『BitPesa』ビットコインを使った安価な国際送金サービスを提供!

BitPesaはケニアのスタートアップである。Bitは”Bitcoin”に代表されるように仮想通貨を、Pesaはスワヒリ語でお金を意味する言葉で、BitPesaはこの2つを合わせた造語になる。

BitPesaは文字通り、仮想通貨を用いた国際送金サービス事業を展開している。

サービス概要

アフリカ諸国では都市部を除いて銀行がない地域が多く、またクレジットカードや銀行口座を持っていない人たちが過半数を占めるため、送金サービス自体の利便性が低い上にコスト面でも問題があった。

また、銀行口座を保有している人たちにとっても、国際送金は多くの手数料がかかる上に着金まで多くの時間を要したことから利便性の低いサービスと見なされていた。

BitPesaは、ビットコインを国際送金に活用することで、法人と個人双方に対して、送金から着金までの時間はわずか20分ほどで、かつ廉価な手数料のサービスを提供している。

企業基本情報

起業家情報

代表:エリザベス・ロシエッロ (Elizabeth Rossiello)
出身:アメリカ合衆国 (ニューヨーク市)
学歴:コロンビア大学修士課程 (ファイナンス専攻)
生年月日または年齢:不明
略歴: Elizabeth Rossielloは、BitPesaを設立するまではサハラ砂漠以南地域のマイクロファイナンス事業者で格付アナリストとして働いていた。同時にグラミン財団、ゲイツ財団、アキュメン・ファンドの顧問、金融イノベーションの規制機関や政策立案にも従事していた。

会社概要

サービス提供国:ケニア、ガーナ、タンザニア、ナイジェリア、ウガンダ、DRコンゴ、セネガル、モロッコ、イギリス、中国、日本
従業員数:70人
ホームページ:https://www.bitpesa.co/
推定資金調達額合計:$15M

事業沿革

  • 2013.10 ケニアの首都ナイロビでBitPesaサービスを開始
  • 2015.2  $1.1Mのシード資金調達を発表 (Pantera Capital社などベンチャーキャピタル数社から調達)
  • 2015.9 BitPesaサービスをウガンダとナイジェリアに拡大
  • 2016.2 $1.1Mのベンチャーラウンドでの資金調達を発表
  • 2016.10 BitPesaサービスを中国に拡大
  • 2017.8 $2.5MのシリーズAラウンドでの資金調達を発表 (Greycroft Partnersなどベンチャーキャピタル数社から調達)
  • 2018.2 欧州のオンライン送金サービス事業者TransferZeroを買収
  • 2018.3 ガーナでBitPesaのサービスを開始
  • 2018.11 SOMPOホールディングスと業務提携を締結。SOMPOはBitPesaに約5億7000万円出資し、約10%の株式を取得。

※参照元
https://www.crunchbase.com/organization/bitpesa#section-funding-rounds
http://disrupt-africa.com/2017/08/kenyas-bitpesa-secures-more-investment-to-hit-10m-total-funding/
https://www.businesswire.com/news/home/20180207005997/en/BitPesa-Acquires-TransferZero-Leading-Online-European-Money
https://jp.cointelegraph.com/news/sompo-holdings-partners-with-bitpesa-to-develop-cross-border-remittance-service

設立の背景

CEOであるElizabeth RossielloはBitPesaサービスを開発した背景について以下の様に語っている。

私が2009年にナイロビに移ったとき、私が常に目にした問題の1つは為替のミスマッチでした。アフリカには、新しい市場を切り開いていた素晴らしい会社がいくつもありましたが、彼らは為替の面で苦戦していました。アフリカから中国への送金はアメリカを経由して行われており、非効率で高かったのです。彼らの利益の全ては、為替の変動と送金手数料によって無くなっていました。

When I moved to Nairobi in 2009, one problem I kept seeing was a mismatch in foreign exchange. There were great companies blazing new ground and new paths in Africa, but they were struggling with their foreign exchange. Payments destined for China from Africa were being routed through the US, which was inefficient and expensive. All their profits for the year were being burned away with foreign exchange volatility and high payment costs.

私達のビジネスモデルは、他国のスタートアップ企業と類似しています。しかし、BitPesaのサービスは、最新テクノロジーを駆使したスタートアップ企業から取り残されていた未開拓市場に特化したものです。

Our model is similar to some start-ups in other markets, but we designed BitPesa’s platform specifically for frontier markets, which are often ignored by new tech start-ups.

BitPesaは、アフリカの通貨と仮想通貨の間にある市場に作られた最初の会社です。私達のサービスは国際送金に掛かるコストを75%削減し、着金までに要する時間も12日間から2時間未満に減少しました。

BitPesa was the first company in the world to establish a market between African currencies and digital currencies. We lowered the cost of international payments by 75% and reduced the time to settle between currencies from 12 days to less than 2 hours.

※引用元
https://www.leadersleague.com/en/news/elizabeth-rossiello-bitpesa-we-have-lowered-the-cost-of-international-payments-by-75

サービスの詳細

国際送金を行いたい企業あるいは個人は、最初にBitPesaのサイトで登録を行う。サイトで承認されるまでは通常3日前後を要する。

承認されてから送金を行う際には、はじめに現地のBitPesaと提携しているブローカーに現地通貨で送金する。

送金したお金はBitPesa上でビットコインに変換され、最終的に支払い先企業がある国の通貨で支払先にお金が支払われる。

支払先と受取先それぞれの通貨をビットコインに変換することで、銀行システムを介さずに双方向への国際送金を実現している。ビットコインを活用したこのサービスには、ブロックチェーンのテクノロジーが用いられている。

サービスのメリット

送金を行うのに要する時間はビットコイン上で取引の確認を行うための時間のみで、おおよそ20分ほどある。銀行間での国際送金と比べ、簡単に送金が完了することが強みの1つとなっている。

また、送金側がBitPesaに支払うのは、ビットコインから送金先の現地通貨に変換する際に発生する手数料(送金額の1~3%)のみであることも、今まで為替によって利益の多くを失ってきたアフリカの利用者(主に事業主)にとってメリットが大きい。

また、着金までの時間が大幅に短縮されたBitPesaのサービスは、アフリカ人にとってだけでなく他の大陸の事業者にとっても、より安心してアフリカの事業者と取引ができるメリットがあると考えられる。

Rossielloは、以下の様に語っている。

アフリカの通貨取引は12%に及ぶ手数料が発生する上に着金まで2週間を要するため、事業者は伝統的に許容できないレベルの為替リスクや取引先リスクに晒されていました。

“Transacting in African currencies can incur costs of 12% and take two weeks to settle, and businesses have traditionally been left exposed to intolerable currency and counterparty risk,”

価格変動リスクの低減

ビットコインのような仮想通貨は価格の変動が大きな話題になるが、BitPesaにおけるビットコインはあくまで送金のためのトークンとして利用しているだけでビットコインの価格は固定されているので、ビットコインの価格変動によって支払額が変わることはない。

BitPesaは各国のブローカーと、ビットコインと各国の通貨の交換レートに関して一定期間固定にする契約を行っている。そのため、送金依頼を行っている途中にビットコインの価格が変動して損失が送金側が発生することはない。

※引用元
https://www.lseg.com/resources/companies-inspire-africa/technology-telecoms/bitpesa

事業規模

2017年時点で、150以上の法人アカウント/ユーザー、8000以上の個人アカウントを獲得しており、年間25000件以上の取引があった。売上は$14Mとなっている。

サービスを利用している企業はアフリカの企業が中心で、外国籍の企業では日本車の中古車輸出で知られるSBT JapanもBitPesaを利用している。

現在はアフリカ全体で60以上の銀行とモバイルネットワーク事業者6社と提携を結んでおり、事業拡大の土台作りを行っている。

※引用元
https://www.lifehacker.jp/2017/01/170122_bitpesa_david.html
https://www.zoominfo.com/c/bitpesa/405838633

競合事業者

直接の競合は、BitPesaと同様に仮想通貨を用いたオンライン送金サービス事業を展開する事業者のマイネックスコイン(Minexcoin)、ビットコイン、メタル(Metal)、そしてビットコインの取引所を運営するサフェロ(Safello)が考えられる。

このうちサフェロは、シード資金調達やクラウドファンディングを通じて、$2.1Mを資金調達している。
https://craft.co/bitpesa/competitors

また、BitPesaが中国に進出していることを踏まえると、連連グループ内の事業者である連連ペイ(Lianlian Pay)も競合となる可能性がある。

連連ペイは中国を代表するモバイル決済、少額決済サービス提供事業者。 そして連連グループのトップに当たる連連インターナショナル(Lianlian International)は、2018年2月にリップル(Ripple)とパートナーシップを提携し、国際送金サービスの強化に当たると見られている。

※引用元
https://www.cbinsights.com/company/lianlian-pay
https://hedge.guide/news/lianlian-201802.html

今後の展開

すでに参入している中国に加え、SOMPOホールディングスとの提携を通じて日本にも顧客基盤を作ることで、両国からの取引を増やし事業を更に活発にする意向があると考えられる。

また、SOMPOホールディングスが持つ顧客基盤も、日本におけるBitPesaの顧客開拓を進める上で有用だと考えられる。

※引用元:
https://jp.cointelegraph.com/news/sompo-holdings-partners-with-bitpesa-to-develop-cross-border-remittance-service

最新情報をチェックしよう!