『Andela Nigeria Education』人材育成と派遣業務を同時に行う!世界へIT人材を輩出!

Andelaは、約1億9千万というアフリカ最大の人口を持つナイジェリア連邦共和国のスタートアップ企業だ。IT産業の一翼を担う新たな人材育成システム及び人材供給・派遣事業を基幹としている。

サービス概要

アフリカ大陸におけるIT産業での人手不足、特にシステムエンジニアの不足を解消しようと、ナイジェリアに2014年に設立された。

具体的なサービス内容は、ナイジェリアを含むアフリカ全土からの才能あるソフトウエア開発志望者やシステムエンジニアを目指す人々を、最大4年間かけてアフリカの各国にある同社のテックキャンパスで育成するとともに、十分な実力をつけて育成した人々を同大陸を含む全世界へと紹介している会社である。

Andelaのテックキャンパスは、ナイジェリアの旧首都ラゴス、ケニアの首都ナイロビ、ウガンダの首都カンパラの各地にある。各テックキャンパスで学んでいる間は衣食住が提供されるほか、わずかだが給料も支払われる。

※参照元
https://andela.com/about/

企業基本情報

起業家情報

代表(創業者4人):

  • Ian Carnevale(カナダ、University of Toronto Computer science)
  • Iyinoluwa Samuel Aboyeji(ナイジェリア、Loyola Jesuit College、28歳)
  • Jeremy Johnson(アメリカ、Princeton University)
  • Christina Sass(アメリカ、University of Georgia、Tufts University、39歳)

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:ナイジェリア、ケニア、ルワンダ、ウガンダ、アメリカ
従業員数:1,458人(2018年11月現在)
ホームページ:https://andela.com
推定資金調達額合計:1億8千万ドル(2019年まで)

事業沿革

  • 2014.5 オンライン教育と人材紹介ビジネスを融合させた新たなビジネスとして設立された。
  • 2016.6 フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグ氏が妻のプリシラ・チャン氏と設立したChan Zuckerberg Initiativeから資金供与を受ける。
  • 2017 CRE Venture Capital、DBL Partners、Amplo、Salesforce Ventures、TLcom Capital(※1)から4千万ドルの資金を調達。
  • 2018.11 ルワンダにオフィスを開設。同年、Omowale David – Ashiru氏が初のナイジェリア人の女性としてカントリーディレクターに就任したことを発表した。
  • 2019.1 1億ドルの資金調達を計上。

(※1):CRE Venture Capital(南アフリカ)、DBL Partners(アメリカ)、Amplo(アメリカ)、Salesforce Ventures(アメリカ)、TLcom Capital(ケニア)は、いずれもアフリカ、または全世界の起業家らを対象にした投資会社。

※参照元
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Andela

設立までの背景

創業者の背景

4人のAndela創業者のうち、唯一のナイジェリア出身者であるIyinoluwa Samuel Aboyejiは、中産階級出身で19歳の時、友人と協力してBookneto.comを立ち上げた。

Bookneto.comは、ネットでの学習プログラム内で情報源の共有、整理を行うプラットフォームで、2013年にカナダのイノベーションセンターに買収された。

2013年には、アフリカの主に大学生を対象としたサイトForaを設立。For aはアメリカの大学や専門機関が開講している短期の学習コースを簡単に見つけられるサイトだった。ForaにはIan Carnevale(Andela創設者の一人)も協力していた。

その後、Foraは資金調達がうまくいかず、経営難に。結局ForaをあきらめたAboyejiは、同じくアフリカでの教育事業展開を考えていた、アメリカ人のJeremy Johnsonに会い、アフリカでの教育事業設立を目指した協力を仰いだ。

その後、出身地のアメリカはもとよりカナダでの教育関連事業の立ち上げなどを行ってきたChristina Sassが加わってAndela設立が具体化し、2014年の設立につながった。

※参照元:
https://en.wikipedia.org/wiki/Iyinoluwa_Aboyeji

市場背景

12億を超える人口を抱えるアフリカ。近年は急速にインターネット利用者が増えており、世界でのネット利用者急増10カ国のうちの7つをアフリカの国が占めるという勢い。

今後は、さらなる成長が見込めるとされており、このことはネット関連を含むIT産業での人手不足も懸念されている。

IT産業での人手不足解消を目的に、Andelaはアフリカ国内でシステムエンジニアとなる人材を募集するとともに、育成して世界のIT企業に派遣またはネットを通じたIT関連業界への人材供給元となっている。

問題点

問題点の一つとして、本社を創業者の一人の出身国であるナイジェリア国内に置けないことがある。

国内でのグローバル企業設立は難しくないが、同国の法律下では運営と投資が難しいためAndelaは本社をアメリカに置いている。

※参照元
https://medium.com/@iaboyeji/how-andela-was-founded-f32b22808b8a

サービス詳細

アフリカ人のエリートシステムエンジニアを育てて世界のIT企業とつなぐ事業を展開していくのを主なサービスとしているAndela。

本来であれば別々の事業形態である学校経営と、派遣や仲介事業のサービスを画期的で戦略的な方法で行っている。どのような仕組みなのかを以下に箇条書きで説明する。

育成期間

Andelaは、アフリカ人のシステムエンジニア候補生と最低でも2年間、最長なら4年間の契約を結ぶ。

契約を結ぶことで同候補生は住居と食事を保証してもらうとともに、ソフトウエア開発用ツールの支給を受け、まずは6カ月の初歩エンジニアトレーニングを受ける。

初歩トレーニングを終えると、候補生はプログラミングの能力に応じてD0からD4までのレベルに分けられて、レベルごとにさらに実力をつけるためにトレーニングを続ける。

この間、Andela経由で一般企業から給料を受け取ることができ、能力のある候補生であれば年$30,000を超える者もいる。

雇用

最長4年間のトレーニングを終えたエンジニアはAndelaを通して、企業の契約社員として登録されたり、個別事案ごとに仕事を受注したりして働く。

働く場所は国内はもとより、国外からの仕事にも対応するのだ。特に国外など遠隔での仕事の場合は、もちろんAndelaが遠隔サポートや仲介などを行う。

トレーニングを終え、企業に就職するなどした候補生の平均給与は年$40,000になる。

人材紹介

仕事の発注者である企業は、Andelaに報酬を払う。報酬の三分の一はエンジニアに支払われる給料となる。

残りの三分の二から会社の経費などが差し引かれ、残った分が利益となるのが大まかな仕組みである。

仕事の発注者である企業などからAndelaが受け取る金額は、候補生一人当たり$50,000から$120,000だと、発注企業の一つであるTechCrunchは認めている。

問題点

ここで問題になるのが、候補生の能力が高く2年以内にAndelaから離れたい場合だ。

一般企業は、能力のある候補生がAndelaにいるということを知れば、ヘッドハンティングのように多くの金額を払ってでも能力ある候補生を企業に迎え入れたい、と考えるのは当然だ。

その際、候補生はAndelaに対して、中途解約金といった名目で違反金を払わねばならなくなる。

というのも、候補生はトレーニング期間中でも能力に応じて給料をもらっていたからだ。このため違反金は$20,000にもなるケースもあるとしている。

こうした事態は想定内だが、Andelaの年間収益はどのくらいになるのだろう。現在アフリカ全土のAndelaのトレーニングセンターには1,100を超える候補生がおり、200社以上の企業が候補生1人に対して年$85,000を支払っている。

つまり、あくまで予測だが、候補生の半分、550人を企業に送り込んだとすると年約$5千万弱が収益となる計算だ。

収益は、企業からの候補生1人当たりへの支払額を引き上げれば、計算上は年$1億も不可能ではないことになり、実際Andelaは収益増を目指して、候補生のために支払ってくれる企業を増やすか、1社ごとの支払額増を実現化させればよいのである。

※参照元
https://note.mu/naikeljackson/n/n5ff59d6825e0
https://www.benjamindada.com/andela-hire-sse/

競合について

Andelaの競合会社としては、Andelaが、契約した人物を教育して仕事も斡旋するという事業形態であることから、教育産業、人材派遣会社が競合相手といえる。

しかし、Andelaのような、人材を集めて教育を施し、一定の力量に達した人々に就業先を紹介する、という事業は現時点で存在しない。

サービス拡大の秘訣

Andelaでプログラミングなどを学びたいというナイジェリアの人々は、英語やフランス語といった欧米の言語になじみがあることから、人件費での競争力があるとされる。

Andelaの人材育成プログラムに参加してほしいと思える人物像は、問題解決に対して旧来の方法はもとより、最新テクノロジーを駆使して楽しみながら解決に臨める考えの持ち主だ。

Andelaのサービス拡大の秘訣の一つは、創業から5年で約1,100人を採用してトレーニングを施し、会社として急成長を遂げていることを忘れてはならない。

さらにソフトウエアの世界についていえば、アフリカの人材開発は始まったばかりで、開発の可能性に目覚めた段階であろう。

Andelaは、人材供給先である企業が、Andelaからの人材をうまく活用できるよう密な関係を築くことに時間を費やしてきた。

現段階で、そうした成果が表れており、アフリカはもとよりIT産業関連のクライアントが多いアメリカでの知名度を上げてきている。

※参照元
https://africanbusinessmagazine.com/sectors/technology/andela-targets-expansion-after-100m-fundraising/

今後の展開

創業者の一人でCEOでもあるJeremy Johnson氏は、今後のAndelaの展開と可能性について、次のように語っている。

“アフリカは、IT産業を含む様々な分野を含めて、地球上で最も若い大陸ながら、最も急成長している。このことは、一朝一夕にできることではなく長い道のりになるだろうが、今後の人材開発面でもまだまだ成長していく余地があると考えている。”

“We think that Africa is the youngest, fastest growing continent on the planet and has a lot of room for human capital development, and we have a long way to go in showing that brilliance can be evenly distributed.”

“今後の更なる成長を目指して、これまでAndelaが行ってきてた人材育成モデルを変えようとは思わない。むしろ、他の新興市場経済の場でも機能する可能性があると考えている。”

I don’t think we’re going to alter that in the short term but I totally think the Andela model could work in other emerging market economies.”

さらに今後の目標の一つとして、今後10年で10万人のアフリカ人エリートシステムエンジニアを育成、輩出を目指すことを別の創設者の一人、Aboyeji氏も語っている。

※参照元
https://africanbusinessmagazine.com/sectors/technology/andela-targets-expansion-after-100m-fundraising/
https://note.mu/naikeljackson/n/n5ff59d6825e0

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