『SolarNow』電気のない農村部に太陽光発電を販売!

SolarNowはオランダに本部を持ち、ウガンダを中心に活動を行っているスタートアップである。現在、ウガンダの家庭と事業者双方に対して、手ごろで高品質な太陽光発電システムと家電製品などを提供している。

SolarNowが提供している太陽光発電システムには、再生可能エネルギーを活用して二酸化炭素の排出量を削減する利点もあり、ミレニアム開発目標(MDGs)のターゲット7.A(*1)も充たすサービスとなっている。

(*1)ターゲット7.Aとは
2000年9月にニューヨークで開かれた会議で、貧困を削減目指している。8つの貧困撲滅目標(ターゲット)を達成するための具体的な行動計画が設定されている。このうち7Aは「持続可能な開発の原則を各国の政策やプログラムに反映させ、環境資源の喪失を阻止し、回復を図る」としている。

参照:https://imacocollabo.or.jp/about-sdgs/17goals/

サービス概要

電気のない環境で生活を送り経済面でも困難な状況にある多くのウガンダ人に対し、低所得層の家庭のニーズに合った再生可能エネルギーを提供することに重点を置いている。

サービス面では、電力やソーラーパネルの追加・交換が可能で、50W~500Wの家庭用太陽光発電システムを販売している。

サービス面の柔軟性に加え、送料無料でかつ2年間の完全保証がついており、支払方法の選択もできることから利用者は各々のニーズに合ったサービスを選ぶことが可能になっている。

企業基本情報

起業家情報

代表:ウィレム・ノーレンス (Willem Nolens)
出身:オランダ
学歴:INSEAD経営大学院 (社会起業家プログラム (Social Entrepreneurship Program))
年齢:不明
略歴: Willem Nolensはアフリカで20年近く、特にマイクロファイナンスと再生可能エネルギーの分野で社会的企業を立ち上げ、運営してきた実績がある。彼は複数のマイクロファイナンス事業者設立に共同事業者として関わってきた。2010年、彼は当時一地方のエネルギー提供会社をSolarNowに社名を変え、それを機に同社のCEOに就任した。

会社概要

サービス提供国:ウガンダ、ケニア
従業員数:500~1000人
ホームページ:https://www.solarnow.eu/
推定資金調達額合計:$29.2M

事業沿革

  • 2011.5 ウガンダで創業
  • 2011.8 ウガンダ地方電化庁(Uganda Rural Electrification Agency)の承認を受け、世界銀行が資金を提供する1世帯あたり最大$250の家庭用太陽光発電システム補助金制度が適用されることになった。
  • 2014.10 $2.5Mの資金調達を発表 Acumen Fund(*2)とNovastar Ventures(*3)社から調達)
  • 2016.5 $2Mのデットファイナンスによる資金調達を実施 SunFunder社(*4)から借り入れ
  • 2017.10 $6Mのデットファイナンスによる資金調達を実施 OikoCredit International社(*5)など3社から借り入れ
  • 2017.12 $9MのシリーズBラウンドでの資金調達を発表 Novastar Ventures(*3)とRoyal Dutch Shell(*6)から調達
  • 2019.1 $9Mのデットファイナンスによる資金調達を実施SunFunder(*4)社から借り入れ

※参照元
https://www.solarnow.eu/our-story/#toggle-id-1
https://www.crunchbase.com/funding_round/solarnow-series-unknown–fba88f95#section-overview
https://www.lendahand.com/en-EU/borrowers/33-solarnow-uganda

※注記
(*2)Acumen Fundとは
Rockefeller財団、Cisco Systems財団、そして慈善事業家3名が中心となり、2001年にアメリカで設立された非営利のグローバルベンチャーファンド。

(*3)Novastar Venturesとは
2014年にアフリカの開発支援を目的に設立されたベンチャーキャピタル

(*4)SunFunder
太陽光エネルギー発電事業を行う事業者を資金面でサポートしている投資会社

(*5)OikoCredit International社
1968年に世界教会協議会のメンバーを中心に発足した投資会社。貧困などに苦しむ地域と日々とへの支援を中心に活動

(*6)Royal Dutch Shell
オランダに本拠地を置くエネルギー事業会社で、石油事業やガス事業で有名。近年は太陽光発電 、風力発電、水素プロジェクトなどにも着手している。

設立の背景

ウガンダでは、人口3700万人のうち84%にも及ぶ人たちが電気のない環境で生活し、1日2ドル以下で生活している。多くの人々は、家庭の照明や夜間に店を営業するための電力を得るために、灯油などの再生不可能なエネルギーに依存している。

Willem NolensはSolarNow設立の背景について以下の様に語っている。

“貧困は公平ではない。私達はみな裸で何も持たずに産まれてくる。人生でほとんど何かを得る機会がない人たちがいる一方で、世界は自分たちのものだと傲慢に振舞う人たちがいるのは不公平だと感じている。”

“Poverty simply isn’t fair. Full stop. We’re all born the same: naked without any possessions. I feel it’s unfair that some people in the world get so little chances, whereas others have the arrogance to think the world is theirs.”

“私達の世代は3つのチャレンジに直面している。化石燃料の減少、温暖化、そして貧困である。SolarNowはこれら3つ全てに取り組んでいる。太陽光エネルギーは、より良い教育と民主化の実現を支援すると同時に、遠隔地にも好影響を与える。このビジネスモデルには、勝者しかいない。”

“Basically, our generation is confronted with three major challenges: diminishing fossil fuels, global warming and poverty. SolarNow addresses all three. Solar energy supports better education and even democratization, as people in remote areas are better informed. This business model only has winners.”

経済的な問題がない人たちの間でも、ウガンダの太陽光発電システム市場は、品質の悪い製品と粗雑な取り付けによって信頼を失っていた。

杜撰なサービスによって失った太陽光発電システムへの信頼を勝ち取るための仕組みを構築することも、事業者にとっての必須事項だった。

サービスの詳細

太陽光発電の販促、販売、システムの取り付け、アフターサービスは、SolarNowと提携するフランチャイズの販売店46社が担当している。そして、利用者は銀行やモバイルマネーを通じて、SolarNowに支払を行う。

SolarNowの事業は以下の4つに分類される。

家庭向けソリューション

電池とソーラーパネルに電球3つと懐中電灯が提供されるだけの簡素なサービスになっている。これに、電池やパネルの質を良くする、あるいはテレビ、アイロン、冷蔵庫などを購入するといったオプションを付けることもできる

小規模事業者向けソリューション

家庭向けソリューションと同じサービスを提供しており、事業者向けに光熱費を軽減するなどを行うことで彼らの事業をサポートしている。

農業向けソリューション

太陽光発電による送水ポンプを提供することで、農家に対して安定した水の供給ができるようにサポートしている。農家にとっては水に掛かる費用を削減できるだけでなく、トラックによる高価な水の運搬に依存しないで済むメリットがある。

事業者向けソリューション

このサービスは事業者のオフィスや診療所、そして学校を対象としたもので、最も質の高いソーラーパネル4枚と電池4つが提供される

与信管理

また、SolarNowでは、顧客を評価する信用調査担当者を採用することで、支払い能力のある顧客を選別している。

信用調査の実施後、太陽光発電システムは24か月の保証付きで販売され、利用者は一括か分割払いかを選択できる。利用者が25%の頭金を支払う と、14日以内にシステムが配送され、取り付けが行われる。

そして、30日以内と3 か月以内に一度ずつ、取り付け現場での アフターサービスを実施している。

サービスのメリット

手頃で品質の良い太陽光エネルギーを利用できるようになったことで、利用者には多くの利点がある。

まず、従来の灯油などを使った再生不可能なエネルギーと比べてランニングコストが安いため、日々の貯蓄ができるようになった。また、夜でも明るい環境で過ごせるようになった。

そして、太陽光エネルギーのある生活は、ウガンダの人々の生活を改善した。 Nolens氏は言う。

メアリーは美容師で、非効率的で不快な出来の編込み用ブレードを使用するのに1日1$費やしていた。2つの電気クリッパーが付随したSolarNowのシステムを1か月$24で使用することで、カットの機会を以前と比べて1日当たり30%も増やすことができるようになった。それによって、彼女の月間純利益は$119から$162に増えた。彼女は2年間で完済し、より多く稼ぐはずだ。

Mary is a hairdresser who used to spend around $1 per day on blades, providing an inefficient and unpleasant service. A SolarNow system with 2 electric clippers costs her $24 per month and enabled 30% more shaves per day. Her monthly net income increased from $119 to $162. In 2 years, she will have finished payment and earn even more.

太陽光エネルギーの利用は、利用者だけでなく以下の点で社会全体にも好影響を与えている。

持続可能な開発

SolarNowはウガンダの人々に対して、長期的に安価なだけでなく地球環境にも配慮したエネルギーを提供している。

生活レベルの改善

より安定した電力の供給によって、地方の生活レベルが上がると同時に、もう2度と停電になることがない。以前は電力が安定せず妊婦の出産も困難だったが、SolarNowのシステムによって24時間いつでも安心してできるようになった。

社会生活の改善

SolarNowは地元の住民たちでも余裕をもって返済できるクレジット方法を提案することで、住民や彼らの子供たちにより良い未来を提供している。安定した電力があることで、子供たちは潜在能力を発揮する環境を得ることができる。

地域経済の改善

より安価で安定供給が可能な電力を得る事で、ウガンダの事業者たちは費用を軽減し、より効率的かつ信頼性の高い業務を行うことができるようになり、それが地域の発展につながる。

事業規模

2011年の創業以来、ウガ ンダで3,700台以上の家庭用太陽光発電 システムを販売し、14,500に及ぶ家庭や事業者が利用している。

SolarNowはウガンダ国内に46のフランチャイズ販売店を通じてシステムを販売し、2018年度の売上は$5M。

※引用元
https://www.crunchbase.com/organization/solarnow#section-competitors-revenue-by-owler
https://www.zoominfo.com/c/bitpesa/405838633

競合事業者

直接の競合は、SolarNowと同様に再利用可能エネルギーを提供するZola Electric (タンザニア)、Egg Energy(アメリカ)、M-KOPA(ケニア)が考えられる。

このうちZola Electricは、シリーズDファンドやデットファイナンスなどを通じて既に$239.1M、M-KOPAはシリーズDファンドなどを通じて$161.8M資金調達している。

※引用元
https://www.crunchbase.com/organization/off-grid-electric#section-funding-rounds

今後の展開

2018年11月から、SolarNowはウガンダとケニアで屋上太陽光発電システムのテストを行っている。従来の家庭用太陽光発電と違い、屋上太陽光発電システムは日中の発電コストを軽減できるとともに、電池が必要ないため初期投資費用を軽減することもできる。

屋上太陽光発電システムは4年で採算が取れるシステムで、ウガンダのオランダ大使館で採用されている。

※引用元
https://www.solarnow.eu/introduction-of-solar-rooftop-systems/

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