『DocDoc』アジア圏最大の医師ネットワーク!23,000人以上の医師と患者をAIでマッチング!

目の前にいる医師が、病に苦しむ自分や家族にとって最適な医師とは限らない。では最適な医師はどこの誰なのか。

DocDocは臨床情報学、医療品質評価における深い専門知識と、独自のAIによって医師と患者とをマッチングさせるサービスを東南アジアなど8か国で展開しているヘルスケアスタートアップである。

サービス概要

医師や患者は無料でサービスを利用し、患者の保険会社に料金を請求するというビジネスモデルを採用している。

患者はアプリを経由して医師を選択し、オンライン面談の時間を選択する。そしてビデオ通話までを全てアプリ上で行う。

一般の患者にとって膨大な時間が必要または不可能である、それぞれの医師の個人情報を含む多くのデータの収集・検証にも余念がなく、ほかではアクセスすることのできない強力で信頼できる情報の提供を売りにしている。

エンドユーザーである患者の利用は無料である。医師はDocDocに登録するために料金を支払い、また患者の保険会社からもDocDocは料金を得ているが、その金額は患者の治療費によっても異なるために詳細は不明。

現在ではメディカルツーリズム(適切な医師を見つけるために地元から離れて探すこと)、医療に関するインターネットメディアの展開によっても幅広く収益を上げている。

企業基本情報

起業家情報

代表:CEO兼共同創始者 コール・シルセク(Cole Sirucek)
出身:アメリカ合衆国
学歴:アイダホ大学で経済学学士、ハーバード大学でMPA、マサチューセッツ工科大学でMBAを取得

会社概要

企業価値:不明
サービス提供国:シンガポール、インドネシア、フィリピン、中国(香港)、インド、韓国、タイ、マレーシア
従業員数:51-100人
ホームページ:https://www.docdoc.com.sg/
合計資金調達額:14.1M
企業理念:We believe healthcare should be safe, transparent, and fair.「医療は安全で、透明性があり、そして公正であるべきである」

事業沿革

2012年4月3日 コール・シルセク、ドーン・ソー、グレース・パクによって設立
2012年8月 外科医だけでなく歯科医や皮膚科医など他の専門医ともネットワークをつなげる
2013年1月 新たなCMOを迎え入れ、韓国に進出する
2013年6月 同じくシンガポールで設立された競合他社DoctorPageと合併。アジア最大の医師予約サービスプラットフォームとなる。合併により1,000人を超える医師、500,000人を超えるユーザーを獲得。
2015年4月 Yee How Choongより8,600,000USドル(シリーズA)資金調達
2018年5月 5 Adamas Finance Asiaより,450,000USドル(シリーズB)の資金調達
2019年2月 Cyberport Macro Fund (CMF)より資金調達
現在までに23,000以上の医師、600以上のクリニック、100以上の総合病院とネットワークをつなげている。

※参照元
https://www.crunchbase.com/organization/docdoc-com

設立までの背景

DocDocはコール・シルセク氏とその妻であるグレース・パク氏によって設立された。そのきっかけとなったのは両氏の娘の病である。

生後90日の彼らの娘が肝臓の手術を必要とした時、有名な病院であったにもかかわらず、医師の対応は彼らに不安と不信感を植え付けた。

幸いパク氏は医療業界で10年のキャリアを持っており、適切な医師を探し出すことができたのだが彼らはその時の恐怖、孤独そして無力感を忘れることが出来なかった。

個人的なネットワークではなく、真に優秀で信頼できる専門的な治療に特化した医師と、情報の不足によって治療に悩む患者とを結び付け、お互いにとってベストな医療の選択ができるシステムが必要だと彼らは考えた。

こうした「患者にパワーを与える」という理想が、DocDocの設立と現在のビジョンにつながっていったのである。

※参照元
https://www.docdoc.com.sg/about/company-overview/

DocDoc拡大の秘訣

DocDocがアジア最大の医師紹介プラットフォームとなるきっかけとなったのは、共同創設者のバックグラウンドが大きく作用していると考えて間違いないだろう。

シルセク氏とパク氏の夫妻がDocDocを立ち上げたとき、同じくシンガポールにて同様のサービスを展開する会社がすでに存在した。DoctorPageがそれだ。

このふたつは市場では対立する企業ととらえられており、激突は必至かと思われていたが、結果として合併となっている。しかもDocDocという名前とロゴマークはほぼ完全に残った形でだ。

ここまでDocDocに有利な恰好となったのは、シルセク氏がDocDoc立ち上げの時すでに、名うての投資家、それもベンチャー企業を対象とした、まさに専門家だったのである。

パク氏もハーバードのビジネススクール出身の才媛(※1)でマネージングディレクター、ビジネスディレクターとして活躍してきた。
彼らの最大の強みはパク氏がMedtronic(※2)で5年余りマネージャーとして活動してきたことだ。

シルセク氏はインタビューでこう言っている。

「ライバルとなる若い起業家はおそらく出てくることはないだろう。なぜならヘルスケア業界はその分野の背景がなければ、あまりに複雑で、業界のパートナーと連携するために深い専門知識と経験が必要となるからだ。」

またDocDocが急激に拡大を遂げた大きなポイントは、れっきとしたIT企業であるということだ。ITテクノロジーは近年大きく発展を遂げたが、DocDocは機を逃さずこの技術を取り込んだ。

彼らがHOPEと名付けたAIがその最たるものである。DocDocは医師の情報を徹底して集めることにこだわっており、医師の強み弱みを正確に把握している。

病気というものは同じ病名でも、患者一人一人によって対処法が異なる場合が往々にして存在する。また医師も特定の手法においては専門であっても苦手な分野というものも存在するだろう。

それらの膨大な情報をAIによって判定し、ユーザーに的確な医師を紹介するのがDocDocの一番のセールスポイントである。

ただの医師と患者のマッチングの場ではなく、最新技術を利用した「医療の最適解」の提供こそがDocDocのサービスの要であり、その拡大の原動力なのである。

(※1)才媛とは
高い教養・才能がある女性

(※2)Medtronicとは
世界最大の医療機器会社。税務目的によりアイルランドに本部を置いているが、売上高と利益のほとんどはアメリカから得ている。

※参照元
https://www.docdoc.com.sg/about/company-overview/
https://www.docdoc.com.sg/why-docdoc/ai-powered-doctor-discovery
https://www.docdoc.com.sg/why-docdoc/verified-doctors
https://www.insightssuccess.com/cole-sirucek-serial-entrepreneur-transforming-lives/
https://www.linkedin.com/in/graceparksirucek/

今後の展開

DocDocは2019年2月に香港の投資会社より資金を調達しており、今現在も成長を続けている。その前の月にはDocDocは2018年における“Digital Health Global 100”において世界で最もイノベーティブな企業の一つに選ばれ、表彰を受けている。

アジアだけでなく、世界規模で見ても、先進的で拡大を続けている企業であるとみなされている。

前述のとおり、シルセク氏は競合について心配はしていないようだ。ただ先だけを見続けている企業家である。

アジアにおいては自分にあった医師を発見する、という概念自体が一般的ではないと氏は語る。この意識を変えることにまず重点を置くべきだと考えている。

また彼は医療業界に大きなイノベーションの波が訪れると信じている。

それは、今までの医療業界が不透明な世界であり、利害関係も複雑であるためだとしている。患者は情報不足の中で医療上の決断を強いられてきており、それによって起こる医療過誤は深刻な問題となっている。

この問題に対処する必要性は極めて高く、またDocDocはこれに大きく貢献できるとシルセク氏は述べている。

これからの会社の戦略としては提携する保険会社を増やすことに加え、従業員の健康を考える企業ともパートナーシップを結んでネットワークを広げていきたいとのことである。

患者に請求するのではなく、保険会社から売り上げを立てる収益モデルをさらに発展させていく考えのようだ。

またブロックチェーン技術の導入を検討しており、アジアの医療業界の情報を豊富に持っているという立場からブロックチェーン全体に優れた価値を提供できると考えており、現在の商品とユーザーのニーズを自然に拡張したブロックチェーン製品の投入を目指している。

医療業界のIT企業の最先端を走る企業として世界的に認められるDocDocだが、シルセク氏はことあるごとにインタビューで自分の仕事は悩める患者にパワーを与えることだと述べている。

設立からまだ十年に満たないが規模は拡大の一途であり、その情熱はこれからも冷めることを知らないと言えるだろう。

※参照元
https://www.crunchbase.com/organization/docdoc-com
https://e27.co/healthcare-firms-easy-start-really-difficult-build-says-docdoc-ceo-cole-sirucek-20180514/

最新情報をチェックしよう!