『GO-JEK』インドネシア発のバイクタクシー!企業評価額100億ドル超えデカコーン

GO-JEKはインドネシアのジャカルタに本社を置き、企業価値は1兆1000億円を突破し、ライドシェアと物流サービスを行う東南アジアを代表するスタートアップ企業である。

 

企業基本情報

創業者情報

代表:Nadiem Makarim(シンガポール人)
学歴:ハーバード・ビジネススクール
年齢:35歳(2019年時点)

競合するGrab代表のAnthony Tanとはハーバード・ビジネススクールの同時期卒業(2011年卒)で今も食事に行く仲である。

会社概要

企業価値:推定100億ドル以上
サービス提供国:インドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム
従業員数:不明
ホームページ:https://www.gojek.io
企業理念:trust(信頼)、ownership(主体性)、empathy(共感)、humility(謙虚)、ambition(野心)

会社沿革(サービスサイド)

2010年 バイクの廃車サービスをスタート
2015年 アプリを開発し、コールセンターでのマッチングを廃止
2015年 GO-SEND(物流)、GO-FOOD(フードデリバリー)、GO-MART(買い物代行)、GO-MASSAGE(出張マッサージ)、GO-GLAM(出張美容師)を開始
2016年 GO-CAR(ライドシェア)
2018年8月 ベトナム・タイへ参入
2019年 GO-TRAVEL(ホテル予約)
2019年 フィリピン参入予定

資金調達

2015年10月 金額非公開、カリフォルニア発のVC企業Sequoia Capital
2016年8月 550Mドル (約600億円)KKRやWarburg Pincus、Farallon Capital、などからから
2017年5月 1.2Bドル(1400億円)中国のテンセントから
2018年1月 1.2Bドル(1400億円)既存投資家に加え、グーグルなどから
2019年1月 10億ドル(約1090億円)既存投資家に加え、三菱商事やプロビデント・キャピタルから
2019年3月 1億ドル(約100億円)インドネシア財閥Astraから

市場背景

ゴジェックは2010年にインドネシアでバイク配車サービスからスタートした(バイクタクシーのことを一般的に「Ojek(オジェック)」と呼ぶ)。

インドネシアの人口は約2.6億人で世界4位の人口を誇り、一人当たりの名目GDP3,871である(2018年時点)。

インドネシアでは7.9人に1人がバイクを保有している。台湾が約2人に1台、タイが約3人に1台なので、そこまで割合は高くないが人口が多い為、年間で世界4位の生産台数がある。

参考までに日本のバイク保有台数359万台に対し、インドネシアは7,631万台である。

インドネシアで事業開始

ハーバードビジネススクールを出たNadiem Makarimは、インドネシアのひどい交通通渋滞の中、安く、早く移動ができるバイクタクシーに目を向けた。

バイクタクシーは自動車を使うのに比べると1/4程度のコストで済み人々の交通インフラとなっていた。

しかし、GO-JEKが入る前までは、毎回バイクタクシーのドライバーと価格の交渉をしなければならず、現金での支払いに加え、ぼったくられる事も少なくなかった。

また多くの島国から成るインドネシアでは島ごとに言語が異なりインドネシア語が話せない人も多く、価格交渉などが難しい。

GOJEKを使えば、予め決められた料金が提示され、決済も済ませることができる。また自分の居場所を伝える事で確実にドライバーが迎えにきてくれる。

しかし、GOJEKの沿革を見ると2010年の設立から2015年のアプリ開発まで約5年かかっている。それまでは電話でマッチングを行っていた。やはりドライバーや利用者が利用し始めるまでに相当な時間がかかっている。

会社設立当初(2010年~2015年)

当初は20人のドライバーと100人のユーザーからスタート。2015年に資金調達を行い、アプリケーションをローンチし、それまで電話でマッチングを行っていたのをアプリケーションで自動化した。

調達資金をして新規登録者に約0.75ドルが無料で使えるなどの大胆なプロモーションでユーザーを獲得していった。ゴジェックの手数料は20%。

Appをローンチした4年前の登録ドライバーは2500人であった。マッチング系サービスでは提供側と受ける側の両方のユーザー数が伸びないと使えない。

同じ事業モデルの他社もあったがユーザー獲得に時間がかかり、潰れてゆく中で、幾度の資金調達とプロモーションを経てゆっくりとGO-JEKがジャカルタに浸透していった。

既存業者からの反発(2015年~現在?)

ジャカルタを含めた変化が著しい東南アジアの国々ではテック系のスタートアップへの既存業者からの風当たりが強い。

ゴジェック特有の緑のヘルメットを着用したドライバーが色んな場所から既存業者や住民に追い出されたなどのニュースもあった。

ゴジェックのドライバーは既存業者に嫌われるのを恐れ、特有の緑のジャケットを裏返しにしたり、ヘルメットを隠してバレないようにしていた。ドライバーに対する脅迫や暴力もあったとされる。

※参考記事:Why motorcycle taxi drivers are ganging up against on-demand ride apps in Indonesia
https://www.techinasia.com/startups-in-indonesia-indonesia-motorcycle-hailing-taxi-apps-jakarta-gojek

2019年現在の状況

現在は、3つのカテゴリーに分かれた17のサービスを提供している。

Grabと激しい競争が続いている中、2018年からはベトナム、タイにも事業を拡大。2019年中にはフィリピンでの営業を開始する見込である。

2019年現在の実績

アプリDL数:1億回以上
ドライバー数:約100万人
加盟店:約400店
月間アクティブユーザー:2500万人
1分間の取引:3680回

※参照記事一覧
https://www.google.com/amp/s/discoveryourindonesia.com/go-jek-alternative-transportation-jakarta/amp/
https://www.thejakartapost.com/news/2015/02/05/jakarta-has-worst-traffic-world.html
https://mothership.sg/2019/01/go-jek-driver-end-ride-without-completing-singapore/

Grabとの競合

インドネシアを中心にGrabと激しい競争が繰り広げられている。どちらもタクシーや物流サービスなどを手掛けており、サービス内容はほぼ同じである。

一般的に価格はGrabの方が価格が10%程度安いと言われている。一方で、Go-jekは値段は少し高いが、クオリティが高く、ドライバーのインセンティブも高い為、サービスの質が高いという。

以下で両社の比較をする。Grabがやや優勢の状態だ。

GrabGo-jek
会社設立2012年2011年
企業価値1兆2000億円9800億円
主要投資家トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、マイクロソフト、ホンダテンセント、Google、楽天
サービス提供国マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、カンボジアタイ、インドネシア、ベトナム

ヘルスケア業界と提携

2019.7 チャットやビデオ通話で医療相談ができ、薬の処方ができるオンラインプラットフォームのHalodocと提携を発表した。

HalodocもGo-jekと同じくインドネシアで生まれたスタートアップである。地元企業に対してはGrabよりもGo-jekが優勢との見方もある。

Halodocとの提携により、処方される医薬品の配送をGo-jekが担うことになる。一方でGrabは平安好医生という中国資本のヘルステックスタートアップと提携を発表した。

どちらかが動けば、一方も付いて行く形となっている。

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