『Flow』南アフリカで20,000人以上が利用中!家賃のオンライン決済

Flowは2017年に南アフリカで設立された不動産テックのスタートアップ企業で、他に例を見ない不動産系のアプリを開発した。アプリ名は「Flow – Rewards For Renting」。今、このアプリは南アフリカ全土で20,000人以上に使われている。

サービス概要

「Flow – Rewards For Renting」はApp Store及びGoogle Playでダウンロード可能だ。賃貸不動産の入居者は、まず自分の情報と住んでいる部屋の情報をアプリ内で登録する。

そして、期日までに家賃の支払いを済ませる・このアプリを通じて日用品を購入するなどによりポイントを獲得することができる。

溜まったポイントで食料品の割引・旅行代金の割引・インターネット利用料金の割引など様々なサービスを利用することが可能となる。

※参照元:
https://flow.rent/

企業基本情報

創業者情報

Gil Sperling・Daniel Levy・Jonathan Liebmann
※3人による共同創業

CEO    :Gil Sperling(現在35歳:南アフリカ人)
2006年   :Univercity of the Witwatersrand を卒業
2008年3月:PopimediaでCo-Founder&CTOに就任
2016年9月:Kalon Venture Partnersで NON EXECUTIVE DIRECTORに就任(現職中)
2017年  :Flow設立

※参照元:
https://flow.rent/
https://za.linkedin.com/in/gilsperling


会社情報

サービス提供国:南アフリカ
本社所在地  :ヨハネスブルグ
従業員数   :不明(今年末までに「20人前後にする予定」とCEOのGilは語っている)
ホームページ : https://flowliving.com/index.html
資金調達額  :2019年にZAR 20,000,000(=約USD 1,400,000)を調達

事業沿革

  • 2017   創業
  • 2018.9 アプリのベータ版を開発を完了。合計100人の賃借人向けにテストを実施
  • 2019.1 ZAR 20,000,000(約USD 1,400,000)の資金を調達
  • 資金調達元はKalon Venture Partners(南アフリカ)とCRE Venture Capital(アメリカ)

※参照元:
https://ventureburn.com/2019/03/proptechs-to-watch-south-africa/
https://www.onlinemarketplaces.com/articles/23361-flow-raises-the-largest-proptech-seed-investment-in-sa-ever
https://www.privateproperty.co.za/advice/news/articles/generationrent-a-new-app-rewards-rental-tenants-and-landlords/7111

設立までの背景

設立までの経緯

CEOのGil Sperlingは、2008年に南アフリカでPopimediaという会社を創業し、アフリカ最大手Facebook広告会社へと拡大させた。 Popimedia はオンラインマーケティングの会社で、Facebook、Instagram、Twitter、Google広告に対応している。

広告の作成やキャンペーンの企画を行い、インターネットでリアルタイムのレポートを確認できる仕組みを作り上げた。金融・小売り・不動産・教育・旅行等の業界に対応している。

なお、Popimediaは2016年に世界最大級のインターネット広告会社の1つであるフランスのPublicisに買収され、この一件は大きなニュースとして取り上げられた。その後、Gil Sperling は2017年にFlowを設立した。

市場背景

Gil SperlingはPrivate Propertyのインタビューで「不動産業界は最も技術革新が進んでいない業界であるため、ITの技術を投入すれば市場を大きく変えることができる。」と述べている。

南アフリカでは平均収入を上回るインフレが起きているため、20代〜30代の世代はもっと収入が上がらないと家を買うことができない。このため、南アフリカでは30代までの世代が特に多くの不動産を賃借している。

彼らが不動産に求めているのは透明性やスピードと言える。ただ、それ以上に何よりも求められているのは手頃な価格である。他方、不動産オーナーは良い属性の賃貸居住者と空室が発生しないことを望んでいる。

現在の市場の問題点

南アフリカでは経済が低迷傾向にあり、消費者の収入はなかなか上がらない状況がある。このため、不動産オーナーも利回りを上げることができていない。Flowはここにチャンスがあるとみている。

また支払い遅れなどが多発しており、オーナーにとっては資金回収の手間が大幅に省けるのも魅力の1つである。

※参照元:
https://www.popimedia.com/
https://www.privateproperty.co.za/advice/news/articles/generationrent-a-new-app-rewards-rental-tenants-and-landlords/7111

サービス詳細

不動産の賃借人はアプリ「Flow – Rewards For Renting」をApp Store及びGoogle Playでダウンロードすることができる。

入居者は、アプリをダウンロードした後、自分の情報と住んでいる部屋の情報をアプリ内で登録する。アプリを通じて家主に家賃を支払うことや、家主に連絡することなども可能だ。なお、家主がアプリをダウンロードしていなくても、入居者はFlowを利用することができる。

入居者は、アプリを通じて期日までに家賃の支払いを済ませる・部屋内の修繕が必要になったら家主に報告する・アプリを通じて日用品を購入する・アプリを通じて家主と連絡を取る・友人などにアプリを紹介する、などのことをすると、ポイントを貯めることができる。なお、ポイントは毎月付与される。

※引用元:Flowホームページ

Flowは様々なサービス業の会社と提携しており、貯まったポイントを使用することにより、最大で家賃の20%相当額のサービスを受けることができる。

サービス内容は、食料品の割引・衣料品の割引・ホームクリーニング・旅行の割引・家具の割引・Netflixの割引・インターネット利用料金の割引など、多岐にわたっている。

このポイントを用いた割引により、賃借人は毎月最大でZAR2,000相当のサービスを受けることが可能になっている。

提携しているパートナーはOneCart・Sweepsouth・Curiocity・Kanduaなどで、どの企業も南アフリカの各業界でトップクラスのシェアを持っている。

また、不動産のオーナー側もこのアプリの利用において料金は発生しない。不動産のオーナー側は、このアプリを利用することによって、質の良い入居者をつけやすくなる上、家賃を漏れなく回収することができる。

またこれまでの収益性や支払いの管理などをFlowのアプリ内で確認することが可能になっている。

※引用元:Flowホームページ

また、入居者側にも直接的な利益のある仕組みになっているため、不動産のオーナーにとっては賃貸借契約の解約防止策としても有効だ。

このアプリは南アフリカ全土で利用可能で、すでに2,000人以上の賃貸住宅オーナー及び20,000人以上の入居者が登録している。

なお、不動産オーナーがアプリを利用していなくても、入居者はアプリを利用することができるが、不動産オーナー側から入居者を招待することも可能で、その場合、入居者はアプリをダウンロードする指示をメールなどで受け取ることになる。

Flowはなお、アプリの利用については入居者も不動産オーナーも使用料は無料だ。Flowは、入居者がサービスを利用した際に不動産会社から利益分配を受けることで収益を得るため、アプリの使用料金を無料にすることが可能となっている。

※参照元:
https://flow.rent/

競合について

競合① Property fox

創業者: Ashley JamesとCrispin Inglisによる共同創業
2016年4月:創業
2017年11月:SA Home LoansがProperty Foxの49%の株式を取得
2018年9月:Steepleを買収(買収金額は未公開)

Property foxはFlowと同じく不動産系のアプリ開発会社である。南アフリカでは通常不動産を売却する際に売却価格の5%〜7%手数料がかかるが、 Property Foxを介して売却すると、売却価格の1.5%もしくはR39,990のいずれか高いほうが手数料として請求される。この手数料の安さを売りとして利用者を集めている。

なお、Property Foxが2018年9月に買収したSteepleは、2012年の創業で、同様に不動産エージェントのプラットフォームを開発している。なお、こちらも低い手数料による不動産取引の実現をその特徴としていた。

※参照元:
https://placetech.net/analysis/mapping-south-africas-scene/
https://ventureburn.com/2019/03/proptechs-to-watch-south-africa/
https://ventureburn.com/2018/09/propertyfox-acquires-local-platform-steeple/

競合② HouseME

創業者:Ben ShawとKyle Bradleyによる共同創業
2016年:創業
2018年:増資を実施。増資額は非公開だが、ZAR 3 million〜ZAR 5 millionと推定されている。

HouseMEもProperty foxと同じで不動産取引の仲介手数料を安くすること・情報の透明性を確保することなどに重点を置いている。

※参照元:
https://ventureburn.com/2019/03/proptechs-to-watch-south-africa/
https://house.me/index.html#page-top

Property FoxもHouseMEも不動産売買もしくは不動産仲介の手続きとその手数料に焦点を当てたビジネスモデルになっている。

一方、Flowのビジネスモデルは、安定した家賃の回収や賃貸入居状態の維持を図るというところに焦点を当てており、考え方が完全に異なっている。

サービス拡大の秘訣

競合は今のところ不動産取引のイニシャルコストにのみ焦点を当てているが、Flowは不動産取引終了後のランニングコストに焦点を当てている。

このため、Flowの方がより長期的な利益を顧客に提供するビジネスモデルとなっており、継続的な事業の拡大が期待できる。

今後の展開

Gil SperlingはPrivate Propertyのインタビューで以下のように述べている。

“南アフリカで十分な実績ができたらグローバルに拡大するつもりでいる。拡大先は選定中だ。”

“Once we have achieved mass adoption in South Africa we will be expanding globally. We will be evaluating which territories to expand to first.”

※参照元:
https://www.privateproperty.co.za/advice/news/articles/generationrent-a-new-app-rewards-rental-tenants-and-landlords/7111

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