『SafeBoda』バイクタクシーと顧客を結ぶマッチングサービス!

SafeBodaは安全をキーワードに、配車アプリを使ったバイクタクシーを提供するウガンダ生まれのスタートアップだ。

ウガンダで高い信頼性と便利さを兼ね備えたブランドイメージを確立したSafeBodaは、今アフリカの諸都市への展開を推し進めている。

サービス概要

東アフリカではバイクタクシーをボダボダ(boda boda)と呼ぶ。年々悪化するウガンダの首都カンパラの渋滞をすり抜けてゆくボダボダは、時に危険な運転をして事故を起こす。

また、多くのボダボダドライバーは運転免許も持たず、身元も不確かだった。カンパラで生まれたSafeBodaは、その名のとおり安全性を重視したバイクタクシーサービスとしてこの問題に取り組む。

最も重要な安全運転のために、SafeBodaは8,000人を超える自社ドライバー全てに、交通安全研修の受講と、交通規則遵守、バイクの適切なメンテナンスを義務付けている。

装備面でも、乗客用のヘルメットを用意する他、ドライバーの番号と名前が記載されたベストとヘルメットで身元確認が容易にできるようにすることで、乗客の信頼を得ている。

さらに、Uber式に乗客がSafeBodaのバイクタクシーを呼ぶことができるアプリを導入したことで、利便性を向上させるとともに、ドライバーの評価や料金の公平性の確保にも力を入れている。

企業基本情報

起業家情報

代表:Rapa Thomson Ricky (共同設立者)
出身:ウガンダ
学歴:不明
年齢:30歳(2019年時点)

代表:Maxim Dieudonne(共同設立者)
出身:ベルギー
学歴:金融・経済学士
生年月日または年齢:不明

代表:Alastair Sussock(共同設立者)
出身:イギリス
学歴:オックスフォード大学経済学修士
生年月日または年齢:不明

※参照元:
https://safeboda.com/ug/index.php/about-us

会社概要

サービス提供国:ウガンダ、ケニア
従業員数(2019年1月、ウガンダ):200名、契約ドライバー数8,500名以上
ホームページ: https://safeboda.com/ug/
推定資金調達額合計:$1.3M以上

※参照元:
https://observer.ug/businessnews/59751-from-boda-boda-rider-to-business-empire-amazing-story-of-safeboda

事業沿革

  • 2014年11月 サービス開始
  • 2015年4月 会社設立(登録名Guiness Transporters Ltd.)
  • 2016年4月 Global Innovation Fund(※1)から転換社債にて$0.23M調達
  • 2018年1月 シリーズAラウンドとして、$1.1Mを調達したと推定される
  • 2018年7月 ケニアに進出
  • 2018年末  スペイン・バルセロナにソフトウェア開発の拠点を設置
  • 2019年5月 シリーズBラウンドとして、ドイツのAllianz X(※2)とインドネシアのGo Ventures(※3)から資金調達(内容非公開)
  • 2019年5月 ナイジェリアへの進出計画の報道

※1 Global Innovation Fund は英、米、豪、南ア、スウェーデン等の支援を受けた社会開発ファンド
※2 Allianz X は世界有数の金融グループAllianz のデジタル投資部門
※3 Go Ventures はインドネシアの新興企業 GoJeK のベンチャーキャピタル部門

※参照元:
https://www.crunchbase.com/organization/safeboda
https://www.globalinnovation.fund/investments/safeboda/
https://www.sautitech.com/startups/allianz-x-gojek-invest-safeboda/
https://www.allianz.com/en/press/news/financials/stakes_investments/190507_Allianz-X-co-leads-investment-in-SafeBoda.html
https://abp.co.jp/perspectives/business/20195_1.html

設立までの背景

創業者の背景

Rapa Thomson Ricky (共同設立者)

警備員やボダボダドライバー、ツアーガイドの会社立ち上げなどを経て、Maxim Dieudonne、Alastair Sussockと共にSafeBodaを設立。Rapa Thomson Rickyは、SafeBoda設立の動機について次のように語っている。

“私は、この業界の誰もが見たことを目撃しました。 ボダボダ関連の事故でとても仲の良い友人を亡くしたのです。 彼は私が一緒に親しく働いたことのある人物であり、私がお金を稼ぐのを手伝ってくれたり、一緒にビジネスをしたこともあります。彼を失った時、私は何かをする必要があることを知りました。”

“I witnessed things that any other person in the industry would have also seen. And among these things, was the loss of a very good friend in a boda boda related accident. He was someone I used to work with so closely, he used to help me make money, we used to do business, and once I lost him, I realized something needed to be done,”

※引用元:
https://observer.ug/businessnews/59751-from-boda-boda-rider-to-business-empire-amazing-story-of-safeboda

Maxim Dieudonne(共同設立者)

東アフリカで小規模農民に支援を提供するNGO:One Acre Fundに長く在籍し、ルワンダで活動。Rapa Thomson Rickyにはカンパラへの週末旅行で知り合う。ブリュッセルのデロイト(会計事務所)でM&Aに携わった経験も持つ。

Alastair Sussock(共同設立者)

ルワンダで政府への経済アドバイザーをしていた頃の、Maxim Dieudonneの知人。開発途上国に興味を持ち、MaximとRickyのアイデアに熱中し共同設立者として参画。

※参照元:
https://safeboda.com/ug/index.php/about-us

市場背景

もともとカンパラでは乗用車を使用したタクシーは少なく、他に利用できる公共交通機関は乗合のミニバス(ミニバンに十数人が乗る)とボダボダがあるのみだった。

近年は渋滞が悪化し、ミニバスは時間が読めずルートも限られているため、料金が安いという魅力はあるものの利便性はとても悪い。

一方のボダボダは事故が多く、人口150万のカンパラには8万人のバイクドライバーがいるとされるが、ヘルメットの着用率はわずか30%程度で、乗客がヘルメットを使用することはほとんどない。

その結果、カンパラの病院で治療された負傷者の実に40%はオートバイのドライバーに起因するという調査もある。彼らの多くは運転免許も持たず、無謀な運転をするためだ。

また、ボダボダは夜間になると捕まえることが難しいことに加えて、ボダボダドライバーによる強盗も珍しいことではないため、夜間は信頼できるドライバーを確保することが必須で、街中の移動はとても不便な状況だった。

そんな中、安全を重視してアプリ一つで呼び出せるSafeBodaのようなサービスがローンチされた。

※参照元:
http://entre-africa.jp/jun_ito/7640.html
https://www.globalinnovation.fund/investments/safeboda/
http://inspireafrika.com/en/safeboda-the-safe-motorccycle/
https://www.technologyreview.jp/s/35914/ugandas-uber-for-motorcycles-focuses-on-safety/

サービス詳細

SafeBodaの利用方法は、スマートフォンにダウンロードした専用アプリに目的地を入力し、料金を確認してからオーダーするという一般的な配車アプリと同様である。

※SafeBodaホームページより引用

SafeBodaのドライバーは必ず乗客用のヘルメットを用意している。また、使い捨てのヘアネットも用意し、髪の乱れや衛生面にも配慮している。

料金と支払い方法

近年増えてきた乗用車タクシーと比較して、バイクタクシーの料金は半額程度である。カンパラの市街地であれば、US$1前後の価格で移動できる。

料金は現金で支払うこともできるが、SafeBoda creditというキャッシュレスの支払い方法を使えば、釣り銭の心配をせずにサービスを利用できる。

また、キャンペーンの場合にもキャシュレスなら手軽に値引きを受けることができる。

収益モデル

SafeBodaはドライバーの登録の際にUS$55と、アプリで予約した1回の乗車料金の15%を手数料として受け取っている。

当初はアプリの不備や、路上のボダボダを直接呼びとめるウガンダ人の習慣から、アプリ経由の収入はわずかだった。

しかし、2017年の5月に1日あたり1,000回を目指していたものが、翌年8月には40,000回を超えるアプリ経由の乗車が発生しており、急速な規模の拡大が見て取れる。

※参照元:
https://safeboda.com/ug/
https://www.sautitech.com/startups/ride-hailing-apps-kampala-fare-discounts/
https://techpoint.africa/2018/08/16/safeboda-east-africa/
https://www.technologyreview.jp/s/35914/ugandas-uber-for-motorcycles-focuses-on-safety/

競合について

カンパラではSafeBodaがサービスを開始してから、大手のUberやエストニア発の配車サービスTaxifyが最初は自動車のタクシーで、その後2018年頃からバイクタクシーにも参入した。

他にも、Dial Jack、PikiMe、Mondo Rideといった競合が出てきたため、激しい価格競争が起こっている。

SafeBodaと同様に他の競合もドライバーへの安全教育や、乗客へのヘルメットの貸し出しなども始めているため、サービス内容の差も縮まってきたと言える。

だが、カンパラでは先発のSafeBodaは、多数のドライバーを抱えていることやこれまでに確立したブランド力により、大手のUberやTaxify を相手に善戦している。

しかし、ウガンダに限らず経済成長が著しく渋滞もますます悪化していくアフリカの主要都市では、バイクタクシーの需要は多い。

これまで新しいバイクタクシーのスタイルをリードしてきたSafeBodaだが、今後の国際展開では激しい競争に晒されることになるだろう。

※参照元:
https://www.sautitech.com/tech/ride-hailing-companies-kampala/
https://www.sautitech.com/startups/ride-hailing-apps-kampala-fare-discounts/
https://www.dignited.com/26966/uber-vs-taxify-vs-vs-safeboda-uganda-prices-and-feature-comparison/
https://techcrunch.com/2018/03/30/uber-and-taxify-are-going-head-to-head-to-digitize-africas-two-wheeled-taxis/

サービス拡大の秘訣

経済の発展で渋滞がますますひどくなる中、一名で利用する場合の利便性という観点からは、バイクタクシーの優位性は当面の間は揺るがないだろう。

そんな状況でSafeBodaは、それまでバイクタクシーを利用したくとも安全性の懸念から敬遠していた乗客を取り込み、さらに、アプリの導入による利便性の向上によって成功を掴んだ。

また、トレードマークのオレンジ色のベストとヘルメットは、SafeBodaドライバーの安全運転の評判とともに、宣伝とブランド確立の役割をも果たしてきたと言える。

このように、交通安全についての意識が希薄だったウガンダで、ボダボダドライバーのコミュニティーを作り上げて安全教育を行い、プロ意識を持ったドライバー集団を作り上げることができたのは、地元出身でボダボダドライバーの経験もある設立者がいたからこそできたことだ。

SafeBodaはそれに加えて、金融や経済に長けた2人の共同設立者との協力により成長してきた事業である。

※参照元
http://entre-africa.jp/jun_ito/7640.html
http://entre-africa.jp/jun_ito/7753.html
http://entre-africa.jp/yuichi_aiki/8201.html

積極的な国際展開

2018年に進出したケニアの首都ナイロビでは、6ヶ月で600人以上のドライバーを確保し、順調な滑り出しをした。

ここでもUber、Taxifyを初めとする競合との競争に晒されているため、積極的な価格攻勢で事業の拡大を目指している。

次の進出先に予定されるナイジェリアについては、まず人口1,400万もの最大都市ラゴスに進出の後、他の都市にも展開すると噂されている。

この点はカンパラ、ナイロビと首都に限って展開してきたこれまでとは異なる動きである。

また、共同設立者のRapa Thomson Ricky が、「今後アフリカの20の都市をカバーしたい」とインタビューで述べているとおり、SafeBodaは今後の国際展開を見据えて、アプリ開発のための拠点をスペインのバルセロナに設置している(2018年末)。

※参照元:
https://www.dignited.com/46425/safeboda-to-launch-in-nigeria/
https://www.reuters.com/article/uganda-transportation/ugandas-safeboda-ride-hailing-service-hopes-to-expand-across-africa-idUSL8N1WQ2A8
https://landing.jobs/at/safeboda/ios-software-engineer-in-barcelona-2019-6

今後の展開

UberやTaxifyなど国際展開している大手との競合でSafeBodaが勝ち残っていくためには、利便性や安全性の向上の他に、積極的な価格戦略も必要だ。

SafeBodaも積極的な料金攻勢に出てシェア拡大に努めているが、シェア確保の反面、適切な採算性の確保は今後の課題である。

これに対し、Maxim Dieudonne共同設立者は、カンパラを含め、すでに進出済みのケニアのナイロビ、計画中のナイジェリアのラゴスなどアフリカ各地の都市で成長できれば、うまくいくはずだと述べている。

※参照元:
https://www.technologyreview.com/s/604013/ugandas-uber-for-motorcycles-focuses-on-safety/
https://www.sautitech.com/startups/safeboda-reveals-next-country-it-is-expanding-to-after-kenya/

最新情報をチェックしよう!