『Sokowatch』東アフリカのキオスク・オーナー向けのeコマース!アプリで消費財メーカーに直接注文 & 即日無料デリバリー!

Sokowatchはアフリカ、ケニアの首都ナイロビを拠点とするスタートアップ企業である。インフォーマルセクターの小規模小売り業者向けにB2Bのeコマースプラットフォームを展開している。

サービス概要

アフリカでは、都市部・地方部を問わずインフォーマルな小売り業者が多い。商業エリアのキオスク、住宅地や路地裏のローカルショップ(パパママ・ストア)だ。

しかし、これらのショップは、スーパーマーケットやショッピングモール等の比較的大きな小売りに比べて価格や品揃えの点で競争力に欠けがちである。

Sokowatchのプラットフォームは、これらのショップと日用消費財メーカーを直接で結びつけることで、小規模な小売り業者でも優位性が確保できる試みだ。

具体的には、ショップオーナーがSMSや携帯アプリ(Androidで提供)を通じてメーカーに商品を注文、デリバリーされる仕組みである。

各商品には手数料が上乗せされているが、送料は無料で、即日のデリバリーが可能だ。システムには、仕入れや販売の履歴に関するデータが残り、ショップオーナーは在庫管理を容易に行うことができる。

Sokowatchのメーカー側のパートナーには、ユニリーバ、グラクソ・スミスクライン、ネスレ、P&Gといった誰もが知るような日用消費財の大手企業が名前を揃える。

なお、SokowatchのSokoは、スワヒリ語でマーケットという意味だ。

企業基本情報

起業家情報
代表:CEO兼共同創始者 ダニエル・ユー( Daniel Yu)
出身:アメリカ
学歴:シカゴ大学を学部中退、後に同大学でMBAを取得
会社概要
企業価値:不明
サービス提供国:ケニア、タンザニア、ルワンダ、ウガンダ
従業員数:8人(2018年)
ホームページ:https://sokowatch.com/
最新の資金調達額:200万ドル(2018年)

設立までの背景

共同創業者のダニエル・ユー氏は、ロサンゼルス出身の中国系アメリカ人。シカゴ大学を中退するも、独学でプログラミングを学んだ。

Sokowatchの前身となるReliefwatchのアイデアは、2012年の夏、大学在学中のユー氏がエジプトの地方都市を訪れた際に得たものだ。

体調をくずして薬局に駆け込んだが、店内のほとんどの薬が消費期限切れであり、さらに在庫の管理がされていない状態だった。現地では携帯電話は広く普及していたことから、携帯のSMS機能を使った在庫や売上げの管理システムを思いついたという。

※参照元
https://www.chicagobusiness.com/static/section/20s-profile@recipient=yu.html
https://www.yaepodcast.com/podcast1/2018/6/1/episode-008-daniel-yu-how-to-pivot-with-courage

https://www.wamda.com/2018/07/african-entrepreneurs-say-path-success

設立当初〜サービス拡大

2013年 Relief Watch(Sokowatchの前身)を設立
2016年 Sokowatchをケニアで設立
2017年2月 タンザニアで展開スタート
2017年10月 Chandaria Industries(※1)からの投資を獲得(金額非公開)
2018年7月 200万ドルのシードファンドを調達(※2)

(※1)Chandaria Industriesとは
東部・中央アフリカで最大の衛生用品メーカー。ケニア・ナイロビに拠点をおく。

(※2)リードインベスターはアメリカの4DX ventures。同社はアフリカのアーリーステージのベンチャー投資を中心に行う。その他アメリカや北アフリカの企業が投資ラウンドに参加した。

※参照元
http://disrupt-africa.com/2017/05/kenyan-merchant-solution-sokowatch-starts-east-african-expansion/
http://disrupt-africa.com/2017/10/kenyas-sokowatch-secures-chandaria-industries-investment/

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ReliefwatchからSokowatchへ

Sokowatchは、当初はReliefwatchとして、病院や薬局といった医療事業者向けのeプラットフォームをリリースし、注目を集めていた。シカゴ大学のビジネスプランのコンテストに出場するなどし、計60万ドルを調達した。

当時、事業のアプローチ先として、アメリカ国際開発庁(USAID)や国連などの援助組織があった。しかし、ドナー機関と利益を追求したい企業とでは、組織文化やプロジェクトの進め方が全く異なる。

実際に共同プロジェクトに取り組むうちに、官僚的な働き方をする大きな組織とでは、限られたリソースでスケールアップするには難しいと感じるようになった。

必要とする人にサービスを届けつつも、マネタイズできなくては企業としての持続性がない。創業メンバーとビジネスモデルを模索する時期がしばらく続いた。

そうした中で、消費者のデータや店の在庫を管理するという土台は、医療セクターでなくとも日用消費財セクターに役立てられると気づいた。

2015年、シカゴが拠点のガム製造メーカーのWringley社にアプローチをし、同社のケニアのオフィスを訪問し現地調査を実施。eコマースのアイデアに対する現地小売店からの需要だけでなく、消費財メーカー側からの好感も得て、翌年、Sokowatchの設立を決めた。

拡大の秘訣

創業から様々な過程を経てたどりついたSokowatchであるが、拡大の秘訣は何か。まず挙げられるのが、小規模小売り事業者の日用消費財メーカーからの直接購入を可能にし、購入・在庫情報をデータ化したことだ。

インフォーマルな小売業者は、大半が家族経営の零細小売業だ。これらのショップはサプライチェーンの最末端に位置し、ラストマイルの小売りとも呼ばれる。

インフォーマル、そして小規模であるがゆえに、直接メーカーから商品を仕入れることができない。これは大規模小売業のように大量のロットで商品を注文できないためで、結果、仲買いの卸業者から言い値で仕入れざるを得ない。

また、仕入れのためにショップを留守にしなければいけないこともある。Sokowatchを利用することで、ショップはSMSもしくはアプリを通じてメーカーからの直接購入が可能になった。

注文時にアプリの利用に対する利用料は発生するものの、自ら卸売店まで仕入れる必要がなくなり、交通費削減が削減でき、仲買人を介さないことでの全体コストの削減につながる。

また、アプリの利用により在庫の見通しがたてやすく、まとまった注文を安く行うことができる。ユー氏は、ショップ側は仕入れ値の20%程度の削減につながっているのではないかと予測している。

さらに、Sokowatchのもう一つの強みは自社独自の流通ネットワークだ。

実は、ケニアでの事業立ち上げ当初は、この部分を自社でカバーすることは想定していなかった。しかし、物流コストの高いアフリカで、インフォーマルセクター向けの単価の低い商品のデリバリーに手を挙げる物流業者はいなかった。

それならば自分たちで取り組もうと、現地でリサーチを重ね、独自の流通ネットワークを確立した。自社で流通ネットワークを持つことで、送料の無料可、そしてスピーディなデリバリーが可能になった。

ショップからのオーダーはSokowatchのシステムに集約され、最寄りの流通拠点からデリバリーされる。早ければ注文後2時間半でデリバリーされることもあるという。

今後の展望

Sokowatchは、2018年にシードファンドを調達したばかりであるが、システムの正式リリースから3年が経ち、提携するショップ数は10万店を超えた。この数をさらに増やしながら、ケニアからタンザニア、ウガンダ、ルワンダへとビジネスの範囲を広げている。

また、フィンテックへも進出をしている。モバイル端末やシステムを通して集まった信用情報を用い、ショップオーナー向けに事業の運転資金の貸付事業をスタートさせた。

サービスはSokowatchで商品を買うための資金融資と限定的ではあるが、個人経営の多いショップオーナーにとってはありがたい試みだ。

その他にもサービスの拡大の計画がある。複雑なサプライチェーンが存在するアフリカの消費財インフォーマルセクターの見える化だ。

事業を進める中で、いつ、どこで、誰が何を買っているかという情報もシステムに集まるようになった。各種ビッグデータを取り揃え、デジタル時代の新たなサービス展開の可能性もあるという。

アフリカの小売セクターは物流コストの高さ、通貨や政情の不安定さから現地の大手小売企業ですら安定した業績を稼ぐのは難しい。そのような業界で、インフォーマルセクターというニッチに焦点をあてたスタートアップがいかに歩んでくか、注目したい。

※参照元
https://www.yaepodcast.com/podcast1/2018/6/1/episode-008-daniel-yu-how-to-pivot-with-courage

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Sokowatch – A Catalyst Fund Company

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