリングを利用したいユーザーは、携帯電話またはPCなどをからShezlongのWEBベースへアクセスし、Shezlongの認定セラピストである精神医学療法士とコンタクトをし、会話できる。

企業基本情報

Shezlongのプラットフォームには、20カ国以上からの200人を超える精神医学療法士が登録しており、7種類の言語で受け付けている。サービス利用者は50カ国以上からの2万人を上回るユーザーが利用中だ。

起業家情報

代表:Ahmed Abu Elhaz
出身:エジプト
学歴:Mansoura University卒業
生年月日または年齢:33歳

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:中東及び北アフリカ
従業員数:不明
ホームページ:https://www.shezlong.com/
推定資金調達額合計:約51.6万ドル

事業沿革

  • 2015年、エジプトのカイロで、アーメド・アブ・エルハズ(Ahmed Abu Elhaz)と精神科医のムハンマド・エルシャミ(Mohammad ElShami)が創業。同年10月、$16,000の資金を調達。
  • 2016年10月、2人の投資家などから合わせて$150,000の資金を調達。
  • 2018年4月、500 Startups(※注記1)という投資団体と4人の投資家から合計$350,000をの投資を受ける。

(※注記1)500 Startupsとは
2010年にアメリカで設立されたベンチャービジネス向けの基金で、スタートアップ企業の援助、育成なども行う。本部をサンフランシスコに置くほか、世界各国で事業を展開している。

※参照元:
https://www.crunchbase.com/organization/shezlong

設立までの背景

創業者の背景

後にShezlongの創業者となるアーメド・アブ・エルハズは、大学卒業後、ソフトウェアエンジニアとして働いていた2014年、友人と出かけた旅行先で落馬事故に遭遇する。事故の影響でアーメドは入院した病院の担当医師から2度と歩けないと言われてしまう。

途方に暮れたアーメドは、病院でのリハビリを行うとともに、自身の精神療法に役立つ情報なり、セラピストなりを見つけ出せないかと、インターネットを通じた心理療法先を探す日々を過ごした。

しかし、アーメドが住むエリアで彼が望むような心理療法士を見つけることはできなかったことが、自分でネットを通じた心理療法サイトを立ち上げればいい、という結論に達し、スタートアップの準備を始めた。

思いついてから3カ月後、最終的にエジプト政府の技術革新と起業家精神センター(TIEC)の支援を受けられることが決まり、Shezlongとしての事業がスタートした。

アーメドは、さらに強力な専門家チームをShezlong内に作りたかったため、最高のセラピストの1人であるモハンマド・エルシャミー医師にShezlongの最高医療責任者及び医療ディレクターとなることを頼んで、受け入れられた。

市場背景

Shezlongが事業を始めたエジプト国内はもとより、北アフリカ周辺には、サイトを通じての心理療法セラピーという考えが生まれておらず、Shezlongが最初のサイトでの心理療法相談プラットフォームとなった。

Shezlong創業後、心理相談が急速に増え45カ国から2万人を超える人々が利用したということ自体に、隠れた需要があったことを示していた。

つまり、心理療法を受けたいと誰もが思っていたのに受ける窓口が少なかったところへ、Shezlongが登場し相談者が急増したという背景があった。

問題点

創業時及び創業後1年での最大の問題点は、運営資金調達がはかどらないことが問題だった。しかし、アーメドはサイトを運営しながら各地の投資グループやスタートアップコンペに積極的に出場し、社名と事業内容を覚えてもらうとともに、コンペで得た賞金を運営資金に回していた。

資金調達に加え、エジプトの文化的、社会的背景も障害の一つで問題となっている。エジプト国内では、未だに心理的な助けを他者に求めたり、セラピストを訪問して相談したりすることはタブー視されている。

このため、ケアが必要な人が社会的に孤立したり、極端な行動変化、時には自殺の危険さえ生じるほどで、精神的な助けが必要な人の数が増えている。

WHOの報告ではエジプト政府保険部門の医療費のうち、メンタルヘルスへの割合はわずか2%にとどまっている、などが問題点で、エジプトでのメンタルヘルス患者救済の資金は不十分だった。

そこでShezlongはオンラインセラピーの概念を導入するとともに、匿名性を保持することで、メンタルヘルス患者救済に先鞭をつけた形となった。

※参照元:
https://www.youtube.com/watch?v=ktF28JAptOE
https://musliminspire.com/egyptian-startup-battling-stigma-around-mental-health/

サービス詳細

ユーザーは、Shezlongを利用するにあたって匿名でも実名でも構わない。営業時間はセラピストの都合もあるが、サイト上での対応なので基本的に24時間営業。

予約セッション時間は30分または1時間。相談はShezlongのサイト上で、チャットあるいはビデオ会議ソフトを通して行う。

料金はセラピストのグレード別に30分のセッションで$20~75の費用がかかる。利用手順は以下の通り。

  1. Shezlongサイトにアクセスして「Find Your Therapist」をクリック、相談したいセラピストを選ぶ
  2. セラピストの空き時間などをチェックして自身の都合がよければ予約。
  3. 予約時間になったら希望したセラピストとの相談スタート。

※参照元:
https://www.shezlong.com/en/100-per-session
https://musliminspire.com/egyptian-startup-battling-stigma-around-mental-health/

競合について

アメリカで2012年に事業をスタートしたTalkspaceはグループセラピーや離婚を寸前のカップルなどの救済が主であり、リアルタイムでの相談や会話ではなく、テキストメッセージやビデオメッセージでの回答がメインだった、しかし近年は心理療法の需要の高まりから、リアルタイムの音声、ビデオ通話も可能となってきている。

TalkspaceもShezlong同様、運営資金調達には苦慮している。それでもアメリカで運営されているセラピーということで、イスラエルに本拠を置く投資会社であるQumra CapitalとUnitedHealth Groupの一部であるOPTUMから2017年と2019年に合わせて5,670万ドルの資金を調達いている。なお、OPTUMとはパートナーシップを締結した。

Shezlongの優位性

Shezlongの優位性の一つに、多言語対応がある。ユーザーがShezlongセラピーを受ける際の言語、つまりセラピストたちが駆使する言語は20カ国以上からの7言語となっている。さらに全セラピストは医師免許またはセラピストとしての認可資格をを保持している。

メンタルヘルスという特性上、議場に高度な会話能力が求められる。

さらにエジプトとその近隣諸国の患者への対応という文化的、社会的に同調できるセラピストを多く抱えていることも利点だ。これらは、いずれ競合相手も追随するであろうが、現時点ではエジプトで活動するのであればShezlongが有利であろう。

今後の展開

今後はもっと多くの心理療法セラピーに関する啓発キャンペーンだけでなく、現場でのワークショップを行うことで、メンタルヘルスのセラピーが、ちっともタブーでないことを知らしめていく計画だ。

また、エジプト近隣諸国で発生している戦争や戦闘に関連したストレス、うつ病、不安などもトラウマとなっている。

これらの影響が若年層に対して少しずつ深刻になってきていることから、若者向けのアプリの開発も急務としている。

※参照元:
https://nilefm.com/geekdom/article/499/meet-the-brains-behind-shezlong-the-app-that-changed-mental-therapy-as-we-know-it

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