『Lumkani』スラム街に住む低所得者層向けに開発された火災報知器を提供するスタートアップ

Lumkaniは、リーズナブルな価格で南アフリカの低所得者層に火災報知器を販売するスタートアップである。

サービス概要

Lumkaniの提供する火災報知器の特徴は従来の煙を感知するタイプではなく、温度上昇を感知し火災の発生を警告する点である。

電気が通っていない低所得者層のスラム街などの住宅では石油ガスを使って料理などを行うため、日常的に煙が発生している。

そのため従来の様な煙を感知するタイプの火災報知器では、常に火災報知器の警告音を鳴ってしまい低所得者層では使うことができなかった。そこで煙ではなく室内の温度上昇に着目し、当該火災報知器を開発した。


企業基本情報

起業家情報

代表:David Glukman
出身:南アフリカ
学歴:ケープタウン大学
経歴: ケープタウン大学で経営学の学士を取得
年齢:不明

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:南アフリカ
従業員数:1~50人
ホームページ:https://lumkani.com/

設立までの背景

2014年にケープタウン大学の講義のプロジェクトとして始まる。
ケープタウン大学電気工学科のFrancois Petousisという学生が講義の一環で温度上昇を感知できる火災報知器を開発したことがきっかけである。

彼の教授であるSamuel Ginsbergと共に低所得者層に対して火災報知器を販売する「Lumkani」を創業する。

同年、GIST competition’s Best Start-up award(※1)を受賞、南アフリカのTechnology Innovation Agency(※2)から資金援助を受ける。「Lumkani」という社名は、南アフリカ 現地のコーサ語で「気付く」に由来する。

(※1)GIST competition’s Best Start-up awardとは
イギリス政府が支援する起業家育成コンペティション。
(※2)Technology Innovation Agencyとは
2008年11月24日に南アフリカ国会が設立した南アフリカの科学技術部門をリードする組織

※参照元
https://www.pri.org/stories/2016-05-25/little-blue-box-might-help-save-thousands-homes-south-africa


設立当初〜サービス拡大

2014年11月 南アフリカのスラムに7000個火災報知器を配布。
2015年 ケープタウンの最も火災リスクの高いスラムに5000個火災報知器を設置。地元の自治体とソーシャルインパクトボンドを用いて、低コスト若しくは無料で多くの低所得者層の家庭に普及。同年のCHIVAS VENTUREにて、ファイナリストに選出され、81581ドルの資金調達に成功。
2017年 火災報知器の開発を拡大するべく、電気工学エンジニアの採用。
2018年 Accion Venture Lab、Lireas Holdings、4Di Capitalから出資を受ける。金額は非公開。
2019年 南アフリカのみならずバングラディシュにおいて、同火災報知器の提供を始める。

※参照元
https://www.pri.org/stories/2016-05-25/little-blue-box-might-help-save-thousands-homes-south-africa
https://www.chivas.com/en-en/the-venture/alumni/2015/lumkani
https://www.4dicapital.com/new/sas-lumkani-installs-5-200-fire-detectors-in-imizamo-yethu-township
https://www.linkedin.com/pulse/lumkani-hiring-electrical-engineer-francois-petousis

サービス拡大の中身

Lumkaniがサービスを拡大する要因は2点ある。

  1. IoT火災報知器であり火災保険、金融サービスへのアクセスに応用できる点にある。それぞれのIoT火災探知機から収集されたデータは保険金請求時に利用され、熱感知センサーの情報、地理データといったデータをもとに適切な保険金が算出される仕組みとなっている。この様に低所得者層向けにIoT火災探知機を導入することで、彼らの生活に関するデータを収集することできるということが強みとなっている。そこから信用スコアを算出し、火災保険のみならず他の金融サービスを享受する事ができる様にしている。そもそもスラムなどの低所得者層は通常、リスクが高く火災保険に加入できないことが多く、更に保険の必要性も認識していない。しかし高性能な火災報知器によって、高確率で火災を未然に防ぐことができる。故に低所得者層に対しても、火災保険を提供できる。
  2. 2点目は半径60メートル以内の近隣住宅から発生した火災を同じくIoT火災探知機を導入している他の住居に知らせる点だ。その利用者の近隣で火災リスクがあるかどうかをテキストでお知らせする機能も搭載している。そのため住民を未然に火災から守ることができる。スラム街など近接している場所では効果が発揮できる。


※参照元
https://www.techinasia.com/southeast-asia-real-money-logistics-ecommerce

サービス利用料金

現在、Lumakaniが提供する火災未然防止サービスは2種類ある。

  1. Fire coverー月70ランド(約546円)で火災報知器と火災保険を導入することができる。火災保険は、住宅、企業ビルや所有物を40000ランド(約31万2千円)まで補償してくれる。
  2. Funeral & Fire coverー月150ランド(約1170円)で火災報知器、火災保険、家族葬の費用をカバーできる。火災保険は住宅、企業ビルや所有物を対象にした40000ランド(約31万2千円)まで補償する。さらには家族葬の費用まで負担してくれる。

上記2種類のサービスは、スラムのような不法住宅なども補償範囲に含まれている。またメッセンジャーアプリのWhatsappで申し込みができる。上記の料金には設置代も含まれている。

※参照元
https://lumkani.com/

今後の展開

他のアフリカ諸国やインドにも同サービスを拡大予定。2019年5月には、NGOのBRAC(※3)と提携し、バングラデシュにも火災報知器を提供を開始している。

(※3)BRACとは
bangladesh rural advancement committeeの略称であり、バングラデシュ国内で活動するNGO

※参照元
https://www.youtube.com/watch?v=TUx6Fa5GYQM&feature=youtu.be&fbclid=IwAR2nSgzvgNklvGWBOfYIxB43oYIOa-gydslgjX4BkLI6Rnf_9MHgC2bebTQ

最新情報をチェックしよう!