『Warung Pintar』無料Wi-Fi・充電設備付きのフランチャイズのキオスク!

Warung Pintarは、インドネシア語で”スマートキオスク”という意味を持つ。その名の通り、IoTデバイスを兼ね備えたデジタル版のキオスクである。

Warung Pintarは、このユニット化されたキオスクを販売してそれをフランチャイズ展開している。更に、ここから日用品の物流・販売、広告、アプリによるデータ収集など、キオスクを軸に様々な事業を展開している。

Ilustrasi Warung Pintar. (Foto: Warung Pintar)

サービス概要

キオスクのオーナーはこれまで”何人の顧客が来たか””いくら売り上げたか””利益率の高い商品は何か”などの小売店を管理する上で必要な知識が不足していた。そこでこれらを自動化する事でデータを収集し、収益改善を行なっている。具体的には、予め付属されている独自のPOSシステムによる在庫管理や、カメラによる来客数の確認などである。

更にキオスクには無料Wi-fiと無料充電ができるようになっている。これによりインドネシアに多く見られるバイクタクシードライバーの溜まり場になっている。彼らは一定の時間が経つとドライバーとして仕事に出かけるので一時的な充電や電波を拾いに集まってくる。ついでにキオスクで飲み物やスナックなどの商品も購入してゆく。この様にして集客力を高めている。

企業基本情報

起業家情報

代表:Agung Bezharie
出身:インドネシア
学歴:Institut Teknologi Bandung (ITB)にてMBA取得
年齢:30(2019年時点)

会社概要

サービス提供国:インドネシア
従業員数:不明
ホームページ:https://warungpintar.co.id
推定資金調達額合計:$3600M(2019年時点)

事業沿革

2018.1 Warung Pintarローンチ、キオスク2店舗で試験導入
2018.2 $4Mのシード資金調達を発表、East Venturesなど、キオスク12店舗に導入
2018.8 $4Mのシード資金調達を発表、LINE や Temasek 傘下の Vertex Venturesより
2018.9 キオスク900店舗に拡大
2019.1 シリーズ Bラウンドで$27.5Mを調達したと本日発表、キオスク1100店舗に拡大
2019年2月 農産物流通ネットワーク『Limakilo』を買収

設立の背景

共同創設者兼CTOであるSofian Hadiwijayaは今回のアイデアについて以下の様に語っている。

“私は小さなキオスクを持つ父の元で育ちました。しかしそこには物流の問題などがありました。そしてオーナーが目を話した隙に万引きがされるなども起こっていました。それらは私たちのキオスクだけでなく、多くの場所で起こっていたでしょう。キオスクの収益はは家族の生活に大きな影響を与え流のでこの様な事はとても残念です。そこで、これらをテクノロジーの力で解決しようと思いました。”

“I grew up with my dad’s small kiosk in my hometown, so I saw that it had many problems, especially with reporting transactions and managing distribution. Small kiosks are also prone to shoplifting due to the lack of supervision. This is very unfortunate since many families depend on their kiosks as a key source of income. Therefore, we aim to address these issues by supporting traditional kiosks with our technology.”

※引用元
https://kr-asia.com/sofian-hadiwijaya-of-warung-pintar-transforming-traditional-kiosks-startup-stories

サービス詳細

まずはキオスクのオーナーがホームページ経由で申し込みを行う。その時に3 x 3 x 3メートルの土地を持っている事、頭金をいくらか支払う事などの制約がある(詳細金額不明)。

その後実際にプレハブ小屋が建設される。キオスクには、デジタル決済システム(POS)、カメラ、充電設備、無料Wi-Fi、テレビ、小型冷蔵庫、などがセットになっている。

キオスクの価格は土地条件にもよるが、3800万ルピア($2900)から5000万ルピア($3800)程度である。ほとんどのオーナーは一括で支払えないので頭金を除いた残金に関しては分割払いが可能だ(資金回収方法は後述)。

その後、実際にキオスクの営業がスタートするとアプリ上にマッピングされる。ドライバーや顧客は地図上でWarung Pintarが提供するキオスクの位置を現在地より確認ができる。

キオスクの付属設備詳細

このキオスクに付属されている設備をそれぞれ解説してゆく。

デジタル決済システム(POS)

Warung Pintarが独自に開発をしているPOSである。在庫管理、顧客データ、売上や利益などを管理する。

カメラ

来客数、来客時間の確認、アクシデントが発生した時の為に設置をしている。

無料Wi-Fi・無料充電設備

これは前述した様にスマートキオスクの肝になる設備だ。これによりドライバーが立ち寄り集客力や売上が上がる。

テレビ

これにはスポーツやバラエティを流す事での集客という意味もあるが、最近は企業とパートナーシップを組み広告を放送している。その広告収入がキオスクのオーナーにも入る仕組みになっている。

小型冷蔵庫

バイクドライバーは炎天下の中でサービスを行なっており、冷たい飲料は必須と言える。またキオスクによっては屋外に椅子やテーブルを置き、食事を提供する場合もある。

フランチャイズによるキオスク拡大の秘訣

これまでにもインドネシアでデジタル版キオスク(無人キオスク)を仕掛けた企業はあった。GOGO無人超市などだ。しかし、開業後5ヶ月程度で撤退をしている。Warung Pintarがフランチャイズとして急成長している理由として、市場背景・資金回収・オーナーのメリット(収益性)の3つから見る必要があると考える。

市場背景

インドネシアでは90%以上の日用品が未だにキオスクを経由して購入されており、スーパーマーケットなどは10%に満たない。そしてインドネシアは人口2.5億人を超える巨大なマーケットで237万ものキオスクが国内に存在すると言われている。ここを再構築する事でのインパクトは計り知れない。

また最近、インドネシアにはECの発達とともにGojekやGrabなどのバイク配送サービスが急成長しており、バイクドライバーが街に溢れている。彼らはスマートフォンで仕事を受けているので充電や電波は必須だ。そこでWi-fiと充電を無料で利用できるWarung Pintarは、バイクタクシーがキオスクを訪れるきっかけを作り、周辺のキオスクよりも優位性が保てる様になった。

資金回収面

新興国や途上国のビジネスでいつもネックになるのが資金回収だ。特にキオスクなどの大きな買い物を分割にする事は非常にリスクが高いと考えられるがここも上手く設計がなされている。

  1. rent to own方式
    新興国によく見られる資金回収方法で、ローンを払い終わったら完全に顧客の持ち物にできる方式だ。これをする事で盗難のリスクを大幅に下げる事ができる(そもそも自分の持ち物を盗難しようとは思わない)。
  2. 遠隔操作が可能なIoTデバイス
    万が一、支払いが遅れたり、回収ができない場合は、デバイスを遠隔で停止する事が可能だ。①とも組み合わさって、返済の優先順位が非常に高くなる。
  3. 金融サービスへのアクセス
    これまでローンを組めなかった層も①,②の様な防犯対策の設計をする事で金融サービスを受けられる様になる。また、その高い収益性能を持つキオスクの資金回収は10ヶ月~12ヶ月を目標とするとも述べており、比較的早く返済が可能である。またIoTデバイスでのデータ収集によっても与信システムができ、金融サービスが受けられるという事も十分考えられるだろう。

オーナーのメリット(収益性)

収益性向上にもっとも寄与するのは前述した様な無料Wi-Fiと充電サービスだろう。これによって集客が向上し、平均してキオスクオーナーの収益を41%上げる事に成功した。

更にオーナーは在庫が不足したらアプリを経由してすぐにアイテムを購入できる。アイテム数は370以上ある。価格もWarung Pintarのアプリを経由すると15%程度のディスカウントが受けられる。他のキオスクなどにも配送をする為、大量購入が可能だからだ。ここの配送システムは最近Gojekとパートナーシップを組んでいる。

それだけではない。Warung Pintarは37ブランドの広告を提供するために、広告スタートアップのFlockとのコラボレーションを発表した。キオスクに付随されているテレビで広告を流すとオーナーは広告収入を受け取ることができる。 この広告もIoTデバイスから得られた様々なデータと関連してよりターゲットを絞りやすくなっただろう。

その他

そもそもサービスの発祥が多くの投資実績のあるベンチャーキャピタルEast Venturesだった事がこの事業を成立させた要因でもあるだろう。キオスクを軸に、物流から決済、広告まで様々な事業をこれだけ短期間でこなせるのは強力なパートナーシップが背景にあったと考えられる。

今後の展開

2019年度中にWarung Pintarのキオスクを5000店舗に増やすことを目標にしている。ジャカルタ以外の地域にも既に進出をしており、インドネシア内で確固たるポジションを掴んでゆだろう。

また237万ものキオスクが国内に存在する事や他の東南アジアも同様の市場背景である事を考えると、今後も成長は続いてゆくと見られる。

https://thebridge.jp/2019/01/smart-kiosk-startup-warung-pintar-raises-275m-series-line
https://www.wowshack.com/the-smart-warung-that-has-increased-daily-earnings-by-5700/
https://www.google.com/amp/amp.kontan.co.id/news/warung-pintar-mengembalikan-hakikat-warung
http://www.insightasia.com/blog/warung-pintar-the-evolution-of-indonesian-kiosk-shopping
https://warungpintar.co.id/gabung-mitra/
http://e-asean.net/25169
https://www.wowshack.com/the-smart-warung-that-has-increased-daily-earnings-by-5700/

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