『DéMars』アフリカで仮想通貨とウォレットを提供しているブロックチェーン企業

DéMarsは、巨大市場・アフリカをターゲットに、仮想通貨とウォレットアプリを開発している新興ブロックチェーン企業だ。ブロックチェーン技術を駆使し、新たな仮想通貨DéMars(DMC)を市場に投入している。

サービス概要

同社は、ナイジェリアと南アフリカで仮想通貨のウォレットアプリと仮想通貨DMCを発行・提供している。

同社は、仮想通貨DMCの開発に当たり、データを独自の分散ハッシュテーブルと呼ばれる管理技術で保管する新しいステラベースのブロックチェーンを開発した。

ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンに比べ、送受信などのトランザクション(取引)をより効率的にできるのが特長だ。

データをハイパーキューブ(超立方体)という高度な次元で処理しており、ネットワークがより高速化され、効率的に拡張できるという。

また、開発したブロックチェーンは、管理主体がないプライベートブロックチェーンの一種で、送受信などのトランザクションは全てユーザーの携帯電話に保存される。

そのため、配布された仮想通貨DéMarsのデータ記録は他者から検閲されることがない。従来型のブロックチェーンは、台帳記録が分散され、全ユーザーに共有されるため、画期的なシステムと言えるだろう。

さらに、仮想通貨DéMarsを保存するウォレットとみられるアプリケーションは無料。通常、手数料がかかるトランザクションも事実上、無料できるという。

仮想通貨DéMarsの発行上限は100億DMCに設定。DéMarsの子会社で、仮想通貨取引所を運営するDMCランド Ltdを通じて、2018年11月から19年2月にかけて80億DMCをプレセールで販売。

その際に、5億DMCの販売ごとに価格を1割上昇させるシステムで、多くのユーザーを獲得した。

※参考元:
https://www.iol.co.za/business-report/technology/new-cryptocurrency-to-be-released-in-2019-17748809

企業基本情報

創業者情報

代表:Shaun Burrow(創設者)
在住地:モーリシャス
学歴:ケープタウン大学(経済学専攻)などを卒業
年齢:不明

会社概要

サービス提供国:ナイジェリアと南アフリカ
従業員数:不明(リンクトインには5人加入)
ホームページ:なし
経営理念:サハラ以南のアフリカの金融サービスプロバイダーをステラの分散台帳に統合し、国境を超えた支払いのコスト削減を図る。システムの統合で、移民や難民がより多くのお金を故郷の実家に送ることを可能にする。

※参考URL
https://www.linkedin.com/in/shaun-burrow-835b85104/

事業沿革

  • 2018年5月 DéMarsを設立
  • 2018年11月15日 DMCのプレICOを開始。プレICOの価格は、1DMCが0.8XLM
  • 2019年2月28日 プレICOを終了
  • 2019年5月15日 ICO開始。ICOの価格は0.1136米ドル
  • 2019年6月30日 ICO終了。

*ICO トークンを使った資金調達の方法
※参考URL
https://icobench.com/ico/demars

設立の背景

創設者のShaun Burrow氏は設立に至った思いについて次のように語っている。

「DMC導入以前の市場調査では、17億人の成人が基本的な金融サービスを利用できないことを知りました。また、送金の分野では、移民の家族が手数料のみで年間450億ドルを故郷の家族宛に支払っていることを知り、驚きでした。サハラ以南のアフリカへの支払いコストは世界で最も高く、送金額の1〜2割が手数料になります。これは、普通の勤勉な人々に対する不当な税金です」

“I started researching the entry-level market and I was simply blown away to learn that 1.7 billion adults don’t have access to basic financial services and to learn that in the remittance space, families are paying about 45 billion US dollars a year in fees on the funds they are sending home. This is money being diverted from the poorest of the poor. The cost of payments to Sub-Saharan Africa and within Sub-Saharan Africa are the highest in the world, they range from 10 – 20% of the money being sent home. It’s simply an unjust tax on ordinary, hardworking people”

※引用元:https://www.pulselive.co.ke/bi/tech/demars-south-african-banker-creates-africas-first-true-cryptocurrency-set-to-be/gjlzjd6

市場の背景

アフリカは仮想通貨、ブロックチェーンの両分野で後進地域だ。中国のコンサルティング企業「標準共識」によると、アフリカでは2018年に毎日17万ビットコインが取引された。

取引量は前年比130%増加したが、取引規模は日米などの先進国に比べて小さく、仮想通貨のプロジェクトとウォレット、取引所の規模も大きいとは言えない状況という。

その要因として、アフリカ全土で11%にとどまるネット普及率のほか、デジタル通貨に詳しい人材、資金が不足し、取引所やウォレットの立ち上げに必要な人材がいないことが起因している。

なお、同社の調査では、アフリカ全54カ国のうち、6カ国が仮想通貨の取引を禁止。12カ国が公式的に仮想通貨取引を認めていない。友好的な姿勢を見せるのは、5カ国程度に過ぎない。

一方で、サハラ以南の地域「サブサハラアフリカ」では、携帯電話所有率が6割となっており、潜在的に仮想通貨サービスを受け入れる素地がある。

情報技術の成長に伴い、サハラ以南のアフリカでは、モバイルマネー取引で199億ドルを記録。世界のモバイルマネー取引の63%を占め、仮想通貨取引も伸長する可能性がある。

今後の展開

DMCのウォレットアプリが対応しているのは現在、ナイジェリアと南アフリカのみ。

従って、DMCの取得は、両国の法定通貨であるナイジェリア・ナイラと、南アフリカ・ランドによって可能になっているが、カバーしている国の数が多いとは言えない。

アフリカには、南アフリカを拠点とし、21通貨を取り扱うアルトコイントレーダーなど中規模な取引所が複数ある。

数は少ないが、DMCランド Ltdが取引シェアを獲得するためには、DMCのみならず、仮想通貨の取り扱い種類を増やし、需要を取り込む裾野を広げていくだけでなく、セキュリティ機能を高め、信用性を向上させていく必要がある。

なお、DéMarsは2021年までにサハラ以南のアフリカで大規模な消費者の獲得を狙っている。上記の取り組みを着実にこなせるかが、達成に向けた鍵となるだろう。

最新情報をチェックしよう!