『Revolution Precrafted』10万ドルで有名建築家設計の家を建てる!フィリピン初のユニコーン!

Revolution Precraftedは世界的に著名な建築家やアーティストが設計したプレハブ工法のデザイナーズ物件を、低価格かつ短い工期で提供するフィリピン発のスタートアップ企業である。

またRevolution Precraftedは企業価値10億ドル以上の非上場スタートアップ企業として、フィリピン初のユニコーン企業にもなった。事業は世界中に拡大中で、28カ国へ進出を果たしている。

サービス概要

Revolution Precraftedは日本人建築家の隈研吾(日本の新国立競技場を設計)、藤本壮介、イラク出身のザハ・ハディド(故)、イギリス人デザイナーのトム・ディクソン、アメリカの建築家レニー・クラヴィッツなど世界各国の著名な建築家やデザイナー70人と協力して設計を行い、デザイン性が高く豪華な製品を提供している。

これまでに手掛けた製品には住宅、リゾート施設、ホテル、コンドミニアム、輸送可能な休憩施設、博物館、グランピング施設、家具など多岐に渡る。

同社の創業者ロビー・アントニオは「建設に2年かかる住宅を2ヶ月で提供する。」また「プリツカー賞(※1)建築家がデザインする家を10万ドル以下で持てるようにする。」と語っており、デザイン性だけではなくこれまでにない低価格かつ短い工期を売りにしている。

工期を短くし低価格を実現するカギはプレハブ工法にある。提供する製品は工場でパーツごとに製造し、製造されたパーツを輸送し現場で組み立てるだけで完成する。「レゴのようなものだ。」と言う。

(※1)プリツカー賞とは
建築界では最も権威のある賞として知られる。存命の建築家を対象に1年に1人表彰している。

※参照元
https://www.portfoliomagsg.com/article/revolution-precrafted-a-company-that-supplies-prefabricated-designer-homes.html
http://theshock24.blogspot.com/2018/07/revolution-precrafted.html

企業基本情報

起業家情報

代表:Robbie Antonio(ロビー・アントニオ)
出身:フィリピン
学歴:アメリカのノースウェスタン大学経済学部を卒業後、スタンフォード大学ビジネス大学院でMBAを取得
年齢:42歳(2019年)

会社概要

設立年:2015年12月
サービス提供国:28カ国(フィリピン、オーストラリア、バハマ、バーレーン、ブラジル、カンボジア、キプロス、エクアドル、エルサルバドル、フィンランド、ギアナ、インド、インドネシア、ジャマイカ、日本、モーリシャス、ミャンマー、ネパール、ペルー、プエルトリコ、タンザニア、トリニダード・トバゴ、セントルシア、セーシェル、スペイン、アラブ首長国連邦、アメリカ、ジンバブエ)
従業員数:61名(2019年)
ホームページ:https://revolutionprecrafted.com/
推定資金調達額合計:1540万ドル(2017年まで)
合計契約額:73億6000万ドル(2018年まで)

※参照元
https://craft.co/revolution-precrafted/metrics
https://asia.nikkei.com/Business/Companies/Philippine-property-unicorn-expands-to-14th-country

事業沿革

  • 2015.12 創業、ザハ・ハディッドなどによる設計のプレハブ住宅を販売
  • 2017.3 500startups(※1)より1540万ドルの資金調達
  • 2017.10 フィリピン初の企業価値10億ドル達成
  • 2018.3 ミャンマーで12億ドルの契約を締結
  • 2018.4 日本の沖縄県宮古島においてヴィラタイプのホテル85件280万ドルの建設を受注
  • 2018.6 カリブ海諸国に1000戸の住宅を建設する3億ドルの契約を締結
  • 2018.7 ブラジルで住宅やリゾート等の建設プロジェクトで4億6000万ドルの契約を締結
  • 2018.11 フィリピン・パンパンガ州で7億5000万ドルの14000戸の住宅を含むフードパークプロジェクトを開始

(※1)500startupsとは
アメリカ・カリフォルニア州で誕生したベンチャーファンド。

※参照元
https://www.architecturelab.net/tiny-homes-you-can-collect/
https://www.techinasia.com/500-startups-funding-revolution-precrafted
http://technewsrprt.com/2017/10/23/the-philippines-gets-its-first-billion-dollar-startup/
https://www.bworldonline.com/revolution-precrafted-expands-myanmar/
https://www.nna.jp/news/show/1756922
https://www.reuters.com/brandfeatures/venture-capital/article?id=42926
https://news.mb.com.ph/2018/11/07/us750-m-housing-leisure-project-starts-in-pampanga/

設立までの背景

創業者の背景、体験や思い

ロビー・アントニオはスタンフォード大学を卒業した後、不動産ビジネスで成功した父親のもとで働きマニラのトランプタワー、パリヒルトンブランドのコンドミニアムコレクション、ヴェルサーチのミラノレジデンス、ミッソーニホームのアクアリビングストン、世界初のフォーブスタワーの開発など巨大プロジェクトに関わっていた。

その中で彼は巨額な費用と時間がかかる不動産のあり方に課題を感じ、これに対するアンチテーゼが欲しいと考えていた。そして、それが会社設立のひとつのきかっけとなった。

またロビー・アントニオは2016年に世界のトップ100に選ばれるほどのアートコレクターとしても有名で、創業以前から芸術への情熱を持っていた。そして「自身のアートに対する感性を建築やブランディング、テクノロジーに反映させて会社を設立させたい。」という思いがあった。

そうした不動産業における経験と芸術への情熱を融合させる自身の夢を形にした会社Revolution Precraftedを2015年12月に設立した。

「Revolution Precraftedは芸術的な独自性を持ちながらも、プレハブ技術による低価格を維持する。」とロビー・アントニオは言う。

市場背景

従来、有名建築家が設計した建築物は高コストであり建設に時間がかかった。一方でプレハブ住宅などは安価で簡易に設計・建設できるもののデザイン性に優れていなかった。

このような不動産業界の状況を踏まえて、自身が業界のアンチテーゼになれるとロビー・アントニオは考えていた。

問題点

フィリピンにおけるエコシステムの問題は資金不足であり、地元で資金調達が困難であることだとロビー・アントニオ自身が語っている。そこで彼は海外に目を向けてビジネスを展開している。

※参照元
https://vulcanpost.com/638934/revolution-precrafted-robbie-antonio/
https://asia.nikkei.com/Business/Companies/Philippine-property-unicorn-expands-to-14th-country
https://www.scmp.com/tech/innovation/article/2158857/could-billion-dollar-start-become-ikea-homes

サービスを受ける手順

クライアントとなりサービスを受ける場合には製品の注文時に以下のものを提出する必要がある。

A.製品の組み立て設置現場の周辺マップ
B製品の組み立て設置現場のマップ
C製品の組み立て設置現場の地形図
D.洪水/水位標高マップ
E.気候マップ
F.構造物に適用される可能性のある条例
G.製品の組み立て設置現場の技術テストと結果データ(下記)
1.ボーリングテスト(地盤の強度確認)
2.地下水面レベル
3.降雨量データ
4.最大風速データ

また製品の製造前にクライアントは、製品の組み立て設置現場の準備、地元業者の雇用をし、すべての技術テストおよび現場の基礎準備は雇用した地元業者により実施されなければならない。

製品製造はクライアントが必要な書類をすべて提供し、頭金50%を支払った後に開始される。製品建設現場の準備は製造が完了するまでに、クライアントが同時に行う必要がある。

製造には90日間がかかり、製品の組み立て設置は最低でも5日かかる。料金は最安値だと23平方メートルで10,000ドルとなっている。尚これは、香港での同様のサイズのアパート建設費用の72分の1と見積もられている。

※参照元
https://asia.nikkei.com/Business/Companies/Philippine-property-unicorn-expands-to-14th-country
https://revolutionprecrafted.com/faq/
https://www.scmp.com/tech/innovation/article/2158857/could-billion-dollar-start-become-ikea-homes

競合・サービス拡大

競合について

Revolution Precraftedの競合にはアメリカのスタートアップ企業Katerraが挙げられる。Katerraは建設に関わる全ての工程を自社開発のプラットフォームで一元化することでより良い家を、より短い期間で建て、より手頃な値段で買えるようにすることを目指している。2018年には日本のソフトバンクより7億ドルを調達した。

Katerraに対して、Revolution Precraftedは世界的に有名な賞レースの受賞歴がある建築家やアーティストと協力し設計した製品を提供できることが強みとなっている。
ロビー・アントニオは「世界的に有名なデザイナーと最新の建設技術を組み合わせることで、デザイン性の高いブランド住宅へのアクセスを民主化する。」と言っている。

※参照元
https://www.constructiondive.com/news/katerras-valuation-could-hit-4b-following-a-rumored-700m-softbank-fundin/546274/
https://vulcanpost.com/638934/revolution-precrafted-robbie-antonio/

サービス拡大の秘訣

Revolution Precraftedのプレハブ工法は大きなものでも20~25の箱(プレハブ建築物)を用意し、それを現場で組み立てることで建設できる。構造の順応性にも優れており住宅だけでなく、博物館や図書館も製造ができる。そのため世界中のどこへでもどんな建物でも現場へ出荷して、組み立てることができる。

アメリカのKBホーム(ニューヨーク証券取引所へ住宅建設会社として初めて上場した会社)を設立したエリ・ブロードはロサンゼルスで美術館を建設するのに5年の時間がかかった。しかしRevolution Precraftedは6ヶ月で独自の美術館を建設した。このように世界中のどこでも博物館が必要であれば博物館を、美術館が必要であれば美術館を、短い工期でもたらすことができる。

製品は事前設計されており約85の製品がある。体系化された設計とプレハブ工法のコンセプト、在庫を保有せず製品は注文後に建設すること、最新の建設ロボットを使用することなど複数の方法でコスト削減を測っている。これにより従来の不動産ビジネスの利益率が25%であるに対し、Revolution Precraftedの利益率は約35%と高い。

Revolution Precraftedのプレハブ住宅は災害支援にも適していると言われる。2017年にはアメリカでハリケーン・マリアの大打撃を受けた地域を含む2,000以上のプレハブ住宅を提供した。

さらに、開発の観点から見ると、土地が豊富で住宅が不足している開発途上国にも適している。そのため今後は南アメリカ、アフリカの国々への事業の拡大も目指している。

こうしたビジネスモデルを武器にRevolution Precraftedは「家づくりのイケア」を目指し世界中へ拡大を図っている。

※参照元
https://asia.nikkei.com/Business/Companies/Philippine-property-unicorn-expands-to-14th-country
https://vulcanpost.com/638934/revolution-precrafted-robbie-antonio/
https://www.portfoliomagsg.com/article/take-a-peek-inside-the-newly-restored-raffles-hotel-singapore.html

今後の展開

Revolution Precraftedは2019年中に55カ国への進出、さらに2020年にはその数を85~100カ国に増やすことを目指している。またその先のイグジットプランとして、将来的にニューヨークやロンドン市場でのIPOを検討するとロビー・アントニオは述べている。

※参照元
https://www.reuters.com/brandfeatures/venture-capital/article?id=51927

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