bambooはナイジェリアで生まれた金融スタートアップ企業、およびそのサービス名称である。
サービス概要
bambooはナイジェリアの個人投資家向けに、投資プラットフォームを提供している。3500を超えるナイジェリア・アメリカの株式や投資信託を取り揃えており、パソコンやスマホからリアルタイムで取引を行うことができる。また2要素認証などを駆使して銀行並みのセキュリティを保障している。
サービス利用にあたっては、ナイジェリア中央銀行の個人識別番号(BVN)があれば誰でも会員登録することができ、取引のためのデポジット20ドルを支払えば、すぐに株式や投資信託を購入することができる。
また会員登録すると、ナイジェリアとアメリカ両国の大手証券会社に口座が開設されるが、どちらの証券会社も証券投資者保護公社(SIPC)*に加盟しているため、最大50万ドルの資産運用が可能である。
*証券投資者保護公社(SIPC)
証券会社が破綻した際に、顧客口座の資産を50万ドルまで保証してくれる機関。
アプリの中では、株式投資・資産運用についての学習コンテンツも配信されており、投資初心者でも気軽に利用できるような工夫が施されている。資産を家族・友人に贈与できる機能も存在する。
企業基本情報
起業家情報
共同創業者 兼 CEO:リッチモンド・バッシー(Richmond Bassey)
出身:ナイジェリア
学歴:クイーン・メアリー大学/経営学 修士号取得(2015年)
アングリア・ラスキン大学/機械工学 学士号取得(2013年)
来歴:ロンドンやナイジェリアのIT企業にてプロダクト・マネージャーを歴任。
Linked in :https://www.linkedin.com/in/richmondbassey/
共同創業者 兼 取締役:ヤモー・オモログブ(Yanmo Omorogbe)
出身:ナイジェリア
学歴:インペリアル・カレッジ・ロンドン/化学工学 修士号取得(2015年)
職歴:ロンドンやナイジェリアの投資会社・公的機関にてアナリストを歴任。
Linked in :https://www.linkedin.com/in/yanmoomorogbe/
会社概要
サービス提供国:ナイジェリア(ガーナ・ケニアでの提供準備中)
従業員数:11~50名
推定資金調達額合計:15万ドル
本社:ラゴス(ナイジェリア)
支社:サンフランシスコ(アメリカ)
ホームページ:https://investbamboo.com/
事業沿革
2019年11月 創業。以下の会社と業務提携。
- DriveWealth…電子商取引基盤を提供するアメリカの会社。Bamboo以外にもブラジル・インド等の会社と連携し、世界6大陸からアメリカ株式への自由取引を可能にさせている。
- Lambeth Capital…米国証券取引委員会(SEC)に加盟するナイジェリアの証券会社。
- Flutterwave…アフリカ最大級の決済プラットフォームを提供。
2020年2月 利用者数が2万人に到達。
市場背景
ナイジェリアはアフリカ屈指の経済大国である一方で、急速なインフレに悩まされている。インフレ率は毎年10-15%前後を推移しており、物価は直近5年で約2倍となっている。
(出典:https://www.statista.com/statistics/383132/inflation-rate-in-nigeria/)
以下はナイジェリアの通貨ナイラの対ドル為替相場の推移であるが、ナイラの価値は10年前と比べて40%程にまで落ち込んでしまっており、最近でもコロナウイルスの影響から更に下落している。
(出典:https://www.xe.com/currencycharts/?from=NGN&to=USD)
こうしたナイジェリアの経済状況において、中産階級の投資家たちは、国内ではなく海外株式市場での資産形成を熱望するようになった。
とりわけGAFA等のアメリカ成長株への人気が高まっていたが、新興国ナイジェリアの一個人がアメリカに証券口座を作ることは非常に難しく、またかなりの時間を要してしまう。
この課題を解決しようと試みたのがbamboo創業者のリッチモンド・バッシーとヤンモ・オモログブである。2人が持つITプロダクト開発や投資の経験・人脈をもとに、広範な業務提携を通じて投資プラットフォームを生み出した。
3000~5000万人ものナイジェリア人が投資できる資金を持っているにもかかわらず、約40万人しか資産運用を行っていないことに着眼し、20ドル以上の運用資金を持つミレニアム世代を対象にサービスを展開している。
今後も若年層人口の増加を追い風に、アフリカ諸国でアメリカ株式への自由な取引の場を提供していく。
サービス詳細
bambooでは利用者向けにWebアプリ、モバイルアプリを提供しており、モバイルアプリはiOS/Android共に対応している。
アプリをインストールすると、まずは会員登録が求められる。個人識別番号(BVN)の他、職業・年収といった基本情報を入力する。
その後20ドルをデポジットとして入金することで、様々な機能を使うことができるようになる。入金は銀行口座振込・クレジットカード支払いに対応している。
以下の機能を使うことができる。
- 株式や投資信託の確認、および売買取引
- 所有資産、ポートフォリオの確認
- 資産運用に関する学習教材の閲覧
- 使い方ガイドやFAQの確認