『Farmerline』20万人の小規模農家へ情報交換プラットフォームを確立

Farmerlineは、小規模農家に情報へのアクセスとコミュニケーション手段を提供するために、ガーナ共和国で設立されたスタートアップ企業で、アフリカの農家が持続的な利益を創出することを目指すソフトウェア会社である。

「生産性を改善するための情報や、資源入手性を高めることにより、小規模農家を成功起業家に変える」ことをミッションとしている。

サービス概要

2012年に設立されたFarmerlineは、情報・資源へのアクセスを高めることにより、農家の生産性を向上し、また農家を世界市場に繋げ、小規模の農家が起業家として成功するよう支援するためのサービスを提供している。

ボイスメッセージやSMSを利用し、言語や識字率の障壁を超えて現地語で情報を提供することにより、20万人の農家ユーザーが母国語で情報伝達するプラットフォームを確立した。

このように農家に対し有益な市場情報を提供する一方で、さらに各農家から集めた情報を、収穫物の供給先である大企業、食品ブランドや、開発NGO、政府機関など他のパートナーに英語で的確に伝えることもできるので、これらの関係者にとっても、より効率的な情報の収集が可能となる。

企業基本情報

起業家情報

代表(CEO、共同創業者):Alloysius Attah
出身:ガーナ共和国
学歴: Kwame Nkrumah 科学技術大学(KNUST)
天然資源管理学部、漁業及び水産養殖専攻、学士号取得 (8)
年齢:29歳(2019年時点)(3)

代表(CTO、共同創業者):Emanuel Owusu Addai
出身:ガーナ共和国
学歴: Kwame Nkrumah 科学技術大学(KNUST) Geomatic Engineering専攻、学士及び修士号取得
生年月日または年齢:不明

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:ガーナ共和国、コートジボワール共和国、ベナン共和国、ナイジェリア連邦共和国、チュニジア共和国、シエラレオネ共和国、カメルーン共和国、モザンビーク共和国、マラウイ共和国、ケニア共和国(2018年5月時点)(9)
従業員数:32人(2017年7月時点)(5)
ホームページ:https://farmerline.co/
Facebook:https://www.facebook.com/farmerline/?_rdc=1&_rdr
Twitter:https://twitter.com/farmerline
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/farmerline/
推定資金調達額合計:$742,000 (6)
事業所:クマシ、アックラ(ガーナ共和国)、チューリッヒ(スイス連邦)、ワシントンDC(米国)
投資家・パートナー:
・The Hershey Company
・Ghana Cocoa Board (COCOBOD)
・World Cocoa Foundation
・Miller Center for Social Entrepreneurship
・CTA
・Echoing Green
・Sidley Austin Llp

Farmerlineは海外投資家から4400万ガーナcedi($1,000,000)の投資を誘致し(5)、King Baudouin African Development Prizeの賞金として367,000ガーナcedi($83,750)を獲得した (4)。

事業沿革

  • 2012年、Attah 氏がFarmerlineを設立。
  • 2013年、ボイスメッセージサービス開始。
  • 2015年、$284,000を超える利益創出 (3)。
  • 2016年、$375,000を超える利益創出(3)。
  • 2018年5月、無料アプリCocoaLinkをリリースし、サービス開始。同年、Fast Company社により「アフリカで2番目に革新的な企業」に認定された。
  • 2020年、ユーザー数100万人到達を計画。

市場背景

農業のコミュニティの中で育ったAttah氏は、食料を生産し家族を養うことの苦労や、気象や市場の情報を入手することの難しさを良く知っていた。

そこで大学卒業後、お世話になった人々にお返しがしたいと自然に考えるようになり、Farmerlineの設立に至った。

もう一人の共同創業者であるAddai氏は、母親がクリニックを運営しており、農家の人々が薬の費用の支払いに苦労する様子を見てきた。

アフリカでの携帯端末の普及は著しく、例えばガーナの人口のほぼ半分が携帯端末によりインターネットにアクセスできる。

これは西アフリカで2番目に高い比率であり、若者達は都会・田舎を問わず、オンラインゲームやFacebook、Instagram、WhatsAppのようなアプリを使うようになってきている。

ガーナの農家は世界のココアの20%を生産するが、彼らは国内の80もの異なる言語を話すため、情報の伝達・共有が困難という問題があった。

また、カカオ豆の供給先であるハーシー社は、収穫高の見込みなどの正確な情報を農家から得ることに苦労していた (4)。

このような背景のもと、Farmerlineのサービスは歓迎され、順調に拡大して利益を伸ばすことができたのである。

サービス詳細

Farmerlineの事業(出典:https://farmerline.co/products/

主な製品・サービス名を以下に紹介する。

MERGDATA platform

農家のマッピング、認証監査、農家教育、分析ソリューションにより、農家と協業する組織の、持続可能性と食糧確保の効率的な目的達成を助ける。

11か国にわたる20万人の農業者から知見を集め、70万エーカーの土地をマッピングし、農家はプラットフォームから最善策を学ぶことができる。

全てのサービスはSMS、Android、音声メッセージで提供され、識字率の低い農業者にも支援が行き届く。

PAYTIME

PAYTIMEは信用スコアリング、資金貸与のアプリであり、銀行口座を持っていない農業者でも、農場の所有数や生産作物の種類から、返済への信用を得ることができる。

399 Information Services

モバイルネットワークを利用して、アフリカ中の農家へ、いつでもどこでも農業に関する教育情報を届けるサービス。

例えば天気予報、市場価格等の情報に、携帯電話からアクセスできる。全コンテンツが現地語の音声で提供され、ユーザーの位置と生産段階に応じて情報をカスタマイズできる。

399情報サービス(出典:https://farmerline.co/products/

参考資料:
(1) https://www.unilever.com/about/inspiringaction/unilever-young-entrepreneurs-awards/2014-2015/alloysius-attah/
(2)http://www.fao.org/fileadmin/templates/cfs/Docs1415/Events/youth/casestudies/CFS42_Youth_Africa_Farmerline.pdf
(3)https://www.forbes.com/sites/mfonobongnsehe/2017/03/13/30-most-promising-young-entrepreneurs-in-africa-2017/#5108c3aa346a
(4) http://www.infodev.org/articles/ghana-tech-entrepreneur-connects-farmers-global-supply-chains
(5) https://qz.com/africa/1022969/farmers-are-the-secret-ingredient-for-ghanas-most-innovative-startups/
(6) https://www.crunchbase.com/organization/farmerline#section-overview
(7) https://investopress.com/farmerline-connects-farmers-markets
(8) https://www.linkedin.com/in/alloysiusattah/?originalSubdomain=gh
(9) https://www.winrock.org/wp-content/uploads/2019/01/CIS-Market-Assessment-Business-Model-Review-2018-FINAL.pdf
(10)https://www.changemakers.com/discussions/entries/farmerline-ltd

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