『ZOMATO』レストランガイドとデリバリーサービスを展開。フード系ユニコーン

ZOMATO(ゾマト)はインド発スタートアップである。現在は5,500万人以上のユーザー、24ヵ国でレストランガイドサービスを展開している。

レビュー、店舗情報、メニューが掲載されているレストランガイドであるほか、フードデリバリーサービス、クラウドキッチン(デリバリー専用キッチンスペースの提供)もおこなっている。

サービス概要

サイトやアプリ上に140万件以上のレストラン情報が掲載されており、毎月280万件以上のフードデリバリーを行っている。

各レストランは規模に応じて利用料を支払うと店舗情報およびメニュー(基本的に料金併記)、写真の掲載、フェイスブックページとの連携、バナー広告を出すことができる。

また、ZOMATOからレストラン運営サポートを受けることも可能。ユーザーは検索のほか、レビューを書くことも可能。また各レストランからフードデリバリーを注文したり、テイクアウトを事前に注文したり、席を予約することが可能。

企業基本情報

起業家情報

代表:Deepinder Goyal(ディペンダー・ゴヤル)
出身:インド
学歴:Indian Institute of Technology, Delhi
生年月日:1983年1月26日

会社概要

企業価値:$10億
サービス提供国:24ヵ国(オーストラリア、 ブラジル、 カナダ、 チリ、 チェコ、 インド、 インドネシア、 アイルランド、イタリア、 レバノン、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、カタール、シンガポール、 スロバキア、南アフリカ、スリランカ、トルコ、アラブ首長国連邦、イギリス、アメリカ)
従業員数:5,000名以上
ホームページ:https://www.zomato.com/
推定資金調達額合計:$600M(2019年時点)

事業沿革

  • 2008.07 同僚だったPankaj ChaddahとともにデリーにてFoodiebayを設立
  • 2010.08 Info Edge Indiaより$1M調達
  • 2010.11 社名をZOMATOに変更
  • 2011.09 Info Edge Indiaより$3M調達
  • 2011.12 サービスエリアをバンガロール、プネ、コルカタ、ムンバイに展開
  • 2012.09 Info Edge Indiaより$2.3M調達
  • 2012.10 ドバイにサービス展開
  • 2013.11 Sequoia Capitalより$37M調達
  • 2015.03 フードデリバリー事業開始
  • 2015.04 予約管理サービスZomato Book開始
  • 2015.09 TemasekとVy Capitalより$110M調達
  • 2017.03 クラウドキッチンサービスZomato kitchen開始
  • 2017.09 物流スタートアップRunnrを買収
  • 2017.12 定額課金サービスZomato Gold開始
  • 2018.03 アリババグループのAnt Financial より計$200M調達
  • 2018.04 B2B向け食品物流センターHyperpureを開始

※参照元:
https://www.vccircle.com/info-edge-invests-23m-more-zomato-ups-stake-485-0/
https://www.tvisha.com/blog/success-story-of-zomato
https://techstory.in/indian-startup-zomato-story/
https://economictimes.indiatimes.com/small-biz/startups/newsbuzz/alibabas-ant-financial-invests-200-mn-in-zomato/articleshow/62758235.cms?from=mdr
https://m.economictimes.com/startup-of-the-year-zomato/articleshow/45066245.cms
https://inc42.com/flash-feed/zomato-launches-table-reservation-service-zomato-book/
https://economictimes.indiatimes.com/small-biz/startups/zomato-announces-runnr-acquisition-in-all-stock-deal/articleshow/60492693.cms?from=mdr
https://www.techradar.com/in/news/zomato-gold-will-become-invite-only-starting-april-28
https://www.livemint.com/companies/start-ups/zomato-to-launch-20-hyperpure-warehouses-in-18-cities-by-next-year-1556565626985.html

設立までの背景

創業者の背景

中流家庭に生まれたゴヤルは、IIT Delhi卒業後、Bain & Coに入社。昼休み時、メニューを見るためだけに長時間待たなければならない同僚たちの姿を目にし、各レストランのメニュー要覧サイトをつくることを思いつく。

会社回りのレストランを中心に調査し、2ヵ月の準備期間を経て、2008年ゴヤルの誕生日にサイトを開設(※注記1)。開設後のゴヤルと妻は、毎週末、各レストランを訪問してはメニューを集め、スキャンしてはウェブに掲載する日々が続く。当時のアクセス数は1日あたり25件ほど。

2008年7月10日、昼休み中、Googleアナリティクスでサイト訪問者数を確認していたゴヤルに、「アクセル数少なすぎるよ。きっと社内の人間しか見ていない。僕にも手伝わせて」と、興味を示した同僚のPankaj Chaddah(パンカジ・チャダ)がサイト運営に加わることになり、同日が創立記念日とされている。

同年、ゴヤルは会社を辞めてfoodiebayにエネルギーを注力することを決意。

(※注記1)foodlet.inの名で開始。数日後、ドメイン名は.com であるべきとの理由でfoodiebay.comに変更

市場背景

インドのオフィス食堂や庶民レストランではメニューがレジにのみ置いてあるセルフサービス形式が多い。

レジ回りではメニューを見ようとする客、注文しようとする客でごった返し、昼食、夕食時間は自分の注文を手にするまでに時間が非常にかかる。Foodiebay開設から9ヵ月後にはデリーエリアで最大のレストランガイドとなる。

インド国外へのサービス展開をするにあたり、社名をシンプルかつキャッチーにするため、2010年にZomatoと変更。

※参照元:
http://cxopartners.in/deepinder-goyal-life-sketch/

https://www.tvisha.com/blog/success-story-of-zomato
https://www.zomato.com/blog/pankaj-farewell
https://techstory.in/indian-startup-zomato-story/
https://www.livemint.com/companies/news/amazon-raises-food-delivery-stakes-in-india-with-low-restaurant-commissions-1567703402331.html
https://economictimes.indiatimes.com/small-biz/startups/newsbuzz/zomato-lays-off-540-employees-from-its-customer-support-team/articleshow/71024570.cms?from=mdr
https://www.livemint.com/news/india/restaurants-decide-to-pull-out-of-dining-apps-that-offer-deals-1565792728714.html

サービス詳細

レストランガイド

オンラインまたはアプリをダウンロードすれば、だれでもレストラン情報の閲覧が可能。ベジタリアンのみ、北インド料理、南インド料理、イタリアン、アジア料理などレストランの特徴や料理別に検索したり、レビューが高いレストラン、最近オープンしたレストラン等、目的別に探すことができる。ユーザー登録すると、レビューの書き込みや写真・動画の掲載が可能。

フードデリバリー

ユーザーは好きなレストランから、店内と同じメニューを出前でとることができ、リアルタイムで配達状況を確認することが可能。支払いはデビットカード、クレジットカード、ネットバンキング、Paytm等のスマホ決済アプリのほか、代金引換にも対応している。

配達は二輪車での配達が基本で、注文時に配達車へチップを追加することもできる。基本的に配達料は無料だが、パッキング代として注文数量に応じて10~100インドルピー(約10~150円)ほどを注文時にレストランより課されることが多い。

配達者はデリバリーごとに配達料がもらえるほか、配達回数や配達距離に応じてインセンティブがもらえる。例えば、バンガロールの場合、配達ごとに30インドルピー(2019年9月までは40インドルピー)、週末18回以上配達すると+500インドルピーのインセンティブ等。

レストラン向けサービス

レストランはZomato Bookの契約パッケージに応じて、レストラン用アプリ(Zomato for Business)や貸し出しiPadにて、予約管理や来客・需要予想が可能で、Zomatoが予測データをもとに人員配置計画までしてくれる。

レストラン掲載料は、レストランの規模のよってことなり、例えば五ツ星ホテルの場合、月々25,000インドルピー(約37,500円)ほど、個人レストランの場合は月々5,000~7,000インドルピー(約7,500~10,500円)ほど(2019年)。

また広告を出すと、ターゲットユーザーを指定することができたり、キャンペーンのアナリシス報告をの受領が可能。デリバリー注文を受けたレストランは代金の7.5%を手数料としてZomatoに支払う。

クラウドキッチン Zomato Kitchen

各30平米ほどのキッチン設備完備の即賃貸可能なスペースを閉店したレストラン等に設け、レストランや個人にデリバリー専用として提供している。

新たな店舗を持ちたい事業主やレストラン事業を新規で始めたい個人向けのサービスで、家賃はなく、借主は売り上げの数パーセントを使用料としてZomatoに支払う(光熱費は別途)。

定額課金サービス Zomato Gold

一定の金額で割引サービスが受けられる。金額により利用回数がことなり、Zomato Gold に参加しているレストランから1+1サービス(1品以上の注文え1品無料)や2+2サービス(2品以上の注文で2品無料)が受けられる。


※参照元:

https://www.zomato.com/business
https://www.indiafilings.com/learn/zomato-registration/
https://www.zomato.com/blog/zomato-infrastructure-services-101
https://yourstory.com/2017/02/zomato-cloud-kitchen

https://www.zomato.com/gold

競合について

インドにおけるフードデリバリー市場は、2023年までにさらに16%成長し$170億に到達すると予測されている。

Uber Eats、Foodpanda、 JustEat、 TastyKhana、FoodMingo等多数プレーヤーが存在し、アマゾンも参入を表明した。

今のところ大規模な資金調達に成功したSwiggyとZomatoの2社にて常にトップ争いが行われている。Amazonが2019年中に市場参入がうわさされ、競争はさらに激化すると予想されている。

ストライキの発生

インドでのフードデリバリー事業は最大の強豪SwiggyやUber Eatsがおり、Amazonの参入報道もあり、競争が激化している。コスト削減のため、2019年9月にはカスタマーサポートの人員を540名削減。

また、配達者への手数料引き下げもおこない、反発した配達者計6000名がムンバイとバンガロールでストライキを行ったり、乱立するレストランガイドから過剰な値引きやキャンペーン要求に疲弊したレストランが一斉に首都圏で#Logoutを合言葉に、1200件以上のレストランがZomatoをはじめとするガイドアプリへの掲載を一斉に引き下げるなど、熾烈な競争が原因で先行き不透明感が漂う。

Zomatoの優位性

ひとつのアプリでレストラン検索・予約、フードデリバリー、チャットサポートが利用でき、デリバリー専門の強豪他社とは異なる。

デリーバリー対応エリアをバンガロール、デリー首都圏、ムンバイ、プネの都心部にしぼっているのも、成長につながったとされている。これらの都心部では女性の社会進出率が高まっている。

クラウドキッチンや定額課金サービスなど、新しいサービスをいち早く継続的に導入し、利用者の離脱を防ぎ、継続的な利用を促進している。

※参照元:
https://www.businesstoday.in/current/economy-politics/indian-online-food-ordering-market-set-to-grow-at-162-to-touch-1702-billion-by-2023/story/331156.html
https://www.livemint.com/companies/news/amazon-plans-launch-of-online-food-delivery-service-in-india-report-1564403031133.html




今後の展開

2018年11月、Economictimesへのインタビューでゴヤルは「フードデリバリー単体では事業は成り立たない。複数のサービスを提供することにより、レストランガイドを見るついでに、デリバリーを利用する等、複数のサービス利用へ誘導していく」と語っている。

定額課金サービス Zomato Goldの導入により、さらなる利用者を獲得したが、ゴヤルは同インタビューにて「食品物流センターHyperpureはGoldより大きな可能性を持つ。清潔な食品物流センターを大規模に拡大できる会社は他にないであろう」と抱負を語っている。

2019年9月、ゴヤルは「デリバリーサービスを中心に今後5年で売上10倍、新たな都市へ進出し数千の雇用を生み出す」と発表した。

※参照元:
https://tech.economictimes.indiatimes.com/news/internet/zomatos-full-course-strategy/66645267

https://www.linkedin.com/company/zomato/about/
https://www.zomato.com/
https://www.businesstoday.in/current/corporate/zomato-set-10x-growth-5-years-create-more-jobs-ceo-deepinder-goyal/story/378103.html

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