『Ujuzikilimo』ビッグデータと携帯電話で農作物を管理する

データを収集して分析し、携帯電話を通じて農業を営む際に役立つ実用的な情報をモバイル技術を通じて農家に提供するケニアのスタートアップである。

サービス概要

ビッグデータ分析と土壌センサーの力を利用し、小規模農家に正確な農業知識を提供している。

特に画期的な開発は、5分以内に土壌の性質を読み取る独自のセンサーであり、そのセンサーで読み取られた情報はビッグデータの分析を通じて肥料や水などの資源を活用する最も効率的な方法、また実用的な推奨事項を農家に提供している。

Ujuzikilimoは、現在実際にそのサービスを適用しているケニアの1万人の農民をもとに、1年間で30万人の農民に到達することを目指している。

基本企業情報

起業家情報

代表:CEO兼共同創始者Brian Bosire(Dickson Ayukaは共同創始者)
出身:ケニア
経歴:
ーElectrosoft Ltd(※1)の共同創始者(2013年5月―2017年)
ーHydroIQ(※2)のCEO兼創始者(2017年6月―現在)
ーUNのYoung Leader for SDGs(2018年9月―現在)
ーS4YE(※3)の(2019年2月―現在)
年齢:26歳(2019年時点)

(※1)Electrosoft Ltdとは
2013年設立。エネルギー、水、公共インフラの効率的な管理を促進しながら、生活環境や職場環境の効率とその生産性を向上させる事を目的に置いている。

(※2)HydroIQとは
ケニアとロンドンで設立されたアフリカの団体。水の使用、消費に関して可視化できるデータを提供する。水の使用に関してデータ化した団体としてはアフリカ初である。

(※3)S4YEとは
Solutions for Youth Employmentの略称。より生産的な仕事に従事する若者の数を増やす事を目的とした、公共部門、民間部門、および市民社会関係者の間のマルチステークホルダーの団体。

会社概要

サービス提供国:ケニア
従業員数:11~50人
ホームーページ:https://www.ujuzikilimo.com/
推定資金調達額合計:$250000

事業沿革

  • 2015.8 ケニアのナイロビにて設立
  • 2018   Google Impact Challenge Kenya(※4)およびClimateLaunchpad(※5)で助成金を含め、多くの賞を付与される。
  • 2019.4 ビジネス開発エグゼクティブディレクターのDickson Ayuka(※6)が、KisiiアグリビジネスエグゼクティブOsman Onsarigo(※7)から世界銀行の表彰賞を受賞。農業をより実り豊かで楽しいものにするイノベーションを目的に、他14社とともに1億シリングの助成金が付与される。

(※4)Google Impact Challenge Kenyaとは
ケニア人の社会を活性化させ、良い未来を築くのに貢献している団体を評価するコンペティション。12団体のファイナリストには$125,000の助成金が授与され、その中でも4団体の優勝者には$250,000の賞金が付与される。

(※5)ClimateLaunchpadとは
世界最大のグリーンビジネスアイデアコンペティション。その目的は気候変動に対処する世界のクリーンテックの可能性を引き出す事にある。

(※6)Dickson Ayukaとは
UjuziKilimoの共同創設者であり事業開発の責任者。

(※7)Osman Onsarigoとは
ケニア南西部に位置するキシイ群の農業大臣を務める。

設立背景

農民の声

ケニア国内の多くに存在する農家の多くは伝統的農家である。その農家たちはデータベースではなく自らの経験に基づいて農業を行うのであるが、不安定な気候や天候不順は安定した農業の営みを妨げる。

“ケニアの小規模農家としての私の最大の心配は、土壌の劣化と、私たちが今までに経験してきた不安定な悪天候です。 どのような肥料の投入が適しているかなどを私たちは知る由もありません。 それはただの試行錯誤なのです。”

“As a small scale farmer in Kenya, my biggest worry is the bad and erratic weather that we have been experiencing, coupled with soil degradation. We no longer know what inputs or fertilizers that will work for us. It’s just trial and error.”

創始者の言葉

“アフリカで生産される全食料の70%以上が農村の小規模農家(IFAD)によって生産されています。人口増加に伴い、より多くの食料が求められるようになるにつれて、この小規模農家は、伝統的な農業から抜け出し実践的で知識ベースの農業へと移行する場合にのみにおいて、世界に食料を供給するための鍵となります。”

“Over 70% of all the food is produced by rural small holder farmers (IFAD). As the population increases demanding more food, this small farmers are the key to feeding the world, only if they transition from traditional farming to practicing knowledge based farming”

創始者兼CEOであるBoisreは、小規模農家たちををデータに基づいた正確な情報によって支援し、データベースのコミュニティに変えるために、Ujuzikilimoを設立したのだ。

参照元:
https://www.ujuzikilimo.com/

創業者の思い

若き実業家Brian Bosireの人生
ケニア西部の農村に生まれたBrianであったが、大学入学を勝ち取り、在学中に電子工学を勉強した。

彼の努力とモチベーションは、学校の授業料の増加に苦しめられながらもその多くの時間を貧弱な農作物の生産、収穫に費やす両親の姿から常に生まれた。

この生活環境からインスピレーションを得て、彼はスワヒリ語で「正確な知識に基づいた農業」を意味するUjuziKilimoを設立したのであった。

19歳の時、彼は母親がどんな作物が最大の収穫を生み出すことができるか、必要な量と種類の肥料、農作業に従事する際に発生するリスクを減らすために最良な種子を即座に知ることができる簡単なサービスについて考えていた。Brianの母は、農業作業で何度も失敗し、その度に過度の負担を自分自身にかけていたのだ。

母親が自分自身の健康を農業のために売っている様子を間近で目にしていたBrianはUjuziKilimoの設立によって、母親と同様にデータベースではなく自分の経験を根拠にして農業における重要な決定を行い試行錯誤を繰り返す4億人以上のアフリカの小規模農家に展望を開いたのであった。

これらの農民のほとんどは十分な教育の欠如、無知、さらには基本的スキルの欠如のために貧困のサイクルに閉じ込められ、生産的な経済活動に従事する事が阻められてきた。

Brianは、本サービスが小規模農民に幸せをもたらし、貧困、飢餓、そして無知のサイクルを終わらせるための一つの貢献であると信じている。

参照元
https://startup.info/ujuzikilimo/

サービス詳細

UjuziKilimoは、リアルタイムの農場データを収集するためのセンサーデバイスを有している。また、衛星情報やバリューチェーン全体に存在する何百万ものデータポイントの分析を通じて、農家とその他の農業関係者のために実用的な知見を提供するプラットフォームを有している。

プラットフォームはアルゴリズムを介してその読み取り値を分析し、農家に伝える推奨事項をまとめる。

その推奨事項を短いメッセージで農家が所有する携帯電話に送信するのだが、その推奨事項とは例えば、蒔くのに適切な種子、適切な土壌処理方法、必要な水位、最良の作物生産のための肥料、追加の関連農業情報、需要量が増加している作物の情報、必要な作物の投入量とその作物の市場における平均価格などである。

サプライヤー、サービスプロバイダー、そして銀行は、プラットフォームを通じて組織化されたシステムにより農家に直接アクセスすることができる。

農家と協力することに関心がある機関にとってもこのプラットフォームの存在が、より大人数の農家に直接アクセスすることを容易にしているという。

Ujuzikilimoの主要な4つの活動

本サービスの概要について説明してきたが、以下はその中でも重要なUjuzikilimoの4つの活動についてそれぞれ紹介する。

精密で適切な農業技術の伝授

土壌と農場のデータを正確に捉えるためにセンサーを使用し、それを通じて得たデータをもとに、農家が生産的で持続可能な農業を確実に実践するための肥料、種子、天気、農業技術に関するアドバイスを与える。

データ分析

包括的な農業データベースと正確な農場データをもとに、機械学習とデータ分析を使用して最良の農業技術に関する知見を深め、農家がタイムリーな情報を正確に入手できるようにサポートする。

SMSサービス

農家への継続的な支援のために、農家がいつでもどこでもモバイル技術を使って知識を共有することを可能にする。

気候情報の提供

気候変動は小規模農家の農民に最も大きな打撃を与える。 タイムリーな気象情報の更新と予想される気象に関する情報をもとに、農家が気候の変化に上手く対応し、気候変動や悪天候によって被るリスクの減少を支援する。

今後の展開

肥料、種子、天候、作物管理および市場に関するタイムリーで正確な情報は効率的な農業を営む上で欠かせない。

現在、アフリカにおいては大陸内で生産される食料の70%以上を小規模の自作農が生産している。 2050年までに世界人口が20億人増えると予想されているように、世界の食料需要もこれから更に増加する。

新たな農業革命をアフリカにもたらすまさに中心的な位置にいる小規模の自作農を我々はいかに支援する事が出来るのだろか。

Ujuzikilimoはこの革命を、データを用いて始めようとしている。革命が始まるのもそう遠くはない。

参照元
https://www.ujuzikilimo.com/
https://www.itu.int/net4/wsis/archive/stocktaking/Project/Details?projectId=1515508962
https://impactchallenge.withgoogle.com/kenya2018/charities/ujuzikilimo-solutions
https://www.crunchbase.com/organization/ujuzikilimo
https://startup.info/ujuzikilimo/

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