ナイジェリアを含むアフリカでは、商品提供サービスが分散し不十分で、顧客を満足させることができていなかった。
そこで急成長している小さい市場を集約させ、従来の小売業者ができなかったことをできるサービスを提供したいと考えた。 そして提供し始めたサービスがこのナイジェリア最大のオンラインショップKongaである。
サービス概要
「Konga」はナイジェリア最大のオンラインショップで、家電やファッションなどさまざまなカテゴリの商品を取り扱っている。
「Konga」はオンラインショップを中心としたサービスだが、以下のようなサービスも行っている。
- Kongaのサイト内でのみ使用できる、オンライン支払いのサービス「KongaPay」
- 顧客が注文した商品を1〜3日以内に受け取ることができる「Konga Express」
- 売り手が、顧客の注文から受け取りまでを管理できる「Konga Self-fulfill」
企業基本情報
起業家情報
創立者:シム・シャガヤ
出身:ナイジェリア
学歴:ジョージワシントン大学・ダートマスカレッジを・ハーバードビジネススクール生年齢:1975年生まれ44歳(2019年現在)
会社概要
サービス提供国:ナイジェリア
従業員数:501-1000人
ホームページ:https://www.konga.com/
推定資金調達額合計:7950万ドル
事業沿革
- 2012年7月 設立
- 2013年第2四半期 プラットフォームをサードパーティの小売業者にも開放し、純粋なセレクトオンラインショップから脱却
- 2014年上半期 サードパーティの小売モデルを正式に立ち上げ、「Konga Mall」から「Marketplace」へのブランド変更
- 2015年1月 Alexa Internetにおいてナイジェリアで最も集客数の多いWebサイトとして評価される
- 2015年6月 モバイル決済サービスの提供について、ナイジェリア中央銀行を買収
設立までの背景
創業者の背景
もともとシム・シャガヤは、南アフリカの銀行家として働いていた。 その後にナイジェリアに移り、そこでGoogleのアフリカ代表になり、広告ビジネスを設立した。
シム・シャガヤは「Konga」を立ち上げる前に、いくつかのWebサイトを作成した。2011年3月に立ち上げられた「DealDey」では成功をおさめたが、それ以前には、大きな成功を得ることができていなかった。
その後2012年7月3日、シム・シャガヤはスウェーデンの投資会社Kinnevikの資金を基に「Konga」を設立した。
シム・シャガヤによると、Konga設立の主な目的は、以下のように語っている。
“サービスが分散し顧客の満足を得られていない。急成長している小さい市場を集約させ、従来の小売業者ができなかったことを達成できるサービスを提供したい”
“aggregate the youngest and fastest-growing market that was dispersed, under-served and that traditional retailers were simply failing to reach”
※参照元
https://en.wikipedia.org/wiki/Sim_Shagaya
Kongaの提供する各サービス
Konga Pay
Konga Payは、Kongaのサイト内でのみ顧客が使える製品として発売された。オンラインで支払いを行うことへの顧客の不安はKangaPay利用によって薄れ、誰もがKongaのサイトを使用するようになった。
また、このシステムは、オンラインで買い物をした顧客を詐欺から守ることにもつながった。KongaPayは、ワンクリックで支払いができ、Amazonのサイトで利用されている支払い方法と類似している。
シム・シャガヤはまた、以下のように言っている。
“KongaPay はナイジェリアの銀行と提携している。 顧客がまだ受け取っていない商品やサービスに対して前払いすることの不安をなくすことで、ナイジェリアでのオンラインショッピングの利用を変えることができると強く信じている。”
”KongaPay is a partnership with Nigeria’s banks. We strongly believe that together, we could change the face of online shopping in Nigeria by removing the uncertainties customers associate with pre-paying for goods and services they are yet to receive.”
Konga Payは、ナイジェリアのオンラインショッピング市場に大きな変化をもたらした。
これは、商品の購入から、サービスの利用、代金の支払いまでがスムーズに連携できるようになったからである。このサービスにより、Kongaの利用客の間で支払いに関する信頼が高まった。
Konga Express
Kongaは物流事業であるKonga Expressを導入した。 Konga Expressは、注文をオンラインで管理し、さらに顧客は注文した商品を1〜3日以内に受け取ることができるようになった。
Konga Self-Fulfillモデル
Self-Fulfill Model は、Kongaの市場提供において大きな変化であった。この機能により、売り手は、評価を参考にして良い宅配業者を選ぶことができるようになった。
業者を選んだうえで、売り手自らがインターネットで発送から受取までを管理することもできる。
競合について
競合となる企業としては、アフリカ14か国で運営されている「Jumia」があげられる。
Jumiaは、アフリカ大陸14カ国で事業を展開している。400万人のアクティブユーザーがおり、顧客数を見てもアフリカ最大の企業のひとつだ。
Jumiaの取引形態は、直接販売、委託販売、ドロップシッピングで構成されており、それぞれ流通の10%、30%、60%を占めている。
競合に対する戦略
アフリカにおいて、Jumiaに対しての顧客からの不満が最も多いのは配送に関してである。外注しているため管理しづらい配送は、もっとも不正が発生するところでもある。
なぜなら、代引きでの支払いが中心であるからだ。配送管理への品質向上と、実際の運用の効率化、また不正防止は、Jumiaの成長と利益化の重要なキーポイントとなる。
KongaのサービスはJumiaのサービスと酷似している。そのため、後から参入したKongaの戦略としては、この配送についての部分でより良いサービスを提供し、Jumiaよりも良い評価を得ることにある。
※参照元
https://www.lancers.jp/work/detail/2556739
今後の展開
2019年3月に、Kongaは、観光部門である「Konga Travel」を立ち上げた。観光部門を立ち上げることによって、現在アフリカ14か国で運営されているJumiaと大陸レベルで競争する努力をしているようだ。
Konga and Zinox Groupのコミュニケーション部門の責任者であるGideon Ayoguは、2021年までに収益性が上がるという根拠があると主張している。 しかし、国際的な拡大は必ずしも収益性につながるとは限らない。
また、他のアフリカ諸国への拡大に加えて、製薬業の参入も検討しているようだ。Kongaは2019年の三四半期までに製薬業界での活動を開始すると主張している。
Kongaの長期的な野望は、ナイジェリアの地方自治体のそれぞれにKongaストアまたはプレゼンスを確立することだ。
※参照元
https://techpoint.africa/2019/04/30/konga-expansion-drive/