Nobel Agri-Techはマラウイにおいて農業技術や土壌テスト、農場デザイン、オートメーションシステムを提供しているスタートアップ企業です。
サービス概要
Nobel Agri-Techはマラウイにおける農業の発展を推進していくため以下のサービスを提供している。
ビニールハウスの構築とメンテナンス
屋根の高い半透明のプラスチックビニールハウスを農場に合わせてデザイン、組み立て、設置まで行なうとともに定期的なメンテナンスサービスを提供している。ビニールハウスの導入によりマラウイの農業環境は以下のような革新をもたらすことを可能とした。
- 年間を通して作物の生産を可能とする
- 高品質で歩留まりの高い作物の生産を可能とする
- 害虫や農産物の病気からの保護
- 気温や天候の変化に影響を受けない安定した生産を可能とする
- 農作業に関わる作業者の削減を可能とする
- 定期的なメンテナンスを代替することで農家自身のメンテナンス負荷を軽減すると共にビニールハウスによる長期的な生産性の維持を実現する
垂直栽培システムの導入
ビニールハウスの導入とともに、水耕栽培に必要となるハイドロポニクスシステムのデザインと導入を行っている。
ハイドロポニクスシステムにより、作物への水供給負荷を軽減すると共に植物の生育に必要となる栄養成分を同時に供給することが可能となり、高品質な作物の生産を行うことができる。
また、ハイドロポニクスシステムは縦方向へ栽培範囲を広げていけることから狭い土地でもより多くの作物を生産できたり、植物の栽培自体が不向きな土壌であっても作物を栽培できたりするという利点がある。
灌漑(かんがい)システムの導入
広大な農場の作物に大量の水を均等に供給できる灌漑システムのデザインと設置を行っている。
Nobel Agri-Tech社の灌漑システムには自立型のリアルタイムモニタリング装置が組み込まれており、顧客のニーズに応じて水量の調整や範囲の調整を可能としている。
企業基本情報
起業家情報
代表:Emmanuel Banda
出身:Lilongwe
学歴:Lilongwe University of Agriculture and Natural Resources
生年月日または年齢:25歳(2019年時点)
会社概要
企業価値:不明
サービス提供国:マラウイ
従業員数:6名
ホームページ:http://nobleagritech.com
推定資金調達額合計:200,000キナ(灌漑システム発明時の報奨金)
事業沿革
- 2014年園芸農家のオートメーション化を行うアグリテック企業としてマラウイで設立
- 2017年1月 在学中に灌漑システムを発明し、現CEOのEmmanuel BandaとThokozani Kalondeが大学側から合わせて200,000キナの報奨金が与えられる
- 2017年6月 灌漑システムを正式にローンチ
- 2017年10月 初のハイドロポニクスによる水耕栽培システムをローンチ
- 2018年 灌漑システム及び、アクアポニックとグリーンハウスを事業の柱としマラウイ全体へ展開開始
市場背景
鉱工業をはじめとして、商業、サービス業、そして農林水産業に至るまで世界の様々な産業が、この1世紀あまりに爆発的な発展を遂げてきているなかマラウイの農業は原始的な農業生産技術に頼ったままの状態であった。
原始的な農業技術の中では、労働力の割には農作物の生産性も低く、商品としての品質を高めることも難しかったことから、当然のように高い収入を得られるものではなく、マラウイにおいても若者の農業離れは深刻な問題となっていた。
また、こうした環境下においてもマラウイの農業技術発展のために海外から支援に来る人は誰一人としていなかった。
こうした危機感と早急な農業技術革新の必要性を大学在学中のEmmanuel BandaとThokozani Kalonde両名がacebook等への発信をを続け、Nobel Agri-Techの土台となるアグリテック企業の設立に至った。
Nobel Agri-Techの成功には、従来の原始的な農業生産方式から脱却し、エンジニアリングやコンピュータープログラミング、リモートセンシング、教育における幅広い経験、知識、スキルを伴った革新的な農業生産技術の確立にあった。
これにより、それまでの課題となっていた生産性と収益性の両立を実現するとともに若者の農業回帰を促す原動力となってきた。
※参照元:
https://www.facebook.com/Noble-Agri-Tech-1611344188891321/
http://nobleagritech.com/index.php/about/
サービス詳細
Green House Loan Scheme
ビニールハウスを設置するにも初期費用はそれなりにかかる。
農家にとってこの初期費用負担はいくらビニールハウスにより生産性を高め収入を得るチャンスがあるとしても高いハードルとなる。
Nobel Agri-TechではFISD finance for Agriculture Developmentとの基本合意書に契約をしローンによるビニールハウス取得を可能にするスキームを提供している。
農場コンサルティング
Nobel Agri-Techの技術チームは、経験豊富な農業経験、エンジニア、ソフトウェア開発者、GISの専門家、灌漑技術者、研究開発に携わる専門人員で構成されている。
この多彩な人材のスキルを融合した農場コンサルタント業として農作業に関わるオートメーションシステム化やシミュレーションソフトウェアによる景観デザイン、水耕栽培ソリューションを提供している。
これにより、単なるビニールハウスやハイドロポニクスシステムの導入だけではなく、効率的な農作業の実現であったり景観としても美しい農場づくりのサポートを行なっている。