『M-TIBA』CarePay社、医療費を貯蓄アプリを従来のモバイルで行うことができる

CarePayはケニアのスタートアップである。誰もが優れた医療を受けられるように利用者と医療施設、保険会社等をつなぐ”M-TIBA”というモバイルプラットフォームを開発、管理、提供している。

Mは「モバイル」を表し、TIBAはスワヒリ語で「ケア」という意味を持つ。M-TIBAにより、モバイル端末一つでお金を貯める、家族に送金する、医療施設を探す、医療費の決済までを一括して行なう事業を展開している。

サービス概要

大半のケニア人は従来の健康保険制度には貧しくて加入することができず満足に医療を受けることができなかった。

また支払い方法も紙媒体での請求書のやり取りが多く時間がかかり、かつ明瞭ではなかった。そこで、M-TIBAを使うことで利用者、医療提供者、保険会社等を1つのモバイルプラットフォームにデジタル接続して相互につないでいる。

利用者は携帯端末さえあれば必要な時に必要な医療を受けることができる。毎月少額の保険料を自分の電子ウォレットに貯める。

治療が必要な時にアクセスし提携する医療施設を検索する。治療が完了すると治療データが医療関係者によってチェックされる。

治療が承認されると利用者の支払い要求が受理され、医療提供者にデジタルでお金が送金される。その様にしてモバイルプラットフォームで一括して管理をする仕組みにより、貧しくて医療を受けられなかった人にも医療を届けることに成功している。

このプラットフォームは、今やケニアの400万人の利用者と1,200以上の医療提供者を結びつけ、これまで満足に医療を受けられなかった層にも医療が届く仕組みを作り上げている。

企業基本情報

企業代表者

CarePay International

代表:Kees van Lede
出身:オランダ
学歴:2011年 INSEAD Business SchoolでMBA取得、2005年 Delft University of Technology (TU Delft)応用物理学 修士取得、2003年 Delft University of Technology (TU Delft)応用物理学 学士取得
年齢:不明

Safaricom

代表:Michael Joseph(前任者の死去に伴い2019年7月より暫定CEO)
出身:南ア生まれ、米およびケニア国籍を保持
学歴:ケープタウン大学 電気工学 学士
生年月日または年齢:72歳(2019年)

提携NPO代表者

PharmAccess Group(NPO)

代表:Monique Dolfing-Vogelenzang(CEO)
出身:オランダ
学歴:オランダ ライデン大学 法学 修士
生年月日または年齢:54歳(2019年)

※参照元
<Monique>
https://financialfocus.abnamro.nl/ondernemen/monique-dolfing-vogelenzang/

会社概要

CarePay International

サービス提供国:ケニア、ナイジェリア、タンザニア
従業員数:不明
ホームページ:https://www.carepay.com
推定資金調達額合計:$48M以上

Safaricom

株式時価総額:$10B(2019年時点)
従業員数:6,300名
ホームページ:https://www.safaricom.co.ke

※参照元
<Financial Times>
https://markets.ft.com/data/equities/tearsheet/summary?s=SCOM:NAI

事業沿革

  • 2015.1 M-PESA(※1)とIFHA(※2)からの初期投資により、ケニアで最初に設立
  • 2015.6 CarePay internationalをオランダのアムステルダムに設立
  • 2016.6 PharmAccess Foundation(※3)およびKenyan telco Safaricom(※4)と提携して、M-TIBAプラットフォームを提供開始
  • 2016.9 Safaricomと協業し、M-TIBAに「お金を送る」オプションを追加
  • 2018 ナイジェリアとタンザニアにもエリア拡大
  • 2019.5 シリーズAラウンドで$45.2MをIFHA、ELMA Philanthropies(※5)、PharmAccess Groupを通じて the Dutch Ministry of Foreign Affairs(※6)から調達、現在までに400万人以上が登録されており、1,200以上の医療提供者が契約

(※1) M-PESA-ケニアとタンザニアで携帯電話ベースで送金するサービスを展開

(※2) the Investment Funds for Health in Africa-アフリカの健康のための投資基金
http://www.ifhafund.com/index.php?page=home”http://www.ifhafund.com/index.php?page=home

(※3) PharmAccess Foundation
https://www.pharmaccess.org

(※4) Kenyan telco Safaricom
https://www.safaricom.co.ke

(※5) ELMA Philanthropies
https://www.elmaphilanthropies.org

(※6) the Dutch Ministry of Foreign Affairs オランダ外務省 https://www.government.nl/ministries/ministry-of-foreign-affairs

設立までの背景

創業者の背景

CarePay InternationalのCEOであるOnno Schellekensは、2000年代よりアフリカにより良い医療を提供することを目標とするNPO:PharmAccessの取締役を務めるなど、このNPOと長く関係を保って活動してきた人物である。

また、Schellekens氏は、アフリカの地方の人々に適切な保健医療を提供するためには、民間部門の関与が不可欠だと考え始めた一人で、医療分野の中小企業に投資をするIFHA(アフリカ医療基金)の共同設立者でもある。

こうした流れから、ケニアの貧困層や地方の人々にも医療を提供するため、モバイル送金サービスとして世界的に有名なM-PESAを開発したSafaricomと、IFHAの出資によりケニアにCarePay社が設立され、さらにPharmAccessがこれと提携することになった。

なお、Onno Schellekens氏は、2019年5月、これまでの功績によりオランダ王室より叙勲されている。

Safaricomの現在のCEOであるMichael Josephは、前任者の死去に伴う暫定CEOだが(2019年9月現在)、2000年にわずか18,000名ほどだったSafaricomの契約者を、2010年に1,700万人まで増加させた時のSafaricomのCEOでもある。また、当時M-PESAの導入にも携わっている。

※参照元:
https://www.facebook.com/notes/kenya-airways/appointment-chairman-of-the-board-of-kenya-airways/10154629004321703/

市場背景

ケニア人の大半は経済的な理由で従来の健康保険制度には入ることができない。そのため、毎年推定150万人のケニア人が病気関連の費用の支払いに苦しんでいると言われる。

また、ケニア人の5人に2人は、必要なときに医療を受けることができていない。さらに、医療提供者の質や請求書の透明性にも問題があり、費用を支払うまでに2~3ヶ月かかる場合もある。

ケニアでは90%のモバイル普及率と、ほぼ50%のスマートフォン普及率である。人口の50%以上が常にオンラインしている状態であり、モバイルテクノロジーが導入しやすい背景があった。

そこに注目して利用者、医療提供者、保険会社をモバイルテクノロジーで一括してつなげることにより、ケニアの医療問題を解決するためにサービスを展開している。

サービス詳細

利用者はM-TIBAエージェントを介してM-TIBAに登録するか、携帯電話で*253#をダイヤルして自分で登録をする。

自分のM-TIBAアカウントに100kshを毎月貯める。家族のアカウントへ送金することもできる。

 医療を受けたいと思った時には携帯電話からM-TIBAにアクセスして、医療機関を検索する。今までは経済的な理由で医療を受けられないことがあったが、このシステムにより質の高い医療を安心して受けることができる。

治療後にはデータは医療関係者によってチェックされる。治療データが承認されるとお金が医療提供者に送金される。

従来の紙媒体では、医療提供者は多くの場合、支払いを受けるまで何ヶ月も待つ必要があったが、治療が承認された後、ほぼ瞬時に施設にお金が届く。

オランダの協力

その他に、M-TIBAが成功した背景として忘れてはならないのは、M-TIBAとオランダの関係である。

オランダ出身で、HIV/AIDS治療の専門家Joep Lange氏(2014年、MH17便の事件で死亡)が設立したPharmAccess、そこに所属していたオランダ出身のOnno Schellekens氏、氏が設立に関与したIFHAに多くのオランダ企業が出資するなど、M-TIBAに関わるプレイヤーの多くはオランダ関係である。

加えて、オランダ政府もケニアの保健医療への関与を重視しているようであり、官民を巻き込んだ関係者の動きが円滑であったことも、M-TIBAを成功に導いた一因だと想像できる。

※参照元
https://www.carepay.com/kenya
https://www.capitalfm.co.ke/business/2017/04/mobile-health-insurance-m-tiba-partners-nhif-enlists-oserian-employees/
https://www.safaricom.co.ke/about/innovation/social-innovation/m-tiba
https://www.capitalfm.co.ke/business/2017/04/mobile-health-insurance-m-tiba-partners-nhif-enlists-oserian-employees/

今後の展開

ケニアでのM-TIBAの成功以来、ケアペイはアムステルダムに本社を開設し、ナイジェリアとタンザニアをはじめとする他国へのプラットフォームの国際展開を促進している。

現在、400万人以上の利用者と2,700人の医療提供者を結び付けているが、経済的な理由で医療を受けられない人を救うために、さらに利用者、医療機関との連携を高めている。

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