『
Ookbee』ユーザー自身が小説を書いて販売できるプラットフォーム!

Ookbeeは、2012年にE-BookストアのOokbeeをスタート。

当初は出版社が提供するいわゆるプロによる作品を扱っていたが、SNSの普及とともにUGC(User-Generated Content)に主軸を移す。

その後、Ookbee Uへ拡大。両者で1,000万を超えるユーザーを抱えるプラットフォームをASEAN諸国(マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール)で展開している。

サービス概要

スマホやタブレットの登場を受けて電子書籍の将来性を見込み、E-BookストアOokbeeを2012年にスタート。

設立当初、出版社のコンテンツを独自のオンラインプラットフォームにて提供していたが、現在では書籍や雑誌のみならず、コミック、音楽、ビデオ、小説、ストーリーチャット(※1)、星占いなど10の異なるジャンル・形式のプラットフォームを運営している。

※Okbeeホームページより

アプリはAppStoreやAndroid Marketでダウンロードして使う。現在、タイに加えて、ベトナム、フィリピン、マレーシアに展開し、1000万以上のユーザー、月間10億回以上のページビューを誇る。出版社やプロの作家の作品を中心に扱う。

また、SNSが普及するにつれて共通の関心をもつグループごとのプラットフォームにビジネスチャンスを見出し、UGC(User-Generated Content)を提供し、コンテンツ制作者とファンをつなぐプラットフォームを設立。現在は35万人以上のコンテンツクリエーターを抱えている。

(※1)ストーリーチャットとは
チャットスタイルの小説

※参照元
http://aboutus.ookbee.com/

企業基本情報

起業家情報

代表:Natavudh Pungcharoenpong(ナタブ・プンチャロポン)
出身:タイ
学歴:カセサート大学 航空宇宙工学(学士)アジア工科大学院 産業工学およびシステム工学(修士)
年齢:41歳(2019年時点)

※Ookbee以外の活動:

  • 500 Startups(※1) パートナー
  • SIX network(※2) Co-CEO
  • IT WORKS(※3) 創業者兼CEO

(※1)500 Startupsとは
シードステージのベンチャーキャピタル企業500 Startups

(※2)SIX networkとは
Ookbee Uと韓国のYello Digital Marketing Globalの合弁会社。デジタルバンキングの構築やデジタルアセットウォレット、分散型コマースなどを手掛ける。https://six.network

(※3)IT WORKSとは
世界中の10,000を超えるクライアントに向けてシステム開発・実装を提供するタイで最も著名なソフトウェア会社の1つ。1999年に設立。

会社概要

企業価値:2800万米ドル
サービス提供国:タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール
従業員数:200人規模
ホームページ:http://www.ookbee.com
推定資金調達額合計:$2M(Intouch),$7M(トランスコスモス)

事業沿革

  • 2010.12. IT WORKSモバイル部門にてOokbeeオンライン書店サービスを開発
  • 2012. IT WORKSより独立
  • 2012.9.1. InVent Capital(※1)から $ 2,000,000 / シリーズAを調達
  • 2012.10. インドネシア オンライン書店SCOOPと戦略的パートナーを締結
  • 2012.12. マレーシアにてサービス開始
  • 2013.12. フィリピンにてサービス開始
  • 2014.4 日本のトランスコスモス社と資本・業務提携、発行済み株式10%以上を取得
  • 2015.10  Ookbee Mall ローンチ(トランスコスモスとの合弁事業、2017年3月閉鎖)
  • 2016.2 日本のC Channel株式会社(※2)と提携しCC CHANNELタイをオープン
  • 2017.1 中国Tencentと提携し、OokbeeU社を設立、19MUSD出資、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンへ展開
  • 2018.3. タイのVCファンドBeacon VCが出資(未公開額)
  • 2018.3. C Channel Japanと共同でオンラインライフスタイルコンテンツを提供する合弁会社C Channel Thailandを設立
  • 2018.10. タイアイドルグループBNK48のライブストリーミングアプリ開発を発表

(※1)InVent Capitalとは
通信およびメディアコングロマリットのIntouchが所有するタイのベンチャーキャピタル会社

(※2)C Channel株式会社とは
2015年4月に設立された動画配信プラットフォームを提供する会社。LINE株式会社元CEO森川亮氏が代表を務める。「女子のための動画ファッションマガジン」を掲げ、メイク、ヘアスタイル、ネイル、料理、家事といった女性の関心の高いテーマを中心に、数十秒~1分程度の動画を配信。スマホでの閲覧を前提にした縦の動画が特徴。

※参照元
https://www.bangkokpost.com/life/social-and-lifestyle/279221/e-mogul-moo
https://sekatabi.net/2014/06/22/thailand-company/
https://thebridge.jp/2017/02/thai-startup-ookbee-shut-down-e-commerce-unit-165081-2
https://www.linkedin.com/in/natavudh/?originalSubdomain=th

設立までの背景

創業者の背景

創業者のMooは、幼少期よりコンピュータープログラムに興味を持ち、プログラミングを学び始めた。

また、スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツなど多くの著名な経営者の自伝書などを読み、起業のインスピレーションを受けた。

1999年22歳でコンピュータープログラミング会社IT WORKSをバンコクに設立。多くの日本企業からプログラミングの仕事を受注する。

2010年、iPadが初めて発売されたとき、Mooはこのタブレットでタイの本や雑誌を読むことができればいいと思い立つ。

そこでIT WORKSのモバイル部門内にて電子書籍サービスOokbeeを開発した。CEOのNatavudh PungcharoenpongはOokbeeの設立のきっかけを以下のように語っている。

“iPadやiPhoneを使い始めた時、それらに大きな可能性を見た。そしてそれら向けのe-Bookアプリの開発を始めることにした。海外のe-Bookやe-マガジンを読んでみて、私の会社も同様のアプリをタイ向けに開発できることが分かった。そして今、タイで最も多くのラインナップを抱えており、約100社の出版社と契約しており、その数は増えている。”

“When I began using an iPad and iPhone, I saw great potential in them. I decided to focus on developing e-book apps for the two devices. I began reading e-books and e-magazines via foreign developers and I knew that my company could develop the same kind of app for Thailand. We now have the biggest selection of e-magazines in the country. We work with around 100 local publishers and the number is growing.”

引用元:https://www.bangkokpost.com/life/social-and-lifestyle/279221/e-mogul-moo

Ookbeeのビジョン

“私たちのビジョンは、クリエイティブコンテンツを創造すること、消費するプラットフォームを成長および拡大し、クリエイティブコミュニティの経済的恩恵を強化することです。”

“Our vision is to grow and expand platforms to accommodate creative content creation and consumption, as well as strengthening economic returns for creative communities.”

参照元:
https://techsauce.co/en/news/beacon-vc-invests-ookbee-expand-c-channel-thailand/

市場背景

電子書籍の市場が立ち上がり始めた2002年は主にPCやPDA向けだったが、2008年のiPhone3Gの発売以降はスマホ向けにシフトし、2010年にiPadが発売されてからはタブレット向けも主流に。

Ookbeeはまさしくスマホやタブレット向けの電子書籍市場が立ち上がり始めたタイミングで市場に参入したといえる。

インターネットの普及状況を見ると、日本の約3倍で3億6千人(※1)に上る。普及率は約26.3%。ただ利用目的の大半がeメールで、ソフトのダウンロードは約20%、全体からみるとまだ少数派にとどまっていたようである。

ただ2014年に携帯電話の3Gから4Gへの移行や、デジタル放送の開始という大きな要因もあり、スマホを活用したコンテンツビジネスが徐々に活発になり、Ookbeeのユーザーも次第に増えていったと思われる。

(※1)現在サービス展開をしている、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポールが対象

※参照元:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000898/southeast_asia_int_sns.pdf

問題点

設立後数年間オンライン書店は順調にユーザーが増えていったが、スマートフォンの普及がますます広まる中、人々はFacebookなどのSNSを利用する頻度が多くなったことで、いかにOokbeeの利用に時間を割いてもらうことが新たな課題となった。

また、多くの出版社が紙媒体からデジタルへ移行し、出版社への依存を減らす必要が出てきた。さらには30歳未満のユーザー層が少なく、この層の開拓も必要であった。

これらの問題を解決していくために、Ookbeeは徐々にオンラインプラットフォームでの電子書籍の提供から、User-Generated Content(UGC)の提供を強化し、新たなプラットフォームをいくつもリリースしていった。

2018年2月現在では電子書籍事業は同社のビジネスの20%未満となっている。一方で設立以来、急速に東南アジア5か国へ進出してきたが、ユーザーの大部分はいまだにタイ国内である。

※参照元:
https://apps.apple.com/ie/app/ookbee-%E0%B8%A3-%E0%B8%B2%E0%B8%99%E0%B8%AB%E0%B8%99-%E0%B8%87%E0%B8%AA-%E0%B8%AD%E0%B8%AD%E0%B8%AD%E0%B8%99%E0%B9%84%E0%B8%A5%E0%B8%99/id667829467
https://web.tcdc.or.th/en/Articles/Detail/The-New-Day-of-Ookbee-and-UGC-the-Business-of-the-Future




サービス詳細

AppStoreまたはGoogle Playよりアプリをダウンロードして使用する。アプリは無料でダウンロードできるが、コンテンツは有料。

最初の数ページを無料で閲覧可能とし、続きを1ページごとの課金制にしている。1ページ3バーツ(10.35円)の課金。

※参照元
https://www.pref.tottori.lg.jp/sareport201905/

競合・サービス拡大

競合について

同社は、シンガポール、マレーシア、フィリピンのマーケットリーダーであり、タイでは90%の市場シェアを占め、ほぼ独占している状態である。

AmazonはECもそうだが東南アジアではシェアを取れていない。ちなみにECではLazadaが圧倒している。

関連記事

Lazadaは東南アジアを中心に巨大なマーケットを構築するBtoCのECサイトを持つスタートアップ企業だ。2012年に設立され急速な発展を見せている。現在はShopeeやAmazonとも競合する形になっているがLazmallのローカ[…]

※参照元
https://www.asean-j.net/39914/

UGCによるサービス拡大

優位性、価値、戦術
設立当初のプロによるコンテンツを提供する事業モデルから、User-Generated Content(UGC)、ユーザーによるコンテンツを提供するモデルへ転換したことが、事業拡大の秘訣といえる。

OokbeeComicsではマンガ愛好家のオンラインコミュニティを作ったり、チャット形式という従来より簡単に小説が投稿できるようにしたり、の取り組みが奏功したといえる。

※参照元

https://web.tcdc.or.th/en/Articles/Detail/The-New-Day-of-Ookbee-and-UGC-the-Business-of-the-Future




協業によるサービス拡大

Ookbee Mall

2015年11月にローンチされたEC事業。Ookbee MallはトランスコスモスとOokbeeの合弁会社として2015年6月3日に設立。

設立の背景には、タイにおけるECの急速な伸びと、日本文化や日本製品への高い関心があった。

Ookbeeの保有する膨大なユーザーデータ(アプリダウンロード数:800万超、会員数:650万人以上(2015/10/28当時)とトランスコスモスのもつEC運用ノウハウを掛け合わせることでASEAN領域に新たなECユーザーエクスペリエンスの価値を導入。

タイの雑誌や本・商品の販売および日本のコスメ・食料品などを日本からタイへ越境で販売するEC事業を始め、タイにおける新しいECビジネスの構築を目指した。

しかし、2017年3月にサービス停止となり、Ookbee代表のMooは以下にコメントしている。

“私たちはこの Ookbee Mall を投資家のトランスコスモスと提携して別会社として2年前に始めました。 デジタル事業を活用した低コストでの顧客獲得を実体性のあるビジネスに転用できるか探っていましたが、上手くいきませんでした。これ以上の損失には耐えられません。資本はデジタル製品など他の分野に投じた方が良いという結論になりました。”

なお、本件はOokbeeの主力事業には影響を及ぼさないという。

※参照元:
https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/151028.html
https://thebridge.jp/2017/02/thai-startup-ookbee-shut-down-e-commerce-unit-165081-2

Ookbee U

タイのコンテンツ市場への参入を意気込むTencentとOokbeeの合弁会社。UGCを提供するデジタルコンテンツメディア会社。

Ookbee Uはコミック、音楽、ブログ、小説など様々なオリジナルコンテンツを作成するクリエーターとそれを享受する消費者とのエコシステムを構築することに注力。

同社は今後3年間で100万を超えるオリジナルコンテンツの生成を計画。(2017年1月5日時点)

※参照元:
http://www.madisonboom.com/2017/01/05/tencent-and-ookbee-cooperate-to-set-up-a-digital-content-company-ookbee-u/

C Chanel Thailand

メディア配信チャンネル10以上、Facebook視聴者220万人、女性視聴者月間ビュー2900万回を誇る次世代ライフスタイルメディア。

2016年2月にC Channelとの提携を発表した際、代表のMooは以下のように語っている。

“Ookbeeは、半分以上がティーンのユーザー。日本のメイクやヘアについても積極的に採り入れている。タイはLINEのユーザー数が日本についで多いことからも親和性が高いことがわかる。今回のパートナーシップによって、共にASEANで成長していければ“

その後、Beacon Venture Capital からの投資を受け2018年3月にC Channel(Thailand)はC Channel※とOokbeeの合弁会社として設立された。

■参照元:
https://thebridge.jp/2016/02/c-channel-got-partnership-with-ookbee

今後の展開

今後どこへ向かうのか、戦術など
2018年時点でOokbeeは東南アジア最大の電子書籍・オーディオブック・電子雑誌ストアポータルであり、タイ最大の漫画ストアでもある。

東南アジアで最も有名なオンライン書店プラットフォーマーとなり、UGCコンテンツ市場の拡大を続けるOokbeeは今後も、独自のプラットフォームをつくり新たなデジタル領域でのビジネスを推進する。

コンテンツの知財収益は考えておらず、テクノロジー、プログラミング開発企業として、コンテンツクリエーターたちにコニュニティーを提供し続ける。

これに向け、ユーザーとクリエーターがOokbeeを利用し続けてもらうよう、Ookbeeの主要プラットフォームを厳密に調査・分析し、彼らの理解に努めている。

同社では電子書籍コンテンツを、固定フォーマットのAmazonモデルから、アクティブなユーザーエンゲージメントや複数のフォーマットで提供されるTencentモデルに進めていく計画とのことである。

“新しいコンテンツを頻繁に公開することで人々にOokbeeとは何者か示し続けることがメディア市場での競争に重要なことである。” と代表のMooは言う。

※参照元:
https://www.startupthailand.org/en/vdo-everyone-can-be-a-content-creator/
https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/140408.html

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