『Wakanow』航空券予約サービス。アフリカ・米英で積極展開中。

Wakanowはナイジェリアで初めてオンライン旅行代理店業を始めたスタートアップである。

ナイジェリア人がアフリカ大陸内外を便利で簡単に安心して旅行出来ることを目指して立ち上げられた。現在、同国のオンライン旅行代理店業界を牽引する存在となっている。

サービス概要

Wakanowはそのオンライン・プラットフォーム上で航空券及びホテル検索・販売サービスを提供する他、VISA取得支援サービス、空港ピックアップサービス、バケーション用のツアーパッケージ販売などのサービスを提供している。

また、銀行やクレジットカード会社と提携し、決済代行などの金融サービスをプラットフォーム上に組み込むことで、利用客が旅行の際に必要となる、あらゆるサービスを提供出来るよう努めている。

更には、Wakanowは同社のビジネス展開において重要拠点と設定している地域(ガーナ、UAE、英国、ケニアなど)にはオフィスを設置し、オンサイトの営業も展開し、ナイジェリアのみならず国外でもプレゼンスを高めている。

※参照元:
https://www.crunchbase.com/organization/wakanow#section-overview
https://www.cdcgroup.com/en/our-investments/underlying/wakanow-com/

企業基本情報

起業家情報

代表:CEO Obinna Ekezie *2019年10月24日に退任。COOのAdebayo Adedejiが新CEOに着任。
出身:ナイジェリア
学歴:メリーランド大学(主専攻:機械工学、副専攻:ビジネススクールIBM TQマネジメント)
生年月日または年齢:1975年8月22日生まれ(44歳)

Obinna Ekezieは元NBAバスケットボール選手で、2007年まで現役として活躍した後、Wakanowを立ち上げた。

※参照元:
https://ja.wikipedia.org/wiki/オビンナ・エケジー
https://www.linkedin.com/in/obinnaekezie/

会社概要

企業価値:不明。
サービス提供国:ナイジェリア、ガーナ、ケニア、UAE、英国、アメリカ合衆国
従業員数:251-500人(正確な人数は不明)。
ホームページ:https://www.wakanow.com/en-ng/

推定資金調達額合計:約USD43M。

※参照元:
https://www.crunchbase.com/organization/wakanow#section-overview
https://www.wakanow.com/en-ng/general/home/aboutus/

事業沿革

  • 2008年11月、ナイジェリア国で設立。
  • 2010年、南アフリカW杯期の旅行サービスに関して、ナイジェリア政府から独占的な営業権を受注し、事業が本格的に軌道に乗るようになる。
  • 2013年、Tony Elumelu Foundation(※1)及びAll-world Networks(※2)から成長著しいE-コマース会社の評価を得る。
  • 2013年、UAE国ドバイに出店し、営業開始。
  • 2014年8月、African Capital Alliance(※3)から資金調達を発表(USD13M)。
  • 2015年、オンラインで現地の交通機関乗車券の販売を行うOya.comをUSD2.5Mで買収し、企業、及びハイエンド個人顧客向けビジネスを開始。
  • 2015年中頃、購入商品・サービスの決済方法について分割払いを可能にする新サービス’Pay Small Small’を開始。
  • 2015年10月、CEOのObinna EkezieがAll Africa Business Leaders Awards及びCNBC Africaが開催するイベントで、West African Entrepreneur of the year Awards for 2015を受賞。
  • 2017年、ケニア国、英国に新規出店。
  • 2018年、従来の2週間サイクルのBSPを取りやめ、直接送金とプレペイドカードによる決済サービス導入を発表。航空券販売手数料の削減を行う。
  • 2018年12月、The Carlyle Group(※4)からUSD40Mのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を発表。

(※1)Tony Elumelu Foundationとは
ナイジェリア国に拠点を置くアフリカで最大級の起業家支援の非営利団体。

(※2)All-world Networksとは
経営学者マイケル・ポーターが会長であり共同創業者である成長途上の企業向けの情報共有とネットワーキングを目的としたプラットフォーム。

(※3)African Capital Allianceとは
成長途上の中小企業向けのプライベート・エクイティ・ファーム。成長資本、エクイティ、エクイティ関連投資、バイ・アウトに特化する。また、起業の方針転換期、海外展開期における投資も行う。

(※4)The Carlyle Groupとは
代替投資管理・運用を行う企業であり、2018年9月30日現在で合計USD212Bの運用を行っている。同ファンドへの投資の多くは公的年金から流入している。コーポレート・プライベート・エクイティ、実物資産、グローバル・クレジット、インベストメント・ソリューションズをビジネスの軸としている。

※参照元:
https://www.bloomberg.com/profile/company/1686866D:NL
https://www.crunchbase.com/organization/wakanow#section-overview
https://www.carlyle.com/media-room/news-release-archive/carlyle-group-invests-wakanowcom-one-west-africa’s-largest-online
https://www.wakanow.com/en-ng/general/home/aboutus/
https://www.vanguardngr.com/2018/02/wakanow-introduces-new-payment-model-to-lower-airfares/
https://www.empea.org/newsroom/the-carlyle-group-agrees-to-invest-us40-million-in-wakanow-african-capital-alliance-to-exit/
https://fivewaytrip.com/wakanow/
https://techcabal.com/2015/11/04/obinna-ekezie-wakanow-md-wins-entrepreneur-of-the-year-awards-for-2015/
https://www.isc.hbs.edu/about-michael-porter/affiliated-organizations-institutions/Pages/allworld-network.aspx
https://techpoint.africa/2015/12/24/wakanow-acquired-oya-com-ng-for-2-5-million/
https://www.colourfulradio.com/content/story/28584
https://naijaquest.com/wakanow-pay-small-small/

市場背景

Wakanowが創設された当時のナイジェリア国は、Eコマースが定着する上で、いくつか壁が残っていたもののインターネットユーザーの急速な拡大もあって、定着する素地は着実に生まれつつあった。

例えば、インターネットユーザーは2005年から2007年までに約8百万人まで増加、2012年には約48百万人まで増加している。また、携帯電話加入数については、2005年が約18.59百万台だったのが、2007年には約40.4百万台、2012年には112.78百万台まで増加している。

また、その背景として、ナイジェリア国の経済成長が2000年代から2010年代前半にかけて、GDP年成長率が約6%で推移し、中産階級が育ちつつあったこともあげられる。

しかし、当時は、旅行をしたいと考える消費者にとって、ナイジェリア国で効率的かつ短期間でサービスを享受することは難しかった。先進国ではExpediaやBooking.comなどのオンライン旅行代理業会社が顧客により便利なサービスを提供して成長している中で、ナイジェリア国では消費者が伝統的な店舗型旅行代理店を訪ねてサービスを受けなければいけない状況であった。

創業者であるEkezie氏自身もアメリカ合衆国とナイジェリア国間を移動するうえでの非効率性に不満を感じた1人であった。

そのように、規模が大きくポテンシャルが高い市場や業界の問題点に目をつけ、事業を拡大させていったのがWakanowであった。

ビジネスモデル

元NBA選手が設立した会社として強いブランド力をそもそも持っていたものの、同社は設立当初から積極的な宣伝活動を幅広いチャネルで展開し、顧客リーチを高めていった。

CNN Internationalのコマーシャル、ホテルのラウンジでの宣伝、ソーシャルメディア、携帯アプリケーションなどを活用した。

また、リーチすべきターゲットをしっかり特定していた点も良い効果を発揮した。若者、コンピューターリテラシーが高い層、または企業などの携帯やインターネットに感度が高い層をターゲットに据え、また、Android、Blackberry、Nokiaなどの携帯電話ユーザーに対してアプリケーションを活用してリーチしていった。

加えて、訴求する内容として、アフリカ大陸の全体の経済成長に伴った中産階級の増加の環境下に合わせて、アフリカ大陸での休暇の過ごし方を提案している点で、独自性があった。

Wakanowという会社の成長において、もう1点特徴的な点をあげるならば、そのパートナーリング形成力であり、それを活用して市場と業界の課題を解決していった点が挙げられる。

Eコマースが発展していない環境で、まずは現地航空当局と提携し、現地航空会社や現地旅行代理店を支援する業務を拡大した。

また、旅行業界に関連する産業の企業と提携し、各企業がお互いに提携することでマーケティング上のメリットを享受できるようにオンライン・プラットフォームを設計した。

加えて、国際航空運送協会の会員となり、同協会の横断的販売システムを利用し、そのメリットを享受できるようにしている。

その一方で、消費者の懸念点となっていたサーバー犯罪のリスクやインターネットを通したクレジット決済のリスクについても、パートナリングを通して問題解決に努めている。

サイバー犯罪については、ウエブの安全性を高めるために、アメリカ合衆国のインターネットインフラ会社のVerisign と提携した。また、クレジット決済については、Paypal、MasterCardなどの外資企業やInterswitch、Valucard Nigeria plc、UBAと提携して、決済機能を強化している。

これらの提携を通して、問題点の悪影響を緩和させ、顧客に安心感を与えることに成功したようである。

以上のように、市場の課題と顧客満足を意識し、自社の課題点を特定し、パートナーリングも活用して課題を解決していくことで、着実に顧客の信頼を獲得していけたことが、Wakanowが成長した背景と言える。

※参照元:
https://www.carlyle.com/media-room/news-release-archive/carlyle-group-invests-wakanowcom-one-west-africa’s-largest-online
https://www.theseus.fi/bitstream/handle/10024/57781/Ariyo%20Seliat%20last%20verson%20new.pdf?sequence=1&isAllowed=y
https://www.statista.com/statistics/501044/number-of-mobile-cellular-subscriptions-in-nigeria/
https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG?locations=NG

サービス詳細

航空券予約

カタール航空、トルコ航空、ブリティッシュ・エアウェイズなどの大手航空会社の国際線の他、ナイジェリア、ガーナ、ケニア国内の国内線を手配出来る。

ホテル予約

45,000件以上の世界中のホテルを検索し、予約することが出来る。ホテルには顧客レビューに基づいたレートが付与されている。

プレペイドカード

デビッドカードとして、世界中で、あらゆる通貨で利用可能。月額USD2,000、四半期USD6,000とした利用制限がある。銀行口座を開設せずに利用可能。また、利用毎にオンラインで利用可能なポイントが付与される仕組みになっている。

SIMカード

SIMカード販売サービス。国際通話、データ通信、テキスト送受信が可能。

Pay Small Small

旅費の分割払いを可能とする決済サービス。購入金額の25%分を前払として支払う必要がある。

VISAサービス

専門のVISAコンサルタントのサポートとVISA取得可能かどうかの診断を受けることが出来る。

※参照元:
https://fivewaytrip.com/wakanow/
https://www.wakanow.com/en-ng/cards/
https://www.wakanow.com/en-ng/paysmallsmall/

最新情報をチェックしよう!