『dahmakan』専属シェフによる調理から配送まで行うフードデリバリーサービス

dahmakanは調理、配達、決済といった業務全てを自社で行っているマレーシアのフードデリバリーサービスである。

dahmakan専属シェフの作った健康的な食事を注文することができ、1回の注文・プリペイドのPrimeサービス・月額課金のSELECTサービスが利用可能。

サービス概要

dahmakanは2015年にマレーシアで創業したフードデリバリーサービスを提供するスタートアップ企業である。dahmakanの専属シェフが健康的な料理を作り、調理から、配達、決済まで、食事の製造に関わる全ての工程を自社で行うモデルを取り入れている。

Kuala Lumpur市内と周辺地域を通常配達の対象にしており、15食以上注文する場合には対象地域外への配達も可能。

1回のみの注文と、まとめて購入することで注文から30分で受け取り可能・一食あたりの価格が安くなるプリペイドPrimeサービス、また一食あたりの価格が4割ほど安くなる月額課金の定期購入型SELECTサービスを選択することができる。

競合にあたるGrabFooodやFoodPandaといった地域のレストランと顧客を結びつけるデリバリーサービスとは異なり、調理・配達・支払まで自社で行うことでサービスとシステムの質を保ち、管理がしやすい体勢を整えている。

企業基本情報

起業家情報

代表:1) Christian Edelmann, 2) Jessica Li, 3) Jonathan Weins
出身:1), 3)ドイツ、2)不明
学歴:1) Technical University of Munich 2) University of New South Wales 3)The Hong Kong University of Science and Technology
生年月日または年齢:1),2),3) 30代

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:マレーシア、タイ
従業員数:100-250
ホームページ:https://dahmakan.com/
推定資金調達額合計:US$27,000,000

事業沿革

  • 2015年11月、Christian Edelmann, Jessica Li, Jonathan Weinsによりマレーシアで創業。
  • 2017年2月、US$1,300,000を調達。配達を改善するための、人口知能に基づく自己学習システムへ投資。
  • 2017年8月、Y Combinator(※1)のサマープログラムに参加後(マレーシア初)、US$120,000をY Combinatorより調達。
  • 2018年1月、Y Combinatorなど投資家より、US$2,600,000を調達。技術開発とクアラルンプールのチーム用の人材獲得、東南アジア地域での事業拡大のため。
  • 2018年3月、タイの同業企業であるPolpa社(※2)を買収。タイにサービス提供のエリアを拡大。
  • 2019年5月、シリーズA、US$5,000,000をPartech(※3)、他投資家より調達。フードデリバリー市場・小売業者との提携など新しい流通チャネルの立ち上げや、独自の配送範囲の拡大など、既存および新しい市場の成長を促進するため。
  • 2020年2月、シリーズB、US$18,000,000を楽天キャピタル (※4)、他投資家より調達。マレーシアとタイ全体での開発から配達まで垂直統合されたフードデリバリーモデルを強化し、継続するために使用される。

(※1)Y Combinator

Y CombinatorはPaul Grahamらにより2005年3月に設立されたアメリカのカリフォルニア州にあるシードスタートアップアクセラレーター。StripeやAirbnb、Dropboxを含む2000以上の会社を送り出してきた。スタートアップ企業に対し、2万ドル前後を小額投資し、3ヶ月のスクールを通じて集中的に指導したのち、ほかのベンチャーキャピタルから投資を受けられる状態まで育てることが特徴。

公式サイト:http://ycombinator.com/

(※2)Polpa社

“Polpa is an on-demand food delivery service based in Bangkok that helps people watch their waistline and eliminates the consumption of rich, oily, and processed food that increases the early death rate.Launched in November 2015 originally as about 18 Mediterranean-inspired homemade dishes menu from ingredients sourced locally, Polpa offers only healthy meals made from natural, organic ingredients in its menu with each food item displayed with a basic description of its nutritional benefits.In March 2018, Polpa was acquired by Dahmakan, Malaysia-based ready-to-eat food delivery startup, foraying into the Thai market.”

「Polpaはバンコクを拠点とするオンデマンドデリバリーサービスで、店頭での順番待ちをなくし、若年死の確率を高める油分が多い加工食品の消費を抑えます。2015年の11月に創業し、現地の材料を使った地中海風の18のホームメイド料理から始まりました。Poplaは自然でオーガニックな材料を利用し、メニューにはそれぞれの栄養的利点が記載されています。2018年3月に、PolpaはマレーシアのフードデリバリーサービススタートアップであるDahmakanによって同社のタイ進出のために買収されました。」

(引用元:https://e27.co/can-the-first-unicorn-of-thailand-be-a-food-tech-startup-these-11-food-tech-startups-are-making-their-cases-20191105/)

(※3)Partech
“Partech is a global investment platform for tech and digital companies, led by ex-entrepreneurs and operators of the industry spread across offices in San Francisco, Paris, Berlin and Dakar.
The firm brings together capital and resources to support entrepreneurs at all stages in Europe and North America, with a growing presence in Africa and Asia.”

「Partechは元起業家によるテクノロジーとデジタル企業のためのグローバル投資プラットフォームです。ヨーロッパと北アメリカの全ての段階の起業家、そしてアフリカとアジアの成長性のある起業家を、資本とリソースにより支援します。」

公式サイト:https://partechpartners.com/mission/

(※4)楽天キャピタル

“楽天キャピタルは、世界中の革新的なスタートアップへの投資と投資先への支援を行う、楽天グループのコーポレートベンチャーキャピタルです。これまで、世界中でLyftを含む60社以上のスタートアップに投資を行ってきました。楽天グループは、国内外において、Eコマースを中核に、トラベル、デジタルコンテンツ、通信などのインターネットサービス、クレジットカードをはじめ、銀行、証券、保険、電子マネーなどのFinTech(金融)サービス、さらにプロスポーツといった多岐にわたる分野でサービスを提供しています。”

公式サイト:https://capital.rakuten.com/jp/

市場背景

マレーシアのオンラインフードデリバリーサービスの市場規模は、2017年時点で推定US$66.3百万とされている。

生活様式の変化で仕事やサービスがオンライン上で完結するようになり、特にミレニアム世代を中心に家にいながら調理不要なレストランの食事が食べられるオンラインフードデリバリーサービスが普及してきている。

マレーシアのオンラインフードデリバリー市場は、2018年から2025年にかけて、18.6%の成長が予測されている。

東南アジア地域全体でも、90%以上の人がスマートフォンを介してインターネットに接続しており、東南アジア市場でのオンラインフードデリバリー市場は2025年までに$US80億以上になると予測さている。

加えてマレーシアでは健康への意識が高まっており、GrabFood Malaysiaによると、健康食品のカテゴリーは、最もよく見られたカテゴリーの一つであり、飲料類に次ぐ注文率である。

シェフの調理した健康的な食事を提供するdahmakanは急成長するオンラインフードデリバリー市場の中で、増加傾向にある健康志向の利用者をターゲットとし成長してきたといえる。

サービス詳細

dahmakanの専属シェフが作る健康的で手頃な価格の料理を、マレーシアではKuala Lumpur市内と周辺地域、タイではBangkokに配達している。

通常注文

食事はRM13.99(約370円)から、マレーシア料理、中華料理、日本料理などdahmakan専属シェフによる様々な食事を注文することができる。サイドメニューやドリンクとのセットでも注文が可能。

Primeサービス(プリペイド)

10食、20食、または50食をまとめて購入することで割引が受けられ、通常注文から1時間ほどかかるところを、30分で受け取り可能。

SELECTサービス(月額課金)

招待制であるが、一食あたりの価格が4割ほど安くなる月額課金の定期購入型SELECTサービスが利用可能。

サービスの優位性

設立経緯

2015年に、Christian Edelmann, Jessica Li, Jonathan Weinsにより設立。3名はRocket Internet社がアジア地域で展開するフードデリバリーサービスFoodPandaの香港における元エグゼクティブである。dahmakanというサービス名はマレーシア語で「もうご飯食べた?」という意味。

他フードデリバリーサービスとの差別化

FoodPandaやGrabFoodといった従来の地域レストランと顧客を結びつけるビジネスモデルと異なり、dahmakanの製品開発から配達まで管理するモデルは、収益性を高め、配送費と運用コストを抑えることができる。

設立当初より、シェフが調理した健康的で毎日利用できる種類と価格のフードデリバリーを構築し、消費者により身近なサービスとすることをミッションとしている。

技術面での投資

技術面では、dahmakanは物流と人工知能技術に投資しており、”Dahmakan Intelligent Operator System (DIOS)”と呼ばれる、配達車両と利用者の需要をマネジメントする自己学習システムを構築している。
(参考:https://techcrunch.com/2018/01/04/dahmakan-chows-down-2-6m-more/)

海外展開

2018年の資金調達後、タイのBangkokを拠点とする同業のデリバリーサービスPolpaを買収したことにより、現在2カ国で事業を展開している。50人を超える社内の専属シェフを擁しており、2020年に楽天キャピタル他投資家より調達した資金はマレーシアとタイ全体での開発から配達まで垂直統合されたフードデリバリーモデルを強化し、継続するために使用される。

今後はシンガポール、インドネシア、香港を含む東南アジアの主要都市への展開を予定している。

(参照:https://vulcanpost.com/690053/malaysia-dahmakan-funding-series-b/)

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