『OneFi』 スマホアプリで即借り入れ。ナイジェリア最大の金融ローン

OneFi は、ナイジェリアのスタートアップ企業である。

サービス概要

モバイルアプリを利用した金融サービスを展開している。スマートフォンアプリで完結する、個人向けキャッシュサービスが柱である。

企業基本情報

起業家情報

代表:Chijioke Dozie
出身:ナイジェリア
学歴:イギリス イースト・アングリア大学 (経済学学士)
イギリス レディング大学 (リスク管理修士)
アメリカ ハーバード・ビジネス・スクール (MBA・経営学修士)

代表: Ngozi Dozie
出身: ナイジェリア
学歴: イギリス インペリアル・カレッジ・ロンドン (物理学)
アメリカ オックスフォード大学 (コンピュータ科学)
アメリカ ウォートン・スクール (MBA・経営学修士)

会社概要

サービス提供国:ナイジェリア
従業員数: 50人弱
ホームページ:https://onefi.co/
推定資金調達額合計:1000万ドル以上

事業沿革

  • 2012年6月に、Chijioke Dozie と Ngozi Dozie、株主のNet1(※注記1)によって、ナイジェリア・ラゴスで設立された。設立時の資金はおよそ1080万ドルで、そのうち500万ドルは、Lendable(※註記2)から借り入れている。当初は、サラリーマンに対して、紙ベースの申請を元にお金を貸し付ける業務を行っていた。
  • 2015年には、銀行検証番号(BVN)(※註記3)と全国信用調査機関サービスを導入し、サラリーマン以外も対象に含めた貸付を開始した。
  • 2016年5月、市場拡大を狙い、モバイルアプリ「Paylater」の提供を開始した。これは、約2年間で100万ユーザーからダウンロードされている。
  • 2019年3月には、Lendable社から新たに500万ドルを借り入れた。更に、同国の決済ソリューション会社「Amplified Payment System」を買収した。ナイジェリア国内での市場規模を倍増する見込みである。
  • 2019年4月には、モバイルアプリ「Paylater」を「Carbon」に改称した。サービス内容が「ローン」だけでなく、「投資」や個人の「財務管理」を含んだものへ拡大している現状を受け、「Paylater」という古い名称からの脱却を図ったのだ。「Carbon」という名前には、人間の生活に欠かせない炭素のように、お客様の生活の欠かせない一部になりたいという願いが込められている。
  • 2019年時点で、「Paylater」を介したローンは750,000件、6,000万ドル以上に上っている。1日平均1,500件、1回平均80ドルのローンが行われている。

(※注記1) Net1 ・・・ アメリカの金融会社。NASDAQ上場企業である。

(※注記2) Lendable ・・・ 2014年に設立されたロンドンの貸金業者。ケニアの首都・ナイロビに支社がある。

(※注記3) 銀行検証番号(BVN) ・・・ 2014年にナイジェリアの中央銀行が導入したシステム。国内すべての銀行口座に一意の番号を付与し、生体情報と紐付けた管理を行う。

※参照元:
https://www.crunchbase.com/person/chijioke-dozie
https://app.dealroom.co/companies/onefi
https://getcarbon.co/ourstory/
https://www.linkedin.com/pulse/paylater-carbon-ngozi-dozie
https://ng.linkedin.com/in/ngozidozie
https://www.linkedin.com/pulse/paylater-carbon-ngozi-dozie
https://techcrunch.com/2019/03/21/nigerian-fintech-startup-onefi-acquires-payment-company-amplify/
https://www.busiweek.com/onefi-secures-us5m-debt-facility-from-lendable/
https://www.lendable.co.uk/frequently-asked-questions

設立までの背景

創業者の背景

Chijioke Dozie は、ニューヨークの投資会社「Zephyr Management」の社員として働いていた経験がある。アフリカ内の企業との交渉を任され、南アフリカ共和国で生活していたとき、信用情報がないため、ほとんどのサービスを前払いしなければならず、資金繰りに困った経験があった。

この問題を解決しようと考え、信用情報の無いナイジェリア人でも利用できる金融ローンサービスを立ち上げた。

市場背景

2018年の統計によると、アフリカのフィンテック分野の投資額は、3億5700万ドルに達している。特にナイジェリア・ケニア・南アフリカのスタートアップ企業に、多くの資金が投資されている。

また、アフリカでは携帯電話が広く普及している。2015年の統計によると、人口の46%にあたる約6億人が携帯電話を利用しており、エジプト・ナイジェリア・南アフリカの三カ国で、全利用者の約3割を占めている。

現在の市場の問題点

アフリカでは、フィーチャーフォンを所有している人の割合が高い。ナイジェリアでも、携帯市場の半数近くはフィーチャーフォンが占めている。スマートフォンアプリを利用したサービスは、市場規模に限界がある。

また、2017年の統計によれば、6000万人以上のナイジェリア人は銀行口座を持っていない。現在の OneFi のサービスは、顧客が銀行口座を持っていることが前提になっており、こちらも市場規模に限界が見られる。

※参照元:
https://www.tmtfinance.com/world-congress/africa/speakers/chijioke-dozie-ceo-co-founder-one-finance-investment-limited
https://getcarbon.co/ourstory/
https://www.tourism.jp/tourism-database/figures/2017/05/second-rank-mobile-continent/
https://forbesjapan.com/articles/detail/21512

サービス詳細

ユーザはAndroid アプリ 「Carbon」 を利用して、ローンなどの各種サービスを利用する。

必要な事項をいくつか記載すると、数分後には銀行口座にお金が振り込まれる。紙の書類や担保・保証人などは必要なく、短い時間で融資が決まるのが特徴的である。24時間365日いつでも受けつけており、手数料は特にかからない。

無担保の代わり、最初に借りられる金額はごく少額である。期限内に返済すると、次からはより高い金額、より低い利率で借りられるようになる。逆に期限内に返済できなかった場合、OneFi社内での評価スコアが下がり、次回から融資が断られる可能性が高くなる。

段階的な融資を行うことで、過去の信用情報に頼ることなく、OneFi社独自に「信頼できる顧客」の見分けを行っている。かつてバングラデシュの「グラミン銀行」などが成功した、いわゆる「マイクロクレジット」と呼ばれる手法である。

他にも、公共料金の支払や、投資活動などをアプリから行うことができる。

※参照元:
https://getcarbon.co/loans/

競合について

Aella Credit loan

2015年に設立された、サンフランシスコに本社を置く金融会社。ナイジェリア人向けの個人ローンを展開しており、スマートフォンアプリさえあればいつでも借りれるなど、類似性が高い競合他社といえる。

C24

ナイジェリア・ラゴス州の金融ローン。オンライン上で手続きを行うところは類似するが、信用情報が必要であったり、給与明細書を提示する必要があったりと、ややハードルは高い。累計50億ナイラ(約3億円)のローンを行ってきている。

FINCAマイクロクレジット

世界20カ国に展開する金融会社で、ナイジェリア支社は2014年に設立されている。累計顧客数はおよそ27000人、ローンの平均金額は1700ドルと、OneFi にはまだ届かないながらも急成長を遂げている。また、銀行口座を持たないユーザを対象に、USSDサービス(※注記1)を展開しているのが強みである。

財務状況の透明性

OneFiは新興企業としては珍しく、詳細な財務情報の公開を毎年行っている。たいていの新興企業は、損失を明るみに出したり、競合他社に情報を与えたりすることを懸念するものだが、OneFi は損失があったとしても毎年公開すると宣言している。

財務状況の透明性を高めることで、世界中の投資家から注目を浴びるのが狙いである。

(※注記1) USSD ・・・・ 海外で広く使われている、SMSに似た通信システム。特定の電話番号にかけることで、個人情報の照会や各種支払いなどを行える。日本人の場合、ナビダイヤルの自動音声システムをイメージすれば分かりやすいだろう。

サービスの優位性

他社と比べて、お金を借りるまでのハードルが、圧倒的に低いのが強みである。過去の信用情報がない人でも、気軽にお金を借りることができますし、紙の書類を用意する手間も必要ない。

2018年12月には、格付け会社「Global Credit Rating Company」から「BB」ランクの評価を受けている。アフリカのフィンテック企業では初の認定であり、公的な信頼を得ていることも強みといえる。

2018年度の財務情報:https://carbon.docsend.com/view/iusp77t

※参照元:
https://c24ng.com/
https://africabusinesscommunities.com/tech/tech-features/interview-chijioke-dozie-ceo-onefi-nigeria/
https://finca.org/where-we-work/africa/nigeria/
https://www.fincanigeria.com/products/mobile-banking/
https://techcrunch.com/2019/07/30/why-this-nigerian-fintech-startup-is-volunteering-audited-financials/

今後の展開

スマートフォンを持っていない新たな顧客を取り込むため、「USSD」を活用したサービスを展開する予定である。

また、すでにVisa とパートナーシップ関係を結んでおり、今後はQRコードを利用した支払いサービスを、全国のスーパーなどに展開する予定である。

※参照元:
https://africabusinesscommunities.com/tech/tech-features/interview-chijioke-dozie-ceo-onefi-nigeria/

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