『DocsApp』地方・農村の医療アクセス問題を解決!良質な医療を1億人に

DocsApp(ドックスアップ)は、「良質な医療を1億人にアクセス可能に」をミッションに掲げ、医師・医療機関不足の地方や農村部、深夜の緊急診療、セカンドオピニオンを求める患者などに、容易に医療にかかることを可能にした、インドのスタートアップである。

サービス概要

オンランで24時間医師の診察をうけることができる。現在の利用者は約300万人、5千人以上の医師が登録しており、婦人科、皮膚科、循環器科、 消化器科、小児科等、幅広く対応している。

英語を含め22の公用語が定められて、出身地や地域によって使用される言語が異なるインドにおいて、現在は英語の他7つの言語に対応している。

また、薬の配達や提携している3000件以上の各検査機関の受診予約・自宅でのサンプル採取予約にも対応している。

企業基本情報

起業家情報

代表:Satish Kannan(サティシュ・カナン)
出身:インド
学歴:Indian Institute of Technology (IIT), Madras
年齢:30(2019年時点)

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:インド
従業員数:約100名
ホームページ:https://www.docsapp.in
推定資金調達額合計:$10M(2019年時点)

事業沿革

  • 2015.07 ケータイ用アプリDocsApp開始
  • 2016.04 計$1.2Mをインド人投資家Anand RajaramanやVenky HarinarayanやベンチャーキャピタルRebright Partnersより調達
  • 2017.12 シリーズA(※注記1)にて計$7.2MをBessemer Venture Partners (BVP)、ベンチャーキャピタルのテクマトリックスやDeNaから調達
  • 2019.05 ベンチャーキャピタルのInnoVen Capitalより$1.6M調達

(※注記1)スタートアップ企業の投資ラウンドの一つで、シリーズA は成長ステージ段階での資金調達

※参照元:
https://www.linkedin.com/company/docsapp/about/
https://blog.docsapp.in/we-are-4-years-old-our-story-so-far/
https://inc42.com/buzz/docsapp-funding-innoven-capital-healthcare/
https://craft.co/docsapp-consult-a-specialist-doctor-in-30-minutes

設立までの背景

創業者の背景

カナンはIITマドラス大学の同級生Enbasekar D(エンバスカル)とともに、学生時代、さまざまなプロジェクトに取り組んでいたなかで、今日の医療問題はオンランで解決できると考え、そのコンセプトを実現するべく、共同で取り組み始めた。

卒業後、カナンはPhilips Healthcare、エンバスカルは大学付属の研究所に就職し、ともに医療関連に携わっていたが、自分たちで医療事業をはじめることに合意。

複数の医師や病院の待合室で患者を観察し、インドの医療課題を理解した二人はその課題解決に挑戦することを決意し、退社し。2015年DocsAppが誕生した。

利用者のターゲットは、病院に行く時間がなかなか取れないビジネスマン・ウーマン、性科学科・精神科などの専門機関訪問にためらいがある人々、専門医療機関に物理的にアクセルが難しい地方や農村部の人々、セカンドオピニオンを求める患者など。

良質な医療に誰にでも、容易にアクセスできることを目指している。インドで多く利用されているメッセンジャーアプリWhatsApp(ワッツアップ)同様、気軽に簡単に利用してもらいたいとの思いから、DocsAppと命名された。

市場背景

現在2800億ののインドの医療市場は、2022年までに$3720億までに成長されるとされているが、調査によるとインドでは60万人の医師と200万人の看護師が不足されているとされる。

WHOの調査によると、インドの政府系病院では患者と医師の比率は1:1600(WHO推奨比率は1:1000)。

また、現在もインドの90%の医師は、インド全体人口の10%しか住んでいない10都市に集中しており、地方や農村の人々は医療機関へアクセスすることが物理的に難しく、社会課題となっている。

問題点

カナンは「外来の70%はオンラインで解決されるはずなのに、患者も医師にオンライン診察の可能性や存在が浸透していない。また、医師の信ぴょう性や個人情報・データ管理の安全性に不安を覚える人が多いのも現実。また新しい技術(スマホアプリ)に不慣れで使いこなせない人が多いのも課題だ」とインタビューで語っている。

※参照元:

https://yourstory.com/2018/03/medical-consultation-app-docsapp-wants-go-2k-10k-consultations-day-2018-end
https://www.ibef.org/industry/healthcare-india.aspx
https://www.export.gov/article?id=India-Healthcare-and-Medical-Equipment
https://economictimes.indiatimes.com/industry/healthcare/biotech/healthcare/india-facing-shortage-of-600000-doctors-2-million-nurses-study/articleshow/68875822.cms?from=mdr

https://inc42.com/startups/docsapp-growth-story-2/
https://www.newsbarons.com/healthcare/we-have-over-3-million-app-users-satish-kannan-docsapp/
https://www.newsbarons.com/healthcare/we-have-over-3-million-app-users-satish-kannan-docsapp/

サービス詳細

オンライン診察

ビデオコール、チャットまたは電話にて、24時間、専門医の診察をうけられる。

年齢や性別等の基本情報と症状を入力すると、数分以内に専門医が選任され、30分以内に受診でき、診察後は処方箋が発行される。

診察料の決済デビットカード、クレジットカード、ネットバンキング、各スマホ決済アプリにて対応されており、診察内容に不満足な場合や問題が解決されなかった場合は、全額返金される。

オンライン診察で対応できない内容の場合、専門医は 「Cannot Do Online(オンライン診察不可能)」ボタンをクリックし、診察代は返金される。

診察代は1回399インドルピー(約600円)または899インドルピー(約1,350円)で1年6回まで診察を受けられれる。

メンバーシップ(DocsApp Gold)を購入すると(定価1,500インドルピー=約2,250円)、18の専門医の診察を家族全員が1年間無制限に受けることができ、薬の配達や検査機関の利用の際、割引を受けることができる。

また、健康診断やアルコールの影響チェック、食事管理、体重管理、抜け毛やダイエット、にきび、美白、性に関する問題などのカウンセリング/診療サービスの購入が可能で30日間の継続プログラムもある。

検査・薬配達

各検査機関とも提携しており、検査の予約や、自宅での血液等サンプル採取手配なども可能としている。検査結果はオンラインで閲覧できる。また処方箋に書かれた薬を同じアプリ内で注文し、配達してもらうことも可能。

DocsApp TV

婦人科、皮膚科、循環器科、 消化器科、小児科等のそれぞれの専門医が動画を配信し、情報提供を行っている。

※参照元:
https://www.docsapp.fit/
https://yourstory.com/2019/08/healthcare-medical-startups-curefit-practo-narendra-modi-yoga-gym

競合について

DocsApp以外に、オンライン診察を提供するスタートアップは多数存在する。2017年に設立されたmfineは今日までにすでに$6Mの資金調達に成功し、急成長中だ。

医療機関や医師の検索・予約サービスから始まった2008年に設立のPractoは、や薬の配達、医師向けソフトウェア提供、オンライン診察もおこなっており、すでにフィリピンやインドネシア、ブラジル、ドイツ等インド国外に進出している。

2013年設立のLybrateや2016年設立のMedimetry、2015年設立のNetDocもオンライン診察サービスを提供し、薬配達のスタートアップも多数あるが、インドでISO認証を受けているのはDocsAppのみである。

また、DocsAppは言語の多様性に対応すべく、診察は現在英語を含め8つの言語に対応しており、アプリは17の言語に対応している。

サービス拡大の秘訣

カナンはオンライン医療の将来について、次のように語っている。

「将来的には、病院は70%はオンライン診察と30%のオフライン診察になると思う。外来診察は電話やビデオ電話で簡単にできる。身体検査が必要なときだけ病院に行き、再診やフォローアップたオンラインで可能だ。応急手当てや手術は今後も病院で行われる。今日のDocsAPPは、1日に2000人以上に診察を提供しており、これはどこの病院での診察よりも多い数だ。このことから、まずはオンラインで医療・専門医にアクセスし、必要なときだけ病院に行く世の中になってきていることのあかしだ」

はるばる病院を訪問し、待合室で何時間も待つのが日常茶飯事のインドの医療事情において、祝日や深夜にも関わらず、24時間いつでも、予約をせずに30分以内に診察を受けられるサービスは画期的だといえる。

※参照元:
https://economictimes.indiatimes.com/small-biz/startups/newsbuzz/healthcare-app-mfine-in-talks-to-raise-17-million/articleshow/68788008.cms?from=mdr
https://inc42.com/startups/docsapp-growth-story-2/
https://yourstory.com/2018/03/medical-consultation-app-docsapp-wants-go-2k-10k-consultations-day-2018-end

https://www.business-standard.com/article/news-ani/docsapp-achieves-growth-milestone-crosses-1-million-consultations-118090700811_1.html



今後の展開

スマートフォンやインターネット普及のおかげで、地方や農村部で暮らす人々も、DocsAppでオンラインに医療にアクセスすることが可能になった。

DocsApp利用の60%は地方や農村部からである。現在月々6万件の診察を提供しているが、2020年までに30万件に拡大することを目指しており、近い将来の東南アジア進出を検討している。

DocsAppは地場配車アプリOlaで海外拡張事業を牽引していたAshish Bajaj (アシシ・バジャジ)を2019年8月、マーケティングのトップに迎え入れDocsAppの知名度上昇および市場拡大に注力する。

※参照元:
https://www.newsbarons.com/healthcare/we-have-over-3-million-app-users-satish-kannan-docsapp/
https://www.campaignindia.in/article/olas-ashish-bajaj-steers-into-docsapp-as-head-marketing/453683

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