『Valr』南アフリカで50種以上の暗号通貨を取り扱う大規模なプラットフォーム

Valrは2018年に南アフリカで設立されたフィンテックのスタートアップ企業で、暗号通貨取引所としては最大級である50種以上の暗号通貨を取り扱いしている。また、Valrは強固なセキュリティを備えるなど、安全性の確保にも大きな力を注いでいる。

サービス概要

Valrはビットコインやイーサリアムを始めとする暗号通貨を50種類以上取り扱っており、これは暗号通貨取引所による暗号通貨取り扱い種類数としては最大級である。

また、利用者に身分証明書の写真と映像撮影を求め、AIを用いて本人確認を行うなど、取り引きにおける本人確認を徹底している。このため、利用者は安心して世界最多クラスの暗号通貨を取り引きすることが可能となる。

参照元:https://www.valr.com/

企業基本情報

創業者情報

Farzam Ehsani・Badi Sudhakaran
※2人による共同創業

CEO    :Farzam Ehsani(南アフリカ人)
2004年   :University of California, Berkeley を卒業
2004年8月:Deloit Consultingに入社
2006年7月:McKinsey & Companyに入社
2012年3月:Rand Merchant Bankに入社(2018年3月まで在任)
2017年2月:South African Financial Blockchain Consortiumのchairpersonに就任
2018年4月:Valr設立

会社情報

サービス提供国:南アフリカ
本社所在地  :ヨハネスブルグ
従業員数   :不明
ホームページ :https://www.valr.com/
資金調達額  :2019年に2,000万ランド(=約140万ドル)を調達

事業沿革

  • 2018.4 Valr設立
  • 2018.7 Bittrex及びMontegray Capitalから2,000万ランドを調達
  • 2019.3 暗号通貨の取引プラットフォームを構築
  • 2019.5 暗号通貨の取引を開始

※資金調達元はBittrex(アメリカ)とMontegray Capital(南アフリカ)

参照元:
https://www.valr.com/
https://za.linkedin.com/in/farzam-ehsani
https://sacrypto.co.za/valr-announce-zar-trading/
https://www.coindesk.com/bittrex-crypto-exchange-valr-south-africa-bitcoin

設立までの背景

CEOのFarzam Ehsaniは、Deroit Consulting及び McKinsey & Companyとコンサルティング会社に勤めた後、Rand Merchant Bankに入社しており、ここで2年3ヶ月間ブロックチェーンの構築に携わっていた。

また、Rand Merchant Bank 在職中に南アフリカのブロックチェーンコンソーシアムの責任者に就任しており、フィンテックとの関わりが強い経歴を持っている。

これらの経験から、伝統的な金融システムと新しい暗号通貨との架け橋を作るべくValrを設立した。

市場背景

通常の銀行を利用するこれまでの金融取引においては、当然に送金手数料がかかる。これは世界で年間約1.7兆ドルに及び、世界中にある銀行の収益のうち3分の1を占めてきた。暗号通貨取引においては、P2Pの技術により、この手数料を無くすことが可能になる。

また、現在アフリカではフィンテック産業が盛んで競争が激化しつつあり、2017年にはアフリカ全体で301あったフィンテックの企業が現在では491まで増えている。

特に南アフリカ、ナイジェリア、ケニアの3ヵ国には企業が多く、この3ヵ国だけで320社の企業がある。これはアフリカ全体のフィンテックスタートアップ企業のうち65.2%を占めている。

この3ヵ国の中で最も多くの企業が集まっているのが南アフリカで、141社が存在している(2019年時点)。

他にもウガンダ、ガーナ、エジプトでは大きく企業数が伸びており、競争はアフリカ全土に広がりつつある。

現在の市場の問題点

暗号通貨全体の不安定性は注意すべき点と言える。暗号通貨は、全体で2018年1月から12月までの間に約8,000億ドルから約1,000億ドルまでその価値を下げたが、その後5ヶ月間で約2,500億ドルまで回復しており、乱高下が激しいものになっている。

また、南アフリカの暗号通貨取引所では、暗号通貨の取引に関して利用者の身元確認を要件としておらず、安全性の確保が課題となっている。

参照元:
https://sacrypto.co.za/valr-announce-zar-trading/
https://www.itweb.co.za/content/kYbe97XxaVX7AWpG
https://www.forbes.com/sites/tobyshapshak/2019/06/29/africas-fintech-ecosystem-raised-320m-and-grew-60-in-two-years/#45ec1f377226

Valrの強み

Valrの強みとなるサービスの大きな特徴は、強固なセキュリティ及び紹介報酬制度である。

紹介報酬制度

Valrは利用者に対して紹介報酬制度を定めており、利用者は知人などを一人紹介するごとに最大で1,500ランドの報酬を得ることが可能になっている。また、紹介するごとに取引手数料の割引が適用され、紹介人数が多いほど割引率が高くなる。

強固なセキュリティ

また、Valrは特にセキュリティに力を入れている。利用者は取引用のアプリを利用する際に氏名・住所・パスワードといった一般的な情報の他、運転免許証やパスポートといった身分証明書の顔写真を求められる。

さらにテスト用の短い映像撮影を経て本人確認を実施、AIが本人と認証した場合にのみ取引が許可される。これらの手続きに約5分を要するが、このスピードは世界最速レベルである。

さらに、利用者は自分名義の銀行口座からしかValrのウォレットに資金を入出金することができないようになっている。

なお、資金の入出金については銀行と連携しており、例えば平日であれば、9:00、13:00、17:00と1日に3回入出金を処理しているため、スピーディな対応をすることが可能である。

社内での内部統制

その他にもValrは内部統制を徹底しており、利用者の資金を動かすためには必ず複数人数による認証が必要な仕組みを取っている。

CEOにすら単独で資金を動かす権限は与えられていない。また、Valr自身は暗号通貨を保有しないこととしている。

Valrのサービスにおいては、利用者の暗号通貨は2種類の格納先で保管される。一つは「コールドストレージ」で、これはオフラインで管理されている。

物理的に別々の場所で管理される上に、ビデオ監視やアクセス制御などのセキュリティを設けて不正を防ぐ仕組みを取っている。

もう一つは「ホットウォレット」で、こちらはオンラインで管理される複数の認証が必要な保管先となっている。

参照元:
https://www.itweb.co.za/content/kYbe97XxaVX7AWpG
https://www.valr.com/

競合について

Luno

創業者: Marcus SwanepoelとTimothy Stranexによる共同創業
2013年:創業
2015年:4300万ランド(約300万ドル)を調達

Lunoは南アフリカのケープタウンに本社を置く暗号通貨取引所の運営会社である。2013年の創業以来拡大を続けており、現在では40ヵ国以上に展開している。顧客数は250万人を超えており、これまでに8億ドル以上の取引を扱ってきた。取り扱い通貨はビットコインとイーサリアムの2種類。

2013年と業界としては比較的早期に暗号通貨の取り扱いを始めたことや、Google・Amazon・Barclaysなど世界のトップ企業で働いてきた技術者を擁していることなどから、早いスピードで世界へ拡大してきている。また、2015年に南アフリカ最大級の投資会社Naspersから4,300万ランド(約300万ドル)を調達している。

参照元:
https://www.luno.com/en/
https://uk.linkedin.com/in/marcusswanepoel

Lunoは早い段階で暗号通貨の取り扱いを始めており、既に世界各国に展開しているが、取り扱いしている暗号通貨の種類は2種類だけとなっている。

これに対してValrは後発である反面、取り扱いしている暗号通貨の種類が50種類以上と圧倒的に多い。

Valr優位性

Valrは取り扱い暗号通貨種類の多さに加えて紹介報酬制度を定めているが、紹介報酬制度について定めている取引所は多くない。

また、Valrはオンラインとオフラインの二重セキュリティを備えており、安全性の確保については他の取引所よりも力を入れている。

この他、暗号通貨と対ランドの取り引きにおいては、Valrが取り扱う取り引きの手数料が最も安いものになっている。

今後の展開

CEOのFarzam Ehsaniは、SA Cryptoのインタビューで、今後はさらに暗号通貨の取り扱い種類を増やし、取引所を世界へ拡大していくと話している。

参照元:
https://www.youtube.com/watch?v=kPV0Dnx6nwM&t=19s

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