ノマニニは、南アフリカのスタートアップである。ノマニニとは、スワジ語で「いつでも」を意味する。今回はノマニニが開発した『Lulu』について述べる。
サービス概要
アフリカや東南アジアでは、電気のチャージや携帯電話のデータのチャージは前払いで購入するパターンがほとんどである。
例えば、スマートフォンのチャージをしたい時は、これまで小規模小売店に行き、カードを購入し、そこに書かれたコードをスマホに入力する事でチャージができるという仕組みであった。
そのカードは通信会社から複数のブローカーを経由して、小売店に並べられるパターンがほとんどである。その途中でカードを紛失したり、ブローカーが待ち合わせてカードを受け渡したりと、非常に非効率であった。
Luluはアフリカの各地域の小売店に提供され、ボタンを押すだけでモバイル通信のパスワードが書かれた紙が印刷される。この紙にコードが印字されており、これまで手渡しで行われてきたカード代わりになるという仕組みである。
Luluがあることで、手軽に各商店はボタンを押すだけでモバイル通信を販売でき、消費者としては手軽にモバイル通信を購入可能となる。
モバイル通信以外にも電気や水道料金をLuluを通じて支払える。アフリカで見られる通信会社のスクラッチカードをよりスマートにしたものだ。
※参照元:
https://nomanini.com/solutions/
企業基本情報
起業家情報
代表:Vahid Monadjem
出身:ドイツ
学歴:ケープタウン大学卒業
生年月日または年齢:ー
会社概要
サービス提供国:アフリカ全土
従業員数:11〜50
ホームページ:https://nomanini.com
推定資金調達額合計:510万米ドル
事業沿革
- 2010年 グッドウェル社から資金調達
- 2013年、南アフリカでサービス開始
- 2014年4月、モザンビークでサービス開始
- 2014年10月、ザンビアでサービス開始
- 2014年12月、ガーナでサービス開始
- 2019年8月 スタンダード銀行から4百万米ドルの出資
※参照元:
https://ventureburn.com/companies/nomanini/about/
設立までの背景
創業者の背景
ケープタウン大学卒業。ドイツで生まれ、アメリカとスワジランドで育った。設立前はマッキンゼーで製品市場開発のエンジニアとして従事。電力会社・通信・石油化学など、幅広い業界、東南アジア、北米、ヨーロッパで働いた経験がある。
市場背景
南アフリカをはじめ、アフリカ地域では、消費者がモバイル通信を利用する際、各地域の商店でカードを購入している。
カードは複数のブローカーを経由して小売店に運ばれるが、紛失リスクや人々の時間損失になっていた。また小売店は在庫が不足する場合があり、機会損失になっていた。
※参照元:
https://za.linkedin.com/in/vahidmonadjem
サービス詳細
Noaniniが開発した「Lulu」によって、各地域の商店は販売網を広げられ、手軽にモバイル通信や電気・水道料金を支払うことが可能となる。
Lulaを導入するオーナーは、まず、銀行に預金する。オーナーは預金額に応じて、携帯のプリペイドや電気料金の支払い等に使用できるレシートをLuluから発行できるようになる。
後はLuluに電源を入れ、お店で注文があるごとにボタンを押してバウチャーを発行すれば良いだけだ。
サービス拡大の秘訣
Nomaniniでは独自のオンラインシステムに加えて、ユーザーが簡単に利用できる実機を提供しているのが他の企業とは異なる点だ。
オフラインとオンラインを組み合わせたことで、各地域コミュニティでのユーザーを獲得し、サービス拡大を遂げている。
また、世界的な金融グループであるスタンダード銀行から出資および提携したことで、企業としての信頼を高めたのも大きい。
※参照元:
https://www.crunchbase.com/organization/nomanini/owler/owler_summary
https://www.fintechfutures.com/2019/08/standard-bank-and-nomanini-sign-12-months-in-the-making-4m-deal/
今後の展開
最初はイーストアフリカでサービスを開始したが、イーストアフリカにターゲットを絞ったのではなく、アフリカ全土を目標としている。
2021年までにアフリカ14ヶ国までサービス拡大する目標だ。そして、2015年までに取引額が2.1兆米ドルを目指している。
※参照元;
https://ventureburn.com/2019/08/fintech-nomanini-4m-standard-bank/