『Gozem』トーゴ発の西アフリカのタクシー配車アプリ

Gozemはタクシー配車アプリを手掛けるスタートアップである。ナイジェリア出身のEmeka Ajene氏とシンガポール出身のRaphael Dana氏が共同創業で 2018年にトーゴで事業開始し、2019年からベナンにも事業展開している。

サービス概要

Gozemのサービスは、目的地までのタクシーを探している乗客(需要)と登録された近隣のタクシードライバー(供給)をスマホのアプリを介して繋ぎ、効率的な配車を行うものである。「(同じタクシー配車アプリの)UberやGrabの西アフリカ版」といったイメージである。

ユーザーが乗客として登録する場合は「Gozem」というアプリを、ドライバーとして登録する場合は「GoZem for driver」というアプリをそれぞれダウンロードする。いずれも登録料や年会費などはかからない。

なお、乗客向けアプリは英語版とフランス語版があるが、ドライバー向けアプリはフランス語版のみである(2020年7月時点)。

企業基本情報

起業家情報

代表:Emeka Ajene
出身:ナイジェリア
学歴:University of Michigan
生年月日または年齢:不明

代表: Raphael Dana
出身:シンガポール
学歴: Northeastern University
生年月日または年齢:不明(1995年に大学卒業)

会社概要

企業価値:非公開
サービス提供国:トーゴ・ベナン
従業員数:非公開
ホームページ:http://gozem.co/en/
推定資金調達額合計:USD300万
住所:6 Raffles Quay, #11-07 Singapore, 048580

事業沿革

  • 2018年6月 Reengine Ventures(*1)およびPlug and Play Tech Center(*2)の出資を受け、トーゴで事業開始
  • 2018年11月 ユーザーは約13万人、登録ドライバー数800人
  • 2019年7月 ベナンへ事業拡大
  • 2019年12月 ユーザーは約25万人、登録ドライバー数1,300人

(*1) Reengine Ventures
シンガポールのベンチャーキャピタル。共同創業者のDana氏の前職でもある

(*2) Plug and Play Tech Center
シリコンバレーに拠点を置く、初期段階の投資家向けのプラットフォーム

市場背景

シンガポールをはじめとする東南アジア地域は、これまでGrabとGo-jekと呼ばれる2つのタクシー配車アプリが普及しており、彼らはそれらを通じてノウハウを蓄積していた。

一方で創業者のEmeka Ajene氏は、同じくタクシー配車アプリであるUberに2016年まで在籍しており、自身でもタクシー配車アプリの経験と知見を持っていた。

同氏は東南アジアの環境と西アフリカ地域の環境の共通点に着目して「Grabのようなサービスを西アフリカに普及できるのではないか」と考え、同じ考えを持ったRaphael Dana氏と出会ったのが事業の始まりである。

彼らが注目した東南アジアと西アフリカの共通点とは、スマートフォンが人々の間で普及している点や、町中に非公式のバイクタクシーが大量に存在する点、そしてタクシードライバーの稼働率の低さである。

西アフリカ地域において、タクシードライバーは労働時間の約2/3を乗客探しや待ち時間に費やしており、それによる彼らの収入の伸び悩みが起きていた。

これらに対して両氏はGozem、つまりGrabやGo-jekのようなスマートフォンでタクシーと乗客を繋ぐプラットフォームによる解決を図った。実際に、Gozemを導入したドライバーの乗客探しや待ち時間が減り、導入前の3倍以上の収入増に成功しているドライバーもいる。

サービス詳細

ユーザーはまず個人のスマホでGozemのアプリをダウンロードし、名前・電話番号・メールアドレスなどの個人情報を登録する。一通り完了するとSMS経由でスマホに4桁のコードが送られ、それを入力すると登録完了。

タクシーを呼ぶ際はアプリを立ち上げて地図から現在地(乗車したい場所)と目的地を登録し、希望の車種を選択する。

車種は、4人用の普通車タクシー・3人用の三輪タクシー・1人用のバイクタクシーから選ぶことができる。ちなみに、普通車でエアコン付きの「Clim+」という種類を選ぶこともできる。

その後、料金支払いの方法を現金・クレジットカード・モバイルマネーから選ぶと近隣のタクシードライバーに通知が行く。ドライバーが承認すると予約確定となり、配車される。

また目的地までの経路と現在地はドライバーのスマホに表示され、カーナビの役割を果たす。ユーザー側の視点では、この機能によってドライバーが目的地に向かっているかを確認できるため、安心感につながる。

今後の展望

2019年12月時点でGozemのダウンロード数は25万件を超え、登録されているドライバーは約1,300人。しかし、とくに創業当初はドライバーの経歴やレベルには大きな差があった。

レベルの違いは彼らの運転スキルのみでなく、教育レベルやリテラシーの水準にもおよぶ。Gozemは彼らに対して継続的な教育を行い、サービスレベルの平準化を図っている。

創業者のAjune氏は、この先5年間でドライバーを30万人まで増やす計画を語っている。彼らは展開国の拡大も構想しており、現在は西アフリカのナイジェリア・ブルキナファソ・カメルーン・コートジボワール・ガボン・マリ・セネガルへの進出を検討している。

また同氏はGozemの「アフリカにおけるSuper app化」という構想にもとづいたサービスメニュー拡大も描く。

現在の配車サービスに加えて、将来的には食料品や小包のラストワンマイル(最終拠点からエンドユーザーへの物流サービス)配送やモバイルバンキング等の事業も手掛けていく。

「物流と交通と支払いはアフリカで今後より重要になるインフラ。Gozemはまだ第一段階です」とAjune氏は語っている。

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