『OZÉ』アフリカの零細企業にファイナンス情報を記録できるアプリを提供

OZÉは、アフリカのガーナのスタートアップである。

OZÉは、経営にとって必要不可欠なファイナンスデータのプラットフォームの提供をアフリカの中小零細企業向けに行い、企業の持続的な経営と成長をサポートすることをミッションとしている。

サービス概要

OZÉが提供するサービスは、企業の売上、費用、買掛金、売掛金などの基本的なファイナンス情報を記録できるモバイルアプリの提供だ。

それらの記録を集めたデータから、アプリが自動的に企業の将来のキャッシュフローなどを予測し、資金ショートなどの経営リスクを予め把握することができる。

※OZÉホームページより引用

また、企業がこのアプリを利用しファイナンス情報を記録することで、金融機関からの借り入れの基となる信用情報にもなる。

つまり、金融機関にとっても融資先企業の貸し倒れリスクをデータとして把握、分析ができるようになっている。

特に中小零細企業にとって資金繰りというのは最も大きな経営課題のひとつであるため、OZÉはこの課題を、ファイナンスデータを蓄積できるプラットフォームと、そのデータに基づいた経営リスク予測の提供という形で企業の持続的成長をサポートしている。

企業基本情報

起業家情報

代表:Meghan McCormick
出身:アメリカ
学歴:Harvard University(2017-2019年)
Massachusetts Institute of Technology(MIT)にてMBA取得(2016-2018年)
生年月日または年齢:不明

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:アフリカ(ガーナを中心に西アフリカ諸国をメインとする)
従業員数:13名(ホームページより)
ホームページ:https://www.oze.guru/
推定資金調達額合計:$300,000(2019年時点)

事業沿革

  • 2017年 創業 – 共同創業者 Meghan McCormick(CEO), Dave Emnett(COO)、モバイルアプリサービス提供開始
  • 2018年2月 MIT Accelerate competitionにて$10,000を調達
  • 2018年4月 Harvard President’s Innovation Challengeにて$75,000を調達
  • 2018年4月 THE RICE BUSINESS PLAN COMPETITIONにて$150,000を調達
  • 2019年(時期不明) Fidelity Bank Ghanaと業務提携、アプリ登録企業が、アプリを通しての融資獲得が可能に
  • 2019年3月 2018 Female Founders in FinTech competitionにて$15,000を調達
  • 2019年4月 アプリ登録社数5,000社の達成
  • 2019年6月 MEST Africa Challengeにて$50,000を調達

市場背景

近年西アフリカ諸国では、若者の失業が大きな社会問題となっている。OZÉが主にサービスを展開しているガーナも例外ではない。

ガーナの人口は約3,000万人だが、その半分にあたる1,500万人が年齢25歳以下だ。さらに世界銀行によると、ガーナの15歳から25歳の人口の半分は職を持っていないという。そういった事情から、ガーナでは貧困や犯罪、テロなどの問題が年々深刻化している。

そのような市場背景もあり、ガーナでは多くの中小零細企業が生まれる。

しかし、OZÉのCEOであるMeghan McCormickによると、その中小零細企業のほとんどが、基本的なファイナンスの理解や管理、分析ができていないという。

そしてファイナンスの記録を取っていたとしても、デジタルツールを活用する企業は非常に少なく、紙やノートで管理する企業が未だに多いそうだ。

ファイナンスは企業経営の要であり、企業をスケールさせ成長へと導くには必要不可欠だ。そこに目をつけ、そういった中小零細企業のファイナンス課題の解決策として誕生したのが、OZÉとそのサービスである。

サービス詳細

OZÉがアプリで提供しているサービスの構造はシンプルで、企業の売上、費用、買掛金、売掛金などの基本的なファイナンス情報を記録できるというものだ。

全ての売上や費用のトランザクションは、誰から発生したのか、誰が誰に対していつ行ったかも管理できるようになっている。

そしてそれらの記録を継続的に行うことにより、いつまとまったお金が入ってくるのか、必要になりそうなのか、またはいつ資金ショートになりそうなリスクが迫っているかを事前に把握し、リスクを早い段階で回避できる。

また、アプリに登録している企業は経営や事業に関して、アプリ上でビジネスコーチと呼ばれるスタッフに気軽に相談もできるようになっている。

料金体系は以下の通りだ。

※OZÉホームページより引用

アプリ利用者が1名のみの場合は、無料でサービスを利用できる。
2名~3名までの場合は60GH₵/month(約1,150円/月)。
4名~5名までの場合は100GH₵/month(約1,950円/月)。
6名以上は要問い合わせとなっている。

アプリの登録から利用の仕方についてはOZÉがYouTube上にアップロードしている動画でも確認することができる。

こうしてこのアプリから蓄積されたファイナンス情報から、企業はアプリを通して金融機関から融資を受けることもできる。

上記の市場背景でも説明したように、ガーナを筆頭に多くのアフリカの中小零細企業は未だにファイナンス情報の管理を紙やノートで行っており、厳密に管理されているとは言えない状況だ。

そのような管理状態であれば当然金融機関から信用を得るのは難しく、よって融資を獲得するのも非常に困難だ。

まとまった資金が獲得できなければ、企業のさらなる成長は難しい。しかし、OZÉのこのアプリ上でファイナンス情報の管理ができれば、全てのデータが記録として残る。

健全な経営をしていることがデータで示すことができれば、金融機関からの信用も得やすく、融資のハードルも下がる。

CEOのMeghan McCormickによると、2019年4月時点でアプリ登録社数は5,000社を突破した。さらに、アプリ上で売上や費用のトランザクションを初めて記録した企業のうち69%の企業が、その初めての記録から6週間後も継続して記録を続けているという。

こうした「データを記録する」ということを中小零細企業に習慣化させ、それがガーナを含めたアフリカ諸国の経済発展の手助けとなればと、Meghan McCormickは言う。

現在はガーナを中心とした西アフリカ諸国でサービスを展開しているが、今後の展望として2020年までにナイジェリアへの本格的なサービス展開、そして同時に南アフリカへの展開も目指している。さらに今後5年間では、アフリカ全土へのサービス展開も計画している。

経済発展が続くアフリカでは、今後も間違いなく中小零細企業が増えていくことが見込まれる。こうしたファイナンス情報のデジタル管理のニーズ、及びそれを活用した融資、資金調達のニーズも、それと同時に伸びていくことが予想される。

*参考URL:
https://www.oze.guru/
https://disrupt-africa.com/2019/04/how-ghanas-oze-uses-data-to-help-small-businesses-access-finance/
https://innovationlabs.harvard.edu/meet/student-story/oze-asset-based-mindset/
https://disrupt-africa.com/2019/06/3-startups-win-50k-equity-investment-at-mest-africa-challenge/
https://www.oze.guru/oze-wins-prizes-at-rice-business-plan-competition
https://mitsloan.mit.edu/ideas-made-to-matter/mobile-business-app-oze-takes-top-prize-mit-accelerate-contest
https://www.quesnays.com/news/2019/3/8/incomeconductor-named-winner-of-female-founders-in-fintech-2018

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